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1話 プロローグ
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催眠型VRMMORPG。軍事用のシュミレータから医療用に転化され、民生用にアダルトコンテンツを加えて爆発的に普及したVRの世界に、遂に有名タイトルのMMORPGが出る、という事になった。
一時期MMORPGというジャンルはインターネットの黎明期にパソコンやコンシューマーゲームという舞台で隆盛を誇ったが、スマートフォンの普及とそのスマートフォン上で短時間で手軽に出来るゲームにそのシェアを奪われ、メインストリームから外れてしまった。だが、細々と続いていたMMORPGの幾つかのゲーム達は、長い時間を掛けて物語を紡ぎ続ける事で、重厚な歴史やバラエティに富む様々なキャラクター達を生み出し、一つの作品という枠を超えてまるでもう一つの世界を創り出していた。新たな世界、新たな体験を求める人達に向け、そのMMORPGの開発会社の一つであるベリウスが起死回生の大博打として全社を挙げてその世界をVRサーバーに展開したのである。それまでもAIの進化により、NPCの反応がまるっきり紋切型では無くなり、プレイヤーもある程度考えながら会話を進めなければならなくなったりなどはしていたのだが、これまで長らく更新せず使用していたサーバを数世代どころか十数世代分更新したことにより処理能力が桁違いに向上し、更に高性能のAIを使用する事でこれまで運営側が登録する決まりきったクエスト(これには一定の条件下で自動生成されるクエストも含まれる)のみならず、NPCやプレイヤーの関わりから再現不可のクエストなども発生する様になる。無論、運営側が準備した壮大なクエスト等も組み込まれてはいるらしいのだが、世界の状況によっては時期を待てと言われて一気には完遂出来ないなど、これまでの在り方とは様変わりする事となった。
その有り様に、カジュアルなプレイヤーからは難易度が高過ぎる、と敬遠されそうになっている部分は多少あったものの、ある程度以上の強さを持つボス達が死んでも再度蘇る事が出来る様にする事である程度の状況の維持を可能にしたり、システム側からの現在の世界の状況をプレイヤーに対しては新聞として配布する事で、自分がどんな状況に置かれているかなどを理解する事が出来る様にするなど、様々な運営側の工夫がなされた事で一定数以上のヘビーユーザーを獲得する事に成功した。パソコンの前に座るというゲーム、というモノより、仮想現実とはいえ別の世界でそのキャラクターとして生きる、とするならば、ファンサイトの情報通りに数をこなしていくただの作業という状態よりは、よっぽど冒険をしているのだという感じがしそうだという意見があったのである。
そういう自分もネットの黎明期からMMORPGをプレイし続けて来た廃人と呼ばれる人間の一人で、その意見には納得できた。どのゲームでも紋切型で、クエストの文言は変わっても突き詰めれば敵を三匹殺してこいだの物を持ってこいだの、同じことの繰り返し。ストーリーを楽しむにも限界があるし、爽快感もない。レベルマックスからが本当のスタートだ、とデイリークエストをひたすらこなして強い装備を求めるだけの毎日。そんなんだからみんなMMORPGから撤退して行ったのだ。
僕はこれまでプレイ時間を捻出する為にハードすぎる会社から転職したり、たまに出来る彼女からは振られたりした、ってこれは関係無いか。まぁ、なんだかんだ言ってもネトゲを廃人プレイでずっと遊んでる分にはお金も掛からず、気が付けばそれなりの額の貯金が貯まっていたりして、それを元手に株式に手を出したりして来た。国際情勢やいろんなニュース、関連の業種なんかの株価をパラメータに組み込んで売買を自動化するプログラムなんかを仕事中にコソコソと組んだりして、何度かいろんなバブルが弾けたりした段階で貯金が飛んでみたりはしたものの、調整を続けてよっぽどの大事件が起きない限りは順調に貯金が増える様になってくると、僕はあっさりと会社を辞め、ゲームに専念する様になった。ある程度以上稼ぐとちゃんと定期預金に預けて利益を確保するようにして、もう一生稼がなくてもいいだろう額にまで到達していたし、実家の父母も既に亡く、親戚付き合いもほとんど無い。たった一人の血縁である倍も年の離れた妹にも、家を買ったりすると税金が絡むから生活費にしか使うなよと僕名義の通帳を一冊渡してあったりするから、妹も早々困った事にはならないだろう。偶に遊びに来たりはするけども。
そんな僕がこのゲーム、True Adventures VR、通称TAVRに手を出さない訳がない。元々TA自体も二十年以上通して遊んでいた(途中で幾つか他のゲームもしてたけど)から、サイトで情報が公開され始めた時点で募集された開発資金の提供にも参加した。所謂一種のクラウドファンディングだね。一定の額以上を寄付すればこの先のプレイ料金が全額無料になったり、ゲーム内で使用できる成長補正のあるスキルが提供されたり、キャラクターの名前を確保して貰ったりとか、他にも様々な特典があったからね。ちなみに僕はその有り余るお金で全部の特典をゲットした。…まぁ、余剰資金が結構な額消えたけど、TAの世界観はとても好きだったし、後悔はない。資金提供した人間のハンドルネームはサイトに公開されたんだけど、他にも僕のようにかなりの大金をつぎ込んだ勇者は何十人といたし、額的にもそれこそ桁の違う額を投資した人もいたりした。僕は流石にそこまでは出せないなぁ、と思いながらベリウス社の株式を買ったのは秘密だ。期待とともに余りに博打的過ぎるって事で株価下がってたんだよね。元々前から少し持っては居たから、今回叩き売られていたのを買い足した形になったけど。
その他にも新たな鎧や武器のデザインコンテストなんかも行われていて、応募された作品はゲーム内で製作されうるデザインのひとつとして取り入れられたりした。元々ゲームの中にあった鎧達は見た目とパラメータは設定されていたけど、実際に人が装備したらどうなるのかというようなデータが余り無かったものも沢山あったようで、ゲーム仲間のツテを使って日本式の甲冑とかを作ってる人に渡りをつけたりして、細かいパーツがどうなってるのかの写真なんかを貰って提供なんかしちゃったりして、そういう事も合わさってゲームへの愛が半端なくなってるのは自分でも恐ろしい位だったりする。
潤沢な開発資金を元に、開発期間は予定では結構な期間取られていたんだけど、アルファ版のテストに参加する事が出来たのは思ったよりも早かった。資金を募集する段階でも既にある程度の開発が進められていたのは知っていたけれど、公開されてから一年も経たなかったというのは正直言って物凄く早い。拡張版ですら二年とか掛かる事があるのに。開発にどれだけのリソースが割り振られたんだろうね。
僕は家の戸締りをきっちりした後、VR機器であるヘルメットにベリウス社から送られて来たアルファ版アクセス用の小さなトークンをカチリと嵌めた。本来、ゲームにはこういうトークンみたいな物が必要じゃあ無いんだけど、限定アクセス用の機器のアドレスやら専用IDやらがこのトークンには設定されているらしい。僕はヘルメットを被るとベッドに横になった。椅子に座りっぱなしとかだとヘルメットのセンサーが反応してエラーになるんだよね。
僕はアクセス開始可能時間と同時にログインするように設定すると、事前にする事のできるキャラメイキングをし始めた。…大丈夫、まだまだ時間はたっぷりある。
一時期MMORPGというジャンルはインターネットの黎明期にパソコンやコンシューマーゲームという舞台で隆盛を誇ったが、スマートフォンの普及とそのスマートフォン上で短時間で手軽に出来るゲームにそのシェアを奪われ、メインストリームから外れてしまった。だが、細々と続いていたMMORPGの幾つかのゲーム達は、長い時間を掛けて物語を紡ぎ続ける事で、重厚な歴史やバラエティに富む様々なキャラクター達を生み出し、一つの作品という枠を超えてまるでもう一つの世界を創り出していた。新たな世界、新たな体験を求める人達に向け、そのMMORPGの開発会社の一つであるベリウスが起死回生の大博打として全社を挙げてその世界をVRサーバーに展開したのである。それまでもAIの進化により、NPCの反応がまるっきり紋切型では無くなり、プレイヤーもある程度考えながら会話を進めなければならなくなったりなどはしていたのだが、これまで長らく更新せず使用していたサーバを数世代どころか十数世代分更新したことにより処理能力が桁違いに向上し、更に高性能のAIを使用する事でこれまで運営側が登録する決まりきったクエスト(これには一定の条件下で自動生成されるクエストも含まれる)のみならず、NPCやプレイヤーの関わりから再現不可のクエストなども発生する様になる。無論、運営側が準備した壮大なクエスト等も組み込まれてはいるらしいのだが、世界の状況によっては時期を待てと言われて一気には完遂出来ないなど、これまでの在り方とは様変わりする事となった。
その有り様に、カジュアルなプレイヤーからは難易度が高過ぎる、と敬遠されそうになっている部分は多少あったものの、ある程度以上の強さを持つボス達が死んでも再度蘇る事が出来る様にする事である程度の状況の維持を可能にしたり、システム側からの現在の世界の状況をプレイヤーに対しては新聞として配布する事で、自分がどんな状況に置かれているかなどを理解する事が出来る様にするなど、様々な運営側の工夫がなされた事で一定数以上のヘビーユーザーを獲得する事に成功した。パソコンの前に座るというゲーム、というモノより、仮想現実とはいえ別の世界でそのキャラクターとして生きる、とするならば、ファンサイトの情報通りに数をこなしていくただの作業という状態よりは、よっぽど冒険をしているのだという感じがしそうだという意見があったのである。
そういう自分もネットの黎明期からMMORPGをプレイし続けて来た廃人と呼ばれる人間の一人で、その意見には納得できた。どのゲームでも紋切型で、クエストの文言は変わっても突き詰めれば敵を三匹殺してこいだの物を持ってこいだの、同じことの繰り返し。ストーリーを楽しむにも限界があるし、爽快感もない。レベルマックスからが本当のスタートだ、とデイリークエストをひたすらこなして強い装備を求めるだけの毎日。そんなんだからみんなMMORPGから撤退して行ったのだ。
僕はこれまでプレイ時間を捻出する為にハードすぎる会社から転職したり、たまに出来る彼女からは振られたりした、ってこれは関係無いか。まぁ、なんだかんだ言ってもネトゲを廃人プレイでずっと遊んでる分にはお金も掛からず、気が付けばそれなりの額の貯金が貯まっていたりして、それを元手に株式に手を出したりして来た。国際情勢やいろんなニュース、関連の業種なんかの株価をパラメータに組み込んで売買を自動化するプログラムなんかを仕事中にコソコソと組んだりして、何度かいろんなバブルが弾けたりした段階で貯金が飛んでみたりはしたものの、調整を続けてよっぽどの大事件が起きない限りは順調に貯金が増える様になってくると、僕はあっさりと会社を辞め、ゲームに専念する様になった。ある程度以上稼ぐとちゃんと定期預金に預けて利益を確保するようにして、もう一生稼がなくてもいいだろう額にまで到達していたし、実家の父母も既に亡く、親戚付き合いもほとんど無い。たった一人の血縁である倍も年の離れた妹にも、家を買ったりすると税金が絡むから生活費にしか使うなよと僕名義の通帳を一冊渡してあったりするから、妹も早々困った事にはならないだろう。偶に遊びに来たりはするけども。
そんな僕がこのゲーム、True Adventures VR、通称TAVRに手を出さない訳がない。元々TA自体も二十年以上通して遊んでいた(途中で幾つか他のゲームもしてたけど)から、サイトで情報が公開され始めた時点で募集された開発資金の提供にも参加した。所謂一種のクラウドファンディングだね。一定の額以上を寄付すればこの先のプレイ料金が全額無料になったり、ゲーム内で使用できる成長補正のあるスキルが提供されたり、キャラクターの名前を確保して貰ったりとか、他にも様々な特典があったからね。ちなみに僕はその有り余るお金で全部の特典をゲットした。…まぁ、余剰資金が結構な額消えたけど、TAの世界観はとても好きだったし、後悔はない。資金提供した人間のハンドルネームはサイトに公開されたんだけど、他にも僕のようにかなりの大金をつぎ込んだ勇者は何十人といたし、額的にもそれこそ桁の違う額を投資した人もいたりした。僕は流石にそこまでは出せないなぁ、と思いながらベリウス社の株式を買ったのは秘密だ。期待とともに余りに博打的過ぎるって事で株価下がってたんだよね。元々前から少し持っては居たから、今回叩き売られていたのを買い足した形になったけど。
その他にも新たな鎧や武器のデザインコンテストなんかも行われていて、応募された作品はゲーム内で製作されうるデザインのひとつとして取り入れられたりした。元々ゲームの中にあった鎧達は見た目とパラメータは設定されていたけど、実際に人が装備したらどうなるのかというようなデータが余り無かったものも沢山あったようで、ゲーム仲間のツテを使って日本式の甲冑とかを作ってる人に渡りをつけたりして、細かいパーツがどうなってるのかの写真なんかを貰って提供なんかしちゃったりして、そういう事も合わさってゲームへの愛が半端なくなってるのは自分でも恐ろしい位だったりする。
潤沢な開発資金を元に、開発期間は予定では結構な期間取られていたんだけど、アルファ版のテストに参加する事が出来たのは思ったよりも早かった。資金を募集する段階でも既にある程度の開発が進められていたのは知っていたけれど、公開されてから一年も経たなかったというのは正直言って物凄く早い。拡張版ですら二年とか掛かる事があるのに。開発にどれだけのリソースが割り振られたんだろうね。
僕は家の戸締りをきっちりした後、VR機器であるヘルメットにベリウス社から送られて来たアルファ版アクセス用の小さなトークンをカチリと嵌めた。本来、ゲームにはこういうトークンみたいな物が必要じゃあ無いんだけど、限定アクセス用の機器のアドレスやら専用IDやらがこのトークンには設定されているらしい。僕はヘルメットを被るとベッドに横になった。椅子に座りっぱなしとかだとヘルメットのセンサーが反応してエラーになるんだよね。
僕はアクセス開始可能時間と同時にログインするように設定すると、事前にする事のできるキャラメイキングをし始めた。…大丈夫、まだまだ時間はたっぷりある。
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