華の新撰組

三話 強くなりたい

　「おい、お嬢ちゃん。大丈夫か？」
　
　そのとき、声をかけてくれたのが
　近藤勇と土方歳三、沖田総司だった。
　
　「えっ、だ、大丈夫です。」
　「ここら辺はいじめが多いな。」
　「ほら、近藤さん。行くよ。」
　「早く宿探さないと。日が暮れちまう。」
　「それもそうだな。じゃあな、お嬢ちゃん。」
　
　直感した。
　この人達といれば強くなれる！
　半泣きで震えてる声を振り絞った。
　
　「あ、あの！わ、私に剣の稽古をつけてください！」
　
　近藤さんがこっちを向いて尋ねてきた。
　
　「どうして、剣を教えて欲しいんだ？」
　「強くなりたい！何にも負けない強さが欲しいんです。
　　少しの間でいいんです、お願いします！」
　
　三人の侍は少し話し合ってから、
　
　「君の家は何をしてる所？」
　「道場です。」
　「じゃあ、そこに一週間俺達を泊めてくれ。　　　　
　　そしたら教えてあげるよ。」
　「本当ですか？」
　
　近藤さんはコクリと頷いた。
　
　「えっと、俺は近藤勇。後ろにいるのが、沖田総司。
　　それで怖い顔をしてるのが、トシ。土方歳三だ。」
　「誰が怖い顔だ！」
　「君は？」
　「私は浪井杏と申します。」
　「よろしく、杏ちゃん。」
　
　ここから私の新選組との一週間が始まる。