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二章
女王の策略
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「陛下! ララ女王陛下!」
国務大臣のポルドが、大きな腹を揺すりながら女王の控えの間にドタドタと飛び込んできた。
「無礼者! 陛下は今お支度中です!!」
女王御付きの女官長レイチェルの鋭い叱責が飛ぶ。
その声に慌てて踵を返したポルドに、構わないというララの声が引き止めた。そして、見事な銀髪を結われながら顔をしかめ、身支度を整える女官に文句を言っている。
「イタタ、そうグイグイ引っ張るな」
「あともう少しの辛抱ですわ、陛下」
女官たちは特に気にする様子もなく、次に女王の顔に厚化粧を施してゆく。
身体中が焼き尽くされているのではないかと思うような、シンとの聖婚の衝撃にララはなんと1ヶ月耐えた。そしてなんとか戴冠式を終え、喪に服しながら、慣れない政務に追われていた。
「レイチェル、まぁ、そう目くじらをたてるな。つい……」
頭を掻きながら、最近めっきり中年太りが気になるポルドは、妻のレイチェルに片目をつぶった。
「だいたいあなたはいつも――…」
レイチェルの小言をすかさず遮って、ララがポルドに先を促した。
「で、どうした、ポルド?」
「ああ、そうそう! 大変です。ラウル様が王の策略に嵌り、謀反の疑いで投獄されたという情報が先ほどゴダールの諜報部から……」
「なんだと!?」
「半年前、どうやら王都からほど近い小さな村で、戦利品の横領と反乱軍のための兵をかき集めたということになっていますな。その際、それを止めに入った王族の武将の耳を切り落としたのだとか」
ラウルはタリサ村で地すべりの復旧工事に戦利品の一部を当て、その資金で工事の人足を集めた。それを利用されたというわけだ。
「うーん……。それはひどい濡れ衣だな。ラウルはどうなる?」
「うちの諜報部によると、ラウル殿下の絶大な人気を妬んでいる王は、常日頃から殿下を追い落とすチャンスを虎視眈々と狙っていたようです。出来レースの公聴会に引っ張り出し、公平な裁きのもと、処刑したという体で、民衆を強引に納得させるつもりなのでしょう」
「そんな……」
「そしてもうひとつ、お母上のシェリル様と長年使えた侍従のクロウ殿がお亡くなりに……」
「なに!?」
「詳細はわかりませんが、どちらも、突然王に襲いかかり返り討ちにあったとのことです」
「そんな……」
あの老侍従は、王子に尽くすことだけが自分の生きがいだと思っているような老人だった。
「ポルド……」
「はい、ララ女王陛下、心得ておりますよ。そのような悩ましい目で男を見るものではありません」
「な、なにを言う!」
ララが真っ赤になると、ポルドはさも可笑しそうに大きな腹を揺らして笑った。
「まぁ、冗談はそのぐらいにして、ラウル殿をいらぬというならいただきましょう。こちらに」
「……は?」
「縁談です。婿にするのです。ラウル殿を」
「誰の?」
「陛下の」
「へ、陛下って私のことか?」
「他に誰がいるのです?」
「で、でも……」
「今はあれこれ考えてる時間はございません。これしかないのです! 多額の持参金をちらつかせ、ラウル殿をシンにいただいてしまえばいいではありませんか!」
「だが、ゴダールは豊かな大国だ。牢に繋いでいるラウルを引っ張り出せるほど高額な持参金などうちで……」
「何をおしゃっているのですか、ララ女王陛下。うちの財政状況をご存知ない? 神龍を頂く五大国の中でもゴダールに次ぐ二位ですぞ」
「そうだったのか」
「そもそも、カリア様はこういう時のために、様々な薬を開発してきたではないですか」
「そうか……」
シンは知る人ぞ知る医療大国である。他国にはない医療大学を持ち、大勢の研究者を有し、各国に広く薬や薬剤師や医師を提供している。シン以外作れない良薬を生み出せる資質こそが、白龍シンの特性でもあった。
そしてさらに、先王カリアの代から、王自らが身分を隠しながら各国王家に医師として潜り込み、王族の健康管理に深く関わるとともに、せっせと諜報活動に勤しんできた。カリアの政策に抜かりはない。
「それに、ゴダールの鉱脈の産出量がここ数十年で徐々に目減りしているという噂です。すでに枯れてしまった鉱山がいくつもあるのだとか」
ララが驚きに目を見張った。
「ゴダールの鉱山が枯れる? 神龍がいるのに? まさか……」
「そのまさかです。この星の精である神龍が死ぬことはないでしょうが、黒龍様になにかあったとみるべきでしょうな」
「……」
「ここ百年以上、神龍ゴダールの目撃情報がございません」
「だが、神龍は他国でもめったに見かけない」
「しかし、まるきりということはございません。年がら年中フラフラ飛び回っている我が大公様(シン)を別にすれば、他国の神龍も何かの折にはご尊顔を拝めます。国力と現王政を誇示するためにもその手のイベントはどの国も年に一度ぐらいは必ずある」
「確かに……」
「黒龍様は、どうもご聖婚が行われていないようです。先々代から数えて、現王からすでに五代ほど直系の王族筋が王権を握っている。神龍の器である王器が直系から出たと言う話も聞きませんし、これも異例です。そのせいで、もしかしたら黒龍様の力が弱まっているのではないか、と……」
神龍が選んだ最初の王「聖王」は、その性質ともども子孫に受け継がれる。しかし、近親婚を避けた一般民との婚姻によってその血は代を追うごとに薄くなってゆくわけで、大体どの王家でも、3代ぐらいを目安に、神龍は再び聖王を選んで代替わりしてゆくのが通例だ。
「でも、弱っているならなぜゴダールは沈黙を守っているのだ? 弱らぬための聖婚だろう?」
「さあそれです。それもあって、ラウル殿との婚姻を陛下にはぜひともまじめに考えてもらいたいわけで……。国力が弱まっている今、ゴダール王は神龍国の後押しをひとつでも多く欲しいところかと」
「なるほど。ラウルを介して、私に神龍ゴダールを調査せよと言うのだな……」
「王族以外はなかなか神龍には近づけないものですからな」
「……わかった」
「どうかお気を付けくださいましね、陛下」
「うん、わかった」
「……でも、よかったですわね、ララ女王陛下」
レイチェルがニコニコと言った。
「え……?」
「ラウル様は、あなた様がお小さい頃、お別れするのが辛すぎて、すっぽりと記憶を失ってしまうほど焦がれたトトではありませんか」
「そうだけど、この私で、うまくやれるだろうか……」
「もちろん、今のラウル様をお助けできるのは、陛下しかいないではありませんか」
「そう、か……」
ララは自信がなさそうだ。厚化粧の顔をうつ向けて、膝に置かれた手を見つめている。
そんなララの手をレイチェルがとった。
「陛下、今のあなた様には、ラウル様を救えるだけの特権と政治力がおありになる。あなた様のために心血を注いで動く優秀で忠実な家来も大公様もいるではありませんか」
励ますようなレイチェルの言葉に、ララが毅然と顔を上げた。
「ポルド! 使者を!」
「はいもうすでに手配済みでごさいますとも! ラウル殿との縁談は早急に畳み掛ける必要があります。囚われておられるあの方をさっさと処刑されてはたまらない。わたくしめもすぐにゴダールに参ります」
「頼む、ポルド!」
「ははっ!」
ポルドはすぐに大きな腹を揺すりながら出て行った。
ラウルが目障りなゴダール王が、いつ牢獄のラウルに手をかけるとも知れない。ゴダールに反感を持つラウルとの縁談は、間違いなく諸刃の剣でもあるのだ。
だから縁談話を持ち込むと同時に、ゴダール王族を苦しめる病の特効薬を届け、シンの後押しを約束しなければならない。
どうか、どうかあの欲深な王家が、この薬に飛びつきますように――
そしてラウルが、どうかこの縁談を断りませんように――
国務大臣のポルドが、大きな腹を揺すりながら女王の控えの間にドタドタと飛び込んできた。
「無礼者! 陛下は今お支度中です!!」
女王御付きの女官長レイチェルの鋭い叱責が飛ぶ。
その声に慌てて踵を返したポルドに、構わないというララの声が引き止めた。そして、見事な銀髪を結われながら顔をしかめ、身支度を整える女官に文句を言っている。
「イタタ、そうグイグイ引っ張るな」
「あともう少しの辛抱ですわ、陛下」
女官たちは特に気にする様子もなく、次に女王の顔に厚化粧を施してゆく。
身体中が焼き尽くされているのではないかと思うような、シンとの聖婚の衝撃にララはなんと1ヶ月耐えた。そしてなんとか戴冠式を終え、喪に服しながら、慣れない政務に追われていた。
「レイチェル、まぁ、そう目くじらをたてるな。つい……」
頭を掻きながら、最近めっきり中年太りが気になるポルドは、妻のレイチェルに片目をつぶった。
「だいたいあなたはいつも――…」
レイチェルの小言をすかさず遮って、ララがポルドに先を促した。
「で、どうした、ポルド?」
「ああ、そうそう! 大変です。ラウル様が王の策略に嵌り、謀反の疑いで投獄されたという情報が先ほどゴダールの諜報部から……」
「なんだと!?」
「半年前、どうやら王都からほど近い小さな村で、戦利品の横領と反乱軍のための兵をかき集めたということになっていますな。その際、それを止めに入った王族の武将の耳を切り落としたのだとか」
ラウルはタリサ村で地すべりの復旧工事に戦利品の一部を当て、その資金で工事の人足を集めた。それを利用されたというわけだ。
「うーん……。それはひどい濡れ衣だな。ラウルはどうなる?」
「うちの諜報部によると、ラウル殿下の絶大な人気を妬んでいる王は、常日頃から殿下を追い落とすチャンスを虎視眈々と狙っていたようです。出来レースの公聴会に引っ張り出し、公平な裁きのもと、処刑したという体で、民衆を強引に納得させるつもりなのでしょう」
「そんな……」
「そしてもうひとつ、お母上のシェリル様と長年使えた侍従のクロウ殿がお亡くなりに……」
「なに!?」
「詳細はわかりませんが、どちらも、突然王に襲いかかり返り討ちにあったとのことです」
「そんな……」
あの老侍従は、王子に尽くすことだけが自分の生きがいだと思っているような老人だった。
「ポルド……」
「はい、ララ女王陛下、心得ておりますよ。そのような悩ましい目で男を見るものではありません」
「な、なにを言う!」
ララが真っ赤になると、ポルドはさも可笑しそうに大きな腹を揺らして笑った。
「まぁ、冗談はそのぐらいにして、ラウル殿をいらぬというならいただきましょう。こちらに」
「……は?」
「縁談です。婿にするのです。ラウル殿を」
「誰の?」
「陛下の」
「へ、陛下って私のことか?」
「他に誰がいるのです?」
「で、でも……」
「今はあれこれ考えてる時間はございません。これしかないのです! 多額の持参金をちらつかせ、ラウル殿をシンにいただいてしまえばいいではありませんか!」
「だが、ゴダールは豊かな大国だ。牢に繋いでいるラウルを引っ張り出せるほど高額な持参金などうちで……」
「何をおしゃっているのですか、ララ女王陛下。うちの財政状況をご存知ない? 神龍を頂く五大国の中でもゴダールに次ぐ二位ですぞ」
「そうだったのか」
「そもそも、カリア様はこういう時のために、様々な薬を開発してきたではないですか」
「そうか……」
シンは知る人ぞ知る医療大国である。他国にはない医療大学を持ち、大勢の研究者を有し、各国に広く薬や薬剤師や医師を提供している。シン以外作れない良薬を生み出せる資質こそが、白龍シンの特性でもあった。
そしてさらに、先王カリアの代から、王自らが身分を隠しながら各国王家に医師として潜り込み、王族の健康管理に深く関わるとともに、せっせと諜報活動に勤しんできた。カリアの政策に抜かりはない。
「それに、ゴダールの鉱脈の産出量がここ数十年で徐々に目減りしているという噂です。すでに枯れてしまった鉱山がいくつもあるのだとか」
ララが驚きに目を見張った。
「ゴダールの鉱山が枯れる? 神龍がいるのに? まさか……」
「そのまさかです。この星の精である神龍が死ぬことはないでしょうが、黒龍様になにかあったとみるべきでしょうな」
「……」
「ここ百年以上、神龍ゴダールの目撃情報がございません」
「だが、神龍は他国でもめったに見かけない」
「しかし、まるきりということはございません。年がら年中フラフラ飛び回っている我が大公様(シン)を別にすれば、他国の神龍も何かの折にはご尊顔を拝めます。国力と現王政を誇示するためにもその手のイベントはどの国も年に一度ぐらいは必ずある」
「確かに……」
「黒龍様は、どうもご聖婚が行われていないようです。先々代から数えて、現王からすでに五代ほど直系の王族筋が王権を握っている。神龍の器である王器が直系から出たと言う話も聞きませんし、これも異例です。そのせいで、もしかしたら黒龍様の力が弱まっているのではないか、と……」
神龍が選んだ最初の王「聖王」は、その性質ともども子孫に受け継がれる。しかし、近親婚を避けた一般民との婚姻によってその血は代を追うごとに薄くなってゆくわけで、大体どの王家でも、3代ぐらいを目安に、神龍は再び聖王を選んで代替わりしてゆくのが通例だ。
「でも、弱っているならなぜゴダールは沈黙を守っているのだ? 弱らぬための聖婚だろう?」
「さあそれです。それもあって、ラウル殿との婚姻を陛下にはぜひともまじめに考えてもらいたいわけで……。国力が弱まっている今、ゴダール王は神龍国の後押しをひとつでも多く欲しいところかと」
「なるほど。ラウルを介して、私に神龍ゴダールを調査せよと言うのだな……」
「王族以外はなかなか神龍には近づけないものですからな」
「……わかった」
「どうかお気を付けくださいましね、陛下」
「うん、わかった」
「……でも、よかったですわね、ララ女王陛下」
レイチェルがニコニコと言った。
「え……?」
「ラウル様は、あなた様がお小さい頃、お別れするのが辛すぎて、すっぽりと記憶を失ってしまうほど焦がれたトトではありませんか」
「そうだけど、この私で、うまくやれるだろうか……」
「もちろん、今のラウル様をお助けできるのは、陛下しかいないではありませんか」
「そう、か……」
ララは自信がなさそうだ。厚化粧の顔をうつ向けて、膝に置かれた手を見つめている。
そんなララの手をレイチェルがとった。
「陛下、今のあなた様には、ラウル様を救えるだけの特権と政治力がおありになる。あなた様のために心血を注いで動く優秀で忠実な家来も大公様もいるではありませんか」
励ますようなレイチェルの言葉に、ララが毅然と顔を上げた。
「ポルド! 使者を!」
「はいもうすでに手配済みでごさいますとも! ラウル殿との縁談は早急に畳み掛ける必要があります。囚われておられるあの方をさっさと処刑されてはたまらない。わたくしめもすぐにゴダールに参ります」
「頼む、ポルド!」
「ははっ!」
ポルドはすぐに大きな腹を揺すりながら出て行った。
ラウルが目障りなゴダール王が、いつ牢獄のラウルに手をかけるとも知れない。ゴダールに反感を持つラウルとの縁談は、間違いなく諸刃の剣でもあるのだ。
だから縁談話を持ち込むと同時に、ゴダール王族を苦しめる病の特効薬を届け、シンの後押しを約束しなければならない。
どうか、どうかあの欲深な王家が、この薬に飛びつきますように――
そしてラウルが、どうかこの縁談を断りませんように――
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