恋だけが愛じゃない

むう子

文字の大きさ
上 下
2 / 6

2話

しおりを挟む
リンリンリン! 
後ろの方で自転車な呼び鈴が鳴りパッと振り向くと自転車を降りた瓜二つのイケメンが2人居て思わずドキッとするものの制服を見てあっ高校生かと大人らしくしないととデレッとした顔を元に戻す。 

「お姉さん!都会の人ですか??ここのバス停で待たないと次のバス停は坂登りきってもまだないですよ!」



「え?そうなんですか?少し運動がてら次の駅までと思ったけど甘かったみたいですね…。」 

「んー、ここには誰かに会いに来たんですか?それとも新しい役所の人とか?」 

「えーっと…おばあちゃん達に会いに来たんです」 

「あ、もしかして川端のおばあちゃんのところのお孫さん!?だったら僕たちのお父さんに電話して車で迎えに来てもらうよ」 

「え!そんな初めて会った方にそんなこと(汗」 

「あーお姉さんは初めてかもしれないけど。ここの人はバスもこうやって少ない山に囲まれた村に住んでるから協力しあって生きてるんだよ。都会と違ってさっ」 

「健!一言多いよ…」
皮肉そうに話す健という子に呆れたように冷静に話すもう1人。 

「あっ……確かにそだね。ごめんごめん悪気はないよ。」
健の話し方にため息を付きながらもう1人の子が父親であろう人へ電話を掛け始めた。 

「すぐ来てくれるとのことなので2.30分くらいはかかると思いますけどバスを待つよりは早いと思いますからここは日が当たって暑いので駅に戻ってベンチでゆっくり待っててください」 

「ありがとう。正直ほんっと助かりました。おじいちゃんも年だし頼めないと思ってたから土地勘もないまま歩く所だったので……。後でお礼させて下さい」 

「はは。気にしないでください……。じゃ。行こっか。健」 

「ああ。お姉さん、動物が出ることもあるから気をつけてね~」 

え!?動物!?くっ熊とかこんな駅でも出ちゃうの!?
いや、確かに駅といえど無人だし……。人いないし周りには畑もあるしこんな所で私ひとりで待ってて大丈夫な
「健!!」 

「ははははは。ごめんね冗談。真昼間に堂々と出てくることはそうそう無いから安心してね。」 

………………
冗談!?そうでなくても少し前に動画で何度か田舎の方でクマやイノシシが出るのを見てた私にとっては冗談に聞こえないんだけど!!これが冗談だなんて悪質極まりないわ!
私はすこし呆気にとられるもハッと現実に戻りイラッとしながら、お父さんが迎えに来てくれるんだからと心を落ち着かせた。 

「兄がすみません……。父がすぐ来ると思うので。僕たちは自転車があるので先に行かせて貰いますね…健。行くよ」
そう言って弟が自転車を漕ぎ始め先に走っていった。
「あっありがとう」 

「大荷物だけどお姉さんも別にこんなとこ来たくなかったんだろ?お姉さんがどれくらいで帰るか見ものだな(笑)じゃ、また後で」 

健と言われる男の子が敵意むき出しで冷たく言い放ち透の後を追いかけて坂を登って行った
しおりを挟む

処理中です...