8 / 11
ある冒険者からの報告
しおりを挟むこれは二ヶ月前の出来事である。それは腕利きの冒険者と呼ばれる者たちが集められた。
ここで冒険者という者のことを説明しておこう。
冒険者とは、困る人々を救う流浪の民である。基本的に国家に縛られず、また犯罪を犯すことなく生きている者である。そしてなにより、この世界に存在す?多くの英雄が冒険者である。
そして今日、皆が呼び出された理由はこの場にいる皆が知っている。
そして、前に出ている子供が見るだけで泣きそうな強面の男が司会を務めている。
「えー、では今日みんなを呼んだのは他でもない、フェルト森林の調査を頼むためだ」
フェルト森林とは何か、この国、ティア王国に最も近い森林である。規模も広く魔物も多い森であり、初心者冒険者のランクアップの試験に利用されたりする。
普段の彼らなら「フェルト森林の調査くらい下っ端にやらせろよ」と言うところだが、そういう者は誰1人いない。むしろ顔を引き締めているのが多かった。
「知っていると思うが、最近のフェルト森林は様子がおかしい。例年より魔物が森林から出てくる数が増えている」
やはり、という声も上がる。
「これは数十年前と同じ現象だ。恐らくフェルト森林の主が代替わりしたとみていい」
「先代のマッドネスボアが今代だったアーマードベアーにやられた以来でしたよね」
「そうだ。つい一昨日のことだが、ミーミルんとこのパーティーがアーマードベアーの遺体を持ち帰ってきた」
ザワザワと波紋が広がっていく。数十年に一度起こることが今起こってるからだ。
まあ、生きてたら一度はあることだとある老人は言った。その老人は齢500を越えてるとかいう噂もあったので説得力はほぼ無かった。
「というか、ミーミルのパーティーはどうアーマードベアーの死体を持ってきたのですかね?」
「死体じゃなく遺体と呼べ。確かに4メートルある巨大を運べたのは助っ人にラインハルトの爺さんがいたからだ」
「なるほど、『超怪力』の運び屋さんが居たら安心っすね」
ゴホン、と盛り上がる中、司会の男が咳払いをして場を静かにさせる。
「それに5ヶ月前のゴブリンの大量の遺体の件もある。その時はアーマードベアーが殺ったのかと思ってたが、アーマードベアーとゴブリンの死因が同じだった」
「同じって、死因は何でした?」
「撲殺だ。それもアーマードベアーの皮をベコベコに凹ますくらいの威力でな」
再び場がざわつく。アーマードベアーの皮は並大抵では凹む事すらない。それをベコベコに凹ましたとなるとかなりの脅威が予想される。
「それに、ここ最近はフェルト森林内の川に沿って撲殺されたウルフやゴブリンが発生している。これも最近にフェルト森林の主となった魔物が狩ったのだとみている」
「あの川の周りに死体が…………おっと、遺体が大量に転がってたの見た時は驚いたわ」
どうやら知ってる冒険者も居るようだ。というか、まず一番初めに確実な異常を見つけたのは彼女だった。
「ゴブリンの死体が30体以上転がってた時は、ね。あれは一種の軍隊になりかけてたわよね?」
「ああ、ゴブリンの集団が50を越したら軍隊となり、Dランク以上の冒険者が収集される。被害が先に収まったといえば優しく済むが、それが何回も起こってるからな…………」
自体はあまりよくはない。不意打ちで仕留めたならともかく、どう見ても真正面から戦いゴブリンの軍隊擬きやアーマードベアーを仕留めている。
フェルト森林の主も、代を重ねるこどに強くなっていくのだ。強くなりすぎて暴れると逆に討伐されたりしてしまうが。
「お前たち、今回の調査は下手したら命取りになる。俺はここから離れられないが、何とかして今代のフェルト森林の主を突き止めろ」
「「「「「「「「応!」」」」」」」」
司会の男は本当は行きたいが彼自身の立場の都合上、ついていく事も出来ない。しかし、人望が厚いらしい。
何故か、それはまだ知る事ではない。
~B級クエスト~
内容・今代のフェルト森林の主の調査
詳細・フェルト森林の主が間違いなく代替わりした。直ちにCランク以上の冒険者を募り主の正体を突き止めよ。なお、フェルト森林の主には森林のカーストを大きく変動させてしまう可能性があるので出来る限り手出ししてはいけない。
今回の調査に向かう冒険者
Bランク5名
Cランク19名
一言・生きて帰ってきてくれ
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる