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あの事件が起こって2週間。
明日で夏休みが終わる。
蓮は憔悴しきっていて未だに目を覚まさないでいる。
あのゲス共は裏に引き渡した。
今頃、絶望の淵にでも立っているんじゃないかなぁ。
……ああ、後、蓮は私の家で眠っている。
今度何か在ったら恐いし。
だからveriteにも行かないで家に引きこもっている。
圭志と日向は来れないけど、他の4人は私の家に来ている。
「蓮、まだ起きないのかなぁ」
私の言葉に4人は静かに頷いた。
ねぇ、蓮?
早く起きてよ。
全員が揃ってないと私、寂しくて辛いんだけど?
1人でも欠けたら意味がないんだよ?
だが、蓮は一向に起きる気配がない。
「蓮、早く起きないと遥が壊れるぞ??」
「そうだよ。いいの?遥が壊れちゃっても」
「馬鹿だろ、お前」
「皆と居てまだ日が浅いですけど遥先輩が蓮さんを大切に思っていることは理解しているつもりです。遥先輩の為にも早く起きてあげて下さい」
悠に続いて葵、茜、奏の順に喋っていく。
だが、いつも蓮からは返事がない。
……今日は違ったが。
「あはは。相変わらずだねぇ、皆。こういう時くらい俺の心配してくれてもいいだろうに。まぁ、皆らしいと言えばらしいけどねぇ」
「「「「「蓮(さん)!?」」」」」
その場にいた全員が息ぴったりに叫んだ。
それに蓮は仲良いねぇ、と笑う。
それが夢かと思って頬を抓るが痛い。
夢じゃ、ない……?
ッ、目が覚めたんだ。
やっと、全員が揃ったんだ。
そのことを実感すると涙が次々と出て来る。
蓮はそれを見て優しく笑った。
「おいで?遥」
両手を広げる蓮に、恐る恐る抱き着いた。
「遅くなってごめんね?だから、泣かないでよ。遥の涙に俺が弱いこと知ってるでしょ?」
「…う、あっ……」
そう言われても止まらないんだよ!!
泣き止まない私に困ったように眉を下げる蓮。
ああ、そう言えばまだ言ってなかったなぁ…。
蓮が起きたことへの驚きと嬉しさで。
「……蓮」
「ん?」
「………おかえり!!」
泣きながら笑うと蓮は一瞬だけ目を見開き、
「………ただいま」
優しく、また笑った。
明日で夏休みが終わる。
蓮は憔悴しきっていて未だに目を覚まさないでいる。
あのゲス共は裏に引き渡した。
今頃、絶望の淵にでも立っているんじゃないかなぁ。
……ああ、後、蓮は私の家で眠っている。
今度何か在ったら恐いし。
だからveriteにも行かないで家に引きこもっている。
圭志と日向は来れないけど、他の4人は私の家に来ている。
「蓮、まだ起きないのかなぁ」
私の言葉に4人は静かに頷いた。
ねぇ、蓮?
早く起きてよ。
全員が揃ってないと私、寂しくて辛いんだけど?
1人でも欠けたら意味がないんだよ?
だが、蓮は一向に起きる気配がない。
「蓮、早く起きないと遥が壊れるぞ??」
「そうだよ。いいの?遥が壊れちゃっても」
「馬鹿だろ、お前」
「皆と居てまだ日が浅いですけど遥先輩が蓮さんを大切に思っていることは理解しているつもりです。遥先輩の為にも早く起きてあげて下さい」
悠に続いて葵、茜、奏の順に喋っていく。
だが、いつも蓮からは返事がない。
……今日は違ったが。
「あはは。相変わらずだねぇ、皆。こういう時くらい俺の心配してくれてもいいだろうに。まぁ、皆らしいと言えばらしいけどねぇ」
「「「「「蓮(さん)!?」」」」」
その場にいた全員が息ぴったりに叫んだ。
それに蓮は仲良いねぇ、と笑う。
それが夢かと思って頬を抓るが痛い。
夢じゃ、ない……?
ッ、目が覚めたんだ。
やっと、全員が揃ったんだ。
そのことを実感すると涙が次々と出て来る。
蓮はそれを見て優しく笑った。
「おいで?遥」
両手を広げる蓮に、恐る恐る抱き着いた。
「遅くなってごめんね?だから、泣かないでよ。遥の涙に俺が弱いこと知ってるでしょ?」
「…う、あっ……」
そう言われても止まらないんだよ!!
泣き止まない私に困ったように眉を下げる蓮。
ああ、そう言えばまだ言ってなかったなぁ…。
蓮が起きたことへの驚きと嬉しさで。
「……蓮」
「ん?」
「………おかえり!!」
泣きながら笑うと蓮は一瞬だけ目を見開き、
「………ただいま」
優しく、また笑った。
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