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世界の不思議
進攻Ⅲ
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「………ここは…?」
少年の魔法によってとばされた。
辺りを見渡す。
どこに飛ばされたのかすぐにわかった。
「ここはどうやら東の村のようですね。」
東の村にはマホがいる。
会いたかったが今は我慢しなければいけない。
「ところでカイロ殿、なにか魔法は使えるのか?」
使えるはずがない。
使えていたなら王国兵士などにならず王国魔導師になっている。
「いえ、なにも………」
馬人はじっと見つめてきた。
「そなたのジンを見せていただきたい。」
その言葉を聞いた瞬間に眉間にシワがよってしまった。
なぜ、ジンのことを知っているのだろうか。
王にもマリフも知らない。
家族にすら言っていないことを。
言えない理由がある。
恥ずかしかったのだ。
強力そうな名前とは裏腹に効果はしょぼかった。
「お見せできるようなものではありません。」
「お前は私に見せないというのか?」
高圧的な態度で上から見下ろされた。
怖い。
恥ずかしさとの間で揺れ動く。
「そういうわけでは……しかし、しょうもないものですが………」
無言だ。
返事はない。
ただ上からの高圧的な、威圧感な目線が注がれた。
目を閉じ、息を吐く。
「分かりました………………最上位ジン 若気(わかげ)」
バンっ
爆発音と共に白煙が体を包む。
恥ずかしさのみが込み上げてくる。
白煙が消え、馬人の視線が突き刺さった。
「………こんなジンなんです。恥ずかしいので誰にも言わないでいただきたい……。」
馬人は見つめる。
先の尖った革靴にピチピチのズボン、ピチピチの服にジャラジャラとした謎の鍵、そして対して眩しくないのにサングラス。
そのような格好をした人間を馬人は見つめた。
恥ずかしくて火が出そうだ。
「これだけか?」
「はい。」
逆にこれ以上なにかあってほしくない。
「本当か?」
「はい。」
もうなにも聞かないでほしい。
「そうか………。」
馬人の落胆は目を瞑ってもわかった。
こんなくそ使えないジンが最上位だなんて信じられなかった。
派手な格好になるだけ。
ただそれだけ。
なにも使えることがない。
話を変えなければいけない。
「ところで、なぜ着いてきた?」
ジンのことよりも聞かれたくないことを聞かれてしまった。
理由はただ一つだが、答えられない。
「シュヴァルツ殿お一人ではと………」
馬人の目がカッと開く。
「いい加減なことばかりぬかすな!ミンチにするぞ!本当はなんだ!」
「安全だからです!」
これは本音だった。
那国とホーセンとの境界が近いこの場所はデミヒューマンが攻めてくる心配はなかった。
「安全か………ふっ」
不適な笑みを浮かべた馬人はそのまま北へとあるきだした。
「ど……どこへ向かわれるのでしょうか?」
馬人の行為は予想に反した行動だった。
「ホーセンとの国境付近へ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
那国国境線付近
鎧を着た人間達と人間のような人間ではない者達との間には確かな隔たりがあった。
比喩ではない。
「なにがおきた………?」
突然光が広がりデミヒューマンが倒れたかと思ったらすぐに壁が国境線に沿って出現した。
デミヒューマンは壁の向こうにいる。
まわりを見渡しても少年がいない。
「騎士長!少年がおりません!」
誰かが叫んだ。
確かにいない。
ということは壁の向こうだということだ。
「少年………。」
理解した。
少年が行った行為のすべてを。
兵士たちは壁を見つめ、不安げな気持ちと安堵が入り交じった複雑な顔をしている。
「皆!祈れ!」
壁の向こうからは悲鳴にも似た雄叫びが聞こえた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
自分に浸っていた。
巨大な壁を出現させたことに。
名前のセンスに。
「な…なんだこれは!」
壁の両側から聞こえる。
デミヒューマン達は壁にむけ武器で攻撃している。
「すいません……、帰ってもらってもいいですか?」
デミヒューマンらは一斉に上を向いた。
「ダレダ!」
多分吸血鬼だ。
そんな感じがする。
とにかくデミヒューマン達は個性に溢れていた。
「帰ってもらえますか?」
デミヒューマンの何人かは翼があり、囲まれてしまった。
「お前がやったのか?」
かなり流暢に人間の言葉を話した。
そのデミヒューマンは見た目は人間そのものだった。
翼とするどい爪以外は。
「はい。」
「我らに帰れというのか?」
「はい。」
「お前を殺せば壁はなくなるのか?」
「はい。」
答えた瞬間に地上から、空中からなにかがとんでくる。
角のようなもの、石のようなもの、なにかのビームのようなもの。
色々と飛んできた。
「豚吉列(とんかつ)」
半径にして五十メートル程だろうか。
立っているデミヒューマンはいなかった。
しばしの沈黙。
そして喧騒。
「うわぁぁぁぁぁぁあ」
雄叫びなのか悲鳴なのかは分からない。
ただ、一斉に攻撃を仕掛けてきた。
正直もうめんどくさかった。
見えないほど多くのデミヒューマンはいるが、なんとかなるだろうか。
「上位魔法 孤羅最(ころも)」
自分を除いて誰一人として立っていなかった。
「ふぅ……。次は……水国かな……。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
水国国境線
「ゴギン様!」
ひたすらに剣を振っていたがあまりにも数が多すぎる。
十万……二十万は斬ったはずだ。
しかしその数百倍はまだのこっている。
「これは………少々きついな…………。」
まだ奥の手はあった。
しかし奥の手は奥の手なのである。
使ったらそこまでである。
「皆!!死んでもここを破られるな!」
おぉっ、と声は聞こえるが、城を出たときからかなり声が小さくなっていた。
どれだけの仲間が死んだのだろうか。
「貴様がゴギンか!?」
目の前に現れたのは数十体の青い巨大なものだった。
目は少し腫れぼったく、しかしギョロっとする瞳の奥からは殺戮の色が見えた。
ぼつぼつとした肌には所々傷があり、筋肉隆々の体に似つかわしい巨大な剣やハンマーを手にしている。
「ふっ………。」
笑ってしまった。
いくらなんでもこの数のトロールを一人で相手をするのは無理だった。
「使うしかない………か………」
一体のトロールがハンマーを振りかぶり走ってくる。
一歩進む毎に大地が揺れる。
トロールの口からは涎がたれていた。
「死ねぇぇ!」
トロールはハンマーを振り下ろす。
「最上位ジン 戦力低下(パワーカット)」
ハンマーが体に当たる前に剣を振る。
ドタン
倒れたのはトロールだ。
「うがぁぁぁぉ」
ジンの発動時間はそこまで長くない。
どんどんトロール達を斬っていく。
トロール達を斬り終えても次々に攻撃される。
「くっそぉぉぉ………………」
歯を食い縛り思いきり剣を振る。
一振りで一万体は斬っているはずだ。
しかし、数が減る様子はない。
時々敵の剣や弓、時には爪や角などが掠れる。
その度に血が少しでるが痛みなどなにも感じない。
目の前のことに全ての神経を集中させていた。
ズボッ
鈍い音がした。
そしてすぐに鈍痛が体に響く。
痛みのもとを目視するとなにかの尻尾が刺さっていた。
膝からその場に崩れ落ちる。
涙が溢れる。
伝説と言われた戦士の呆気なさに。
「くそ………くそ……………くそぉぉぉぉぉ…………」
心から叫んだ。
声にならないような声で。
ここで命が終わるのだ。
受け入れたくなかった。
「死ね」
顔は見えないがデミヒューマンが攻撃をしてこようとしているのがわかった。
死を受け入れざるを得なかった。
目をつむる。
「何しとんじゃコルァァァァァァァン?!」
とんでもなく大きな声が響き渡る。
聞き覚えのある声だ。
その声と共に、自分の周りにいたデミヒューマンは倒れていた。
「ゴギン!!こんなところでくたばるなっちゃ!」
腕を掴まれ、無理やり立たされた。
立たした者を見て、目を見開いた。
「お………王…………?なので……すか?」
そこに立っていたものは上半身裸の五メートルほどはある筋肉がはち切れんばかりにある、王冠を被った人間だった。
「そうだっちゃ!久々にこの姿になってみたが、血気盛んなあの頃を思い出すっちゃ!」
少年の魔法によってとばされた。
辺りを見渡す。
どこに飛ばされたのかすぐにわかった。
「ここはどうやら東の村のようですね。」
東の村にはマホがいる。
会いたかったが今は我慢しなければいけない。
「ところでカイロ殿、なにか魔法は使えるのか?」
使えるはずがない。
使えていたなら王国兵士などにならず王国魔導師になっている。
「いえ、なにも………」
馬人はじっと見つめてきた。
「そなたのジンを見せていただきたい。」
その言葉を聞いた瞬間に眉間にシワがよってしまった。
なぜ、ジンのことを知っているのだろうか。
王にもマリフも知らない。
家族にすら言っていないことを。
言えない理由がある。
恥ずかしかったのだ。
強力そうな名前とは裏腹に効果はしょぼかった。
「お見せできるようなものではありません。」
「お前は私に見せないというのか?」
高圧的な態度で上から見下ろされた。
怖い。
恥ずかしさとの間で揺れ動く。
「そういうわけでは……しかし、しょうもないものですが………」
無言だ。
返事はない。
ただ上からの高圧的な、威圧感な目線が注がれた。
目を閉じ、息を吐く。
「分かりました………………最上位ジン 若気(わかげ)」
バンっ
爆発音と共に白煙が体を包む。
恥ずかしさのみが込み上げてくる。
白煙が消え、馬人の視線が突き刺さった。
「………こんなジンなんです。恥ずかしいので誰にも言わないでいただきたい……。」
馬人は見つめる。
先の尖った革靴にピチピチのズボン、ピチピチの服にジャラジャラとした謎の鍵、そして対して眩しくないのにサングラス。
そのような格好をした人間を馬人は見つめた。
恥ずかしくて火が出そうだ。
「これだけか?」
「はい。」
逆にこれ以上なにかあってほしくない。
「本当か?」
「はい。」
もうなにも聞かないでほしい。
「そうか………。」
馬人の落胆は目を瞑ってもわかった。
こんなくそ使えないジンが最上位だなんて信じられなかった。
派手な格好になるだけ。
ただそれだけ。
なにも使えることがない。
話を変えなければいけない。
「ところで、なぜ着いてきた?」
ジンのことよりも聞かれたくないことを聞かれてしまった。
理由はただ一つだが、答えられない。
「シュヴァルツ殿お一人ではと………」
馬人の目がカッと開く。
「いい加減なことばかりぬかすな!ミンチにするぞ!本当はなんだ!」
「安全だからです!」
これは本音だった。
那国とホーセンとの境界が近いこの場所はデミヒューマンが攻めてくる心配はなかった。
「安全か………ふっ」
不適な笑みを浮かべた馬人はそのまま北へとあるきだした。
「ど……どこへ向かわれるのでしょうか?」
馬人の行為は予想に反した行動だった。
「ホーセンとの国境付近へ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
那国国境線付近
鎧を着た人間達と人間のような人間ではない者達との間には確かな隔たりがあった。
比喩ではない。
「なにがおきた………?」
突然光が広がりデミヒューマンが倒れたかと思ったらすぐに壁が国境線に沿って出現した。
デミヒューマンは壁の向こうにいる。
まわりを見渡しても少年がいない。
「騎士長!少年がおりません!」
誰かが叫んだ。
確かにいない。
ということは壁の向こうだということだ。
「少年………。」
理解した。
少年が行った行為のすべてを。
兵士たちは壁を見つめ、不安げな気持ちと安堵が入り交じった複雑な顔をしている。
「皆!祈れ!」
壁の向こうからは悲鳴にも似た雄叫びが聞こえた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
自分に浸っていた。
巨大な壁を出現させたことに。
名前のセンスに。
「な…なんだこれは!」
壁の両側から聞こえる。
デミヒューマン達は壁にむけ武器で攻撃している。
「すいません……、帰ってもらってもいいですか?」
デミヒューマンらは一斉に上を向いた。
「ダレダ!」
多分吸血鬼だ。
そんな感じがする。
とにかくデミヒューマン達は個性に溢れていた。
「帰ってもらえますか?」
デミヒューマンの何人かは翼があり、囲まれてしまった。
「お前がやったのか?」
かなり流暢に人間の言葉を話した。
そのデミヒューマンは見た目は人間そのものだった。
翼とするどい爪以外は。
「はい。」
「我らに帰れというのか?」
「はい。」
「お前を殺せば壁はなくなるのか?」
「はい。」
答えた瞬間に地上から、空中からなにかがとんでくる。
角のようなもの、石のようなもの、なにかのビームのようなもの。
色々と飛んできた。
「豚吉列(とんかつ)」
半径にして五十メートル程だろうか。
立っているデミヒューマンはいなかった。
しばしの沈黙。
そして喧騒。
「うわぁぁぁぁぁぁあ」
雄叫びなのか悲鳴なのかは分からない。
ただ、一斉に攻撃を仕掛けてきた。
正直もうめんどくさかった。
見えないほど多くのデミヒューマンはいるが、なんとかなるだろうか。
「上位魔法 孤羅最(ころも)」
自分を除いて誰一人として立っていなかった。
「ふぅ……。次は……水国かな……。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
水国国境線
「ゴギン様!」
ひたすらに剣を振っていたがあまりにも数が多すぎる。
十万……二十万は斬ったはずだ。
しかしその数百倍はまだのこっている。
「これは………少々きついな…………。」
まだ奥の手はあった。
しかし奥の手は奥の手なのである。
使ったらそこまでである。
「皆!!死んでもここを破られるな!」
おぉっ、と声は聞こえるが、城を出たときからかなり声が小さくなっていた。
どれだけの仲間が死んだのだろうか。
「貴様がゴギンか!?」
目の前に現れたのは数十体の青い巨大なものだった。
目は少し腫れぼったく、しかしギョロっとする瞳の奥からは殺戮の色が見えた。
ぼつぼつとした肌には所々傷があり、筋肉隆々の体に似つかわしい巨大な剣やハンマーを手にしている。
「ふっ………。」
笑ってしまった。
いくらなんでもこの数のトロールを一人で相手をするのは無理だった。
「使うしかない………か………」
一体のトロールがハンマーを振りかぶり走ってくる。
一歩進む毎に大地が揺れる。
トロールの口からは涎がたれていた。
「死ねぇぇ!」
トロールはハンマーを振り下ろす。
「最上位ジン 戦力低下(パワーカット)」
ハンマーが体に当たる前に剣を振る。
ドタン
倒れたのはトロールだ。
「うがぁぁぁぉ」
ジンの発動時間はそこまで長くない。
どんどんトロール達を斬っていく。
トロール達を斬り終えても次々に攻撃される。
「くっそぉぉぉ………………」
歯を食い縛り思いきり剣を振る。
一振りで一万体は斬っているはずだ。
しかし、数が減る様子はない。
時々敵の剣や弓、時には爪や角などが掠れる。
その度に血が少しでるが痛みなどなにも感じない。
目の前のことに全ての神経を集中させていた。
ズボッ
鈍い音がした。
そしてすぐに鈍痛が体に響く。
痛みのもとを目視するとなにかの尻尾が刺さっていた。
膝からその場に崩れ落ちる。
涙が溢れる。
伝説と言われた戦士の呆気なさに。
「くそ………くそ……………くそぉぉぉぉぉ…………」
心から叫んだ。
声にならないような声で。
ここで命が終わるのだ。
受け入れたくなかった。
「死ね」
顔は見えないがデミヒューマンが攻撃をしてこようとしているのがわかった。
死を受け入れざるを得なかった。
目をつむる。
「何しとんじゃコルァァァァァァァン?!」
とんでもなく大きな声が響き渡る。
聞き覚えのある声だ。
その声と共に、自分の周りにいたデミヒューマンは倒れていた。
「ゴギン!!こんなところでくたばるなっちゃ!」
腕を掴まれ、無理やり立たされた。
立たした者を見て、目を見開いた。
「お………王…………?なので……すか?」
そこに立っていたものは上半身裸の五メートルほどはある筋肉がはち切れんばかりにある、王冠を被った人間だった。
「そうだっちゃ!久々にこの姿になってみたが、血気盛んなあの頃を思い出すっちゃ!」
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