時給六千円の仕事

Tsubaki hime

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第2章 再開

4.安定

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お店の特色もあってか、在籍したお店では、電話が鳴らなくて困るなんていうことは全く無く、
むしろ私は待機時間などほとんど無いくらい予約が入った。

新人割がきくという理由ももちろんあった。
それプラス、写真やスタッフさんが作成してくれる自己紹介の書き方がとても上手いのである。

女性からはちょっと盛りすぎじゃないか?と思うような内容も、発情している男性からしたらそそる様な内容なのだろう。

在籍したデリヘルはオフィスと待機室が別々の部屋にあり、
待機室は半個室となっており、女の子同士顔お合わせることがほとんどなく、静かに待機できた。

印象に残っているのはお客様よりスタッフの接しやすさだった。
わたしが出勤するなり「おはようございますー!」と元気にあいさつしてくださり、帰る時は「今日もありがとうございましたー!」と、笑顔で冗談交じりの会話をしながらやりとりしていた。

キャバクラとの大きな差を感じた。
キャバクラではスタッフから指名を呼べ、やりとりをしろ、だの"管理"されていたが
デリヘルはまるで"守られている"かのような安心感があった。
結局このお店に1年間在籍した理由のひとつに、スタッフの対応があるのは間違いないと思った。

接客はというと、徐々にリピートしてくれる方"本指名"がつくようになった。
どんな仕事であれ、接客し、お客様に「ありがとう」と言われることは
やはり私の心を満たした。

ときに怖かったり、本番を強要してくるお客様もいたが、そういう方は事務所にもどり、スタッフに報告、NGにして、二度と接客しないようにすることができた。

何よりも私は仕事を楽しみ、笑顔をモットーに働いていた。
昼間の仕事では経験できなかったものを、またここで見つけたのだった。
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