僕らの距離

宇梶 純生

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固陋

聖夜 3

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清人にとって
初体験になる
アナル挿入に

何処と無く
ぎこちない腰振りが続き

挿入したまま
躰を起こす幸介は
座位へ移動する

交差する両足に
繋がる性器を擦り
腰を動かす幸介は
清人の上半身にしがみつき

「…ヤバい」

喘ぎ声を洩らし
激しい吐息を吐く

「…奥……ヤバい…」

清人の肩へ顔を乗せ
しがみつき腰を振る幸介の背中を
両腕で支える清人は
ペニスを突き上げてゆく

「あたってる?」

清人の言葉に
喘ぎ声も出せず
呻く幸介は何度も頷き

躰を揺らしながら
濃厚な接吻を交わす 
ふたりは
SEXに溺れていた

清人の躰を倒し
騎乗位で攻めたてる幸介に
ベッドから落ちる頭を
仰け反らせたまま
喘ぎ声を放つ清人

清人に跨る幸介が
自分のペニスを握り
扱き出すと

清人は躰を起こし
正常位へと体位を戻す

幸介の両膝を持ち
激しく腰を振り突き上げ
ペニスを扱く幸介は
首を起こし清人の顔を眺め

「達く…」

腹筋を震えわせ
多量の精子を
腹の上へ射精していた

腰振りを止めた清人は
荒げる息を吐く幸介を眺め

「僕も 達っていいですか?」

眼を瞑る幸介は
顔を歪め頷き

清人が腰振りを始めると
射精後の快楽に踠き
悲痛な喘ぎ声を発す

「…達きます」

アナルからペニスを抜き
手で扱き射精する清人は
快楽から解き放たれ
安堵の表情に変わる幸介へ
接吻を交わしていた


酒の酔いが廻り
動けぬ幸介の躰から
精子を拭き取る清人

腕で顔を隠す幸介は
うわ言の様に何度も呟く

「…ヤバい」

冷静な清人は
幸介の躰に布団を掛けた

「もう 寝てください」


服を着終えた清人は
幸介の寝息を確認し
部屋の電気を消す

幸介の部屋を出ると
真っ白な朝が眩しく
眼を細め

鉄錆の階段を
音を立てず降り
凍える寒さに
コートのポケットへ手を入れ

ローションを忘れた事に
気がついた

奇妙な贈り物として
幸介の部屋を見上げた清人は

鼻で空気を吸い込み
笑顔が混ざる息を吐いた

帰宅した関の部屋には
関の姿は無く
メモを残した紙を千切り
ゴミ箱へ捨て

シャワーを浴びる清人は
躰を洗い流し
胸に手を翳す

「…僕の心は…」

久我の拳で殴られた痛みが
じんわりと蘇り

「僕のモノじゃない」

清人の顔に
笑顔が浮かんでいた
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