7 / 51
一章
6
しおりを挟む
今朝方の王子のセリフを思い出すと、どう考えてもこのまま王子のいるあの部屋に戻れない。
──今夜は本気で行くぞ?
あれはつまり、そう言うことだろう。
にも関わらず、こんな姿で帰ろうものなら、さあどうぞ、私もやる気満々ですと言っているようなものではないか。
冗談じゃないと思う反面、本当にそうかと自問自答する。
今朝のキスが脳裏をかすめ、腹の底をきゅっと甘く掴まれるような痛みが走る。
今になって、心臓がドキドキしてきた。
次に抵抗できる自信がない。それが本音だった。
誰かに姿を見られる前に服を着替えた。
そもそもケリーにはこの村に留まる必要がない。この村周辺でしか生えない、目当ての薬草もすでにたくさん摘めた。
迎えの待ち合わせの約束より1日早いが、まぁなんとかなるだろう。確か街道沿いの外れの森の中に猟師小屋があったはずだ。一晩ぐらいならそこで過ごせばいい。今日は随分暖かい。
姿を見られないよう村の入り口まで行こうとして、声を荒げる誰かの気配でケリーは慌てて物陰に隠れ、そっと声のする方をうかがった。
教会の前には、鬱陶しそうに顔をしかめるラウルの前で、部下を従え何かしきりに訴えているアベリがいる。怒っているようだが、ここからでは遠くて何を言っているのかまでは聞こえない。
ラウルは明らかに話半分で聞き流している。遠目に見ているケリーからしてそれがわかるのだから、目の前にいるアベリはさぞや腹に据えかねるだろう。
くわばらくわばらだ。ケリーはそれを横目に、くすしの道具と、ローラの家に寄って預けてあった荷物を担ぎ、ローラに短いお礼とお別れの手紙を残してそっと村を出た。
重くてかさばる荷物を担ぎ、街道を急いでいると、しばらくして後ろから何頭もの馬の蹄が近づいてくる音がした。邪魔にならないよう脇にそれる。
ドカドカと通り過ぎてゆくのは、甲冑を身につけた騎馬隊だった。10頭ほどいる。捲きあがる土埃をうっかり吸い込み、ゴホゴホと咳き込んでいると、先頭の騎馬兵がふいに戻ってきた。残りも後に続くが、先頭の誰かが手を振って指示を出すと、半分はそのまま街道を立ち去って行った。
「──?」
残りの騎馬がケリーの前で止まると、先頭の甲冑の武将が面白いものを見つけたと言うようにニヤッと笑った。
「小僧、貴様か」
アベリだ。
ケリーは考える前にパッと踵を返した。騎馬兵にナイフでは立ち向かえない。
街道脇の森に逃げ込もうとして捕まった。
かさばる荷物があだになったのだ。
「離せ!!」
すぐに荷物を放り出して逃げ出そうとしたが、素早く馬から降りてきた兵士に首根っこを掴まれた。
懐のナイフを抜こうとして、いきなり腹に拳を叩きつけられた。
「ぐふっ」
肺から空気が叩き出され、痛みとショックで身体が二つに折れる。
気が遠くなった。
「────…」
どれほど気を失っていたのか、ゆらゆらと揺すぶられ、ふと気づくと誰かの肩に担ぎ上げられ、何処かへ運ばれている。
森の中だ。
アベリの部下の一人がケリーを担ぎ上げ、街道を外れた森の奥に連れ込もうとしているのだ。それほど長い時間ではなく、気を失っていたのはほんの数分のようだ。
とっさにもがいて逃れようとしたが、ドサリと地面に放り出されただけだった。
「おまえ、娘だったのだな」
アベリがニヤニヤと笑っている。
幸いにも下草は春の雑草で柔らかく、怪我は免れた。
必死に逃げようとしたところを押さえつけられ、背中にアベリがのしかかかってきた。おそらく自分の倍以上の体重がある武将に馬乗りにされ、全く身動きが取れない。
ビリッという音とともに、シャツが引き破られた。
「いやあ!!」
もがいているうちに、仰向けにされた。とっさに胸を隠してしまう。
アベリの残酷な笑顔が、馬乗りになったままケリーを覗き込んでいる。
「ハハハハ!!」
「離せ!! やめろ!!」
「大人しくしろ!!」
バシッ──
頬を張られ、目の前を火花が飛んで意識が朦朧とする。
それでもなんとか弱々しく抵抗しようとするが、アベリがでかい手でケリーの首根っこを抑え、他の二人がケリーの腕を一本ずつ押さえつけるに至って、万事休すと諦めた。だが、恐ろしさと悔しさで涙が溢れてくる。
「はっはっは、昨夜の威勢の良さはどうした?」
この世で最も残酷なケダモノは、ケリーの哀れな姿を見ながらますます興奮しているのだ。
胸を大きくはだけられ、せわしなくズボンに手をかけられたところで、アベリの頬に鋭い剣先がひたと張り付いた。
アベリが凍りついた。
そしてゾッとするほど冷ややかな声が言った。
「アベリ、貴様、それ以上1ミリでも動いてみろ、首を落とす」
「ラ、ラウル殿下」
ケリーの腕を抑えていたひとりが逃げようとしたのか剣を抜こうとしたのか、一瞬ケリーの右手が自由になったと思った瞬間、銀色の何かがヒラリと一度ケリーの目の前で閃いた。
パッと頬に生暖かいものが数滴飛んできたと思ったら、地面に押し倒されているケリーの頭上で、何か重いものがドサリと倒れる音がして両腕が自由になった。
「ひっ」
ケリーの上で、アベリの目が大きく見開かれた。
アベリはケリーに馬乗りになったまま、固まったように動けないでいる。
「で、で、殿下、どうか、どうかお鎮まりを!! い、今、この娘から離れてよろしいか!?」
アベリがガタガタと震えながら必死に言う。
「当たり前だ。さっさとしろ」
アベリがぎこちない動作でやっとケリーの上からどいて、震えながらラウルの前に跪いた。
それを見下ろすラウルの黒い眼はゾッとするほど冷ややかだった。
その目がふとケリーを見つめた。
「ケリー」
ラウルがそう言って、静かに左手を差し出し、起き上がったケリーの手をとって優しく自分に引き寄せ、マントで包まれた。
ケリーの目に、先ほどまで自分の左腕を抑えていたらしい兵士が、首から夥しい血を流して絶命しているのが見えた。
全身から血の気が引いた。
「で、殿下、ど、どうか……ウッ──」
ラウルが小さくヒラリと剣先を動かすと、パツッとアベリの左耳が削ぎ落とされた。
実に正確で迷いのない動きだった。
「グアアアアッ――!」
アベリが耳を抑えながら地面を転がった。
ラウルの腕がもう一度振りかぶった時、その腰にケリーがしがみついた。
辺りに血の匂いが充満している。
「お、王子!! やめろ!! もういい! もういいから!!」
ラウルの動きが止まった。
ケリーが慌てて、腰を抜かしている兵士に向かって言った。
「お、おまえ、そいつを連れてさっさと行け!」
ケリーがそう言うと、兵士は弾かれたように立ち上がり、必死にアベリを抱えてその場をヨロヨロと立ち去って行った。
残されたのはラウルに首を落とされ、まだ傷口から大量の血を流している無残な骸だけだった。
ラウルはそれに短い一瞥をくれると、マントにくるまっているケリーに、更に自分の上着をかけてくれた。そして、肩を抱えて静かに歩き出す。
「歩けるか?」
「あ、ああ……」
──今夜は本気で行くぞ?
あれはつまり、そう言うことだろう。
にも関わらず、こんな姿で帰ろうものなら、さあどうぞ、私もやる気満々ですと言っているようなものではないか。
冗談じゃないと思う反面、本当にそうかと自問自答する。
今朝のキスが脳裏をかすめ、腹の底をきゅっと甘く掴まれるような痛みが走る。
今になって、心臓がドキドキしてきた。
次に抵抗できる自信がない。それが本音だった。
誰かに姿を見られる前に服を着替えた。
そもそもケリーにはこの村に留まる必要がない。この村周辺でしか生えない、目当ての薬草もすでにたくさん摘めた。
迎えの待ち合わせの約束より1日早いが、まぁなんとかなるだろう。確か街道沿いの外れの森の中に猟師小屋があったはずだ。一晩ぐらいならそこで過ごせばいい。今日は随分暖かい。
姿を見られないよう村の入り口まで行こうとして、声を荒げる誰かの気配でケリーは慌てて物陰に隠れ、そっと声のする方をうかがった。
教会の前には、鬱陶しそうに顔をしかめるラウルの前で、部下を従え何かしきりに訴えているアベリがいる。怒っているようだが、ここからでは遠くて何を言っているのかまでは聞こえない。
ラウルは明らかに話半分で聞き流している。遠目に見ているケリーからしてそれがわかるのだから、目の前にいるアベリはさぞや腹に据えかねるだろう。
くわばらくわばらだ。ケリーはそれを横目に、くすしの道具と、ローラの家に寄って預けてあった荷物を担ぎ、ローラに短いお礼とお別れの手紙を残してそっと村を出た。
重くてかさばる荷物を担ぎ、街道を急いでいると、しばらくして後ろから何頭もの馬の蹄が近づいてくる音がした。邪魔にならないよう脇にそれる。
ドカドカと通り過ぎてゆくのは、甲冑を身につけた騎馬隊だった。10頭ほどいる。捲きあがる土埃をうっかり吸い込み、ゴホゴホと咳き込んでいると、先頭の騎馬兵がふいに戻ってきた。残りも後に続くが、先頭の誰かが手を振って指示を出すと、半分はそのまま街道を立ち去って行った。
「──?」
残りの騎馬がケリーの前で止まると、先頭の甲冑の武将が面白いものを見つけたと言うようにニヤッと笑った。
「小僧、貴様か」
アベリだ。
ケリーは考える前にパッと踵を返した。騎馬兵にナイフでは立ち向かえない。
街道脇の森に逃げ込もうとして捕まった。
かさばる荷物があだになったのだ。
「離せ!!」
すぐに荷物を放り出して逃げ出そうとしたが、素早く馬から降りてきた兵士に首根っこを掴まれた。
懐のナイフを抜こうとして、いきなり腹に拳を叩きつけられた。
「ぐふっ」
肺から空気が叩き出され、痛みとショックで身体が二つに折れる。
気が遠くなった。
「────…」
どれほど気を失っていたのか、ゆらゆらと揺すぶられ、ふと気づくと誰かの肩に担ぎ上げられ、何処かへ運ばれている。
森の中だ。
アベリの部下の一人がケリーを担ぎ上げ、街道を外れた森の奥に連れ込もうとしているのだ。それほど長い時間ではなく、気を失っていたのはほんの数分のようだ。
とっさにもがいて逃れようとしたが、ドサリと地面に放り出されただけだった。
「おまえ、娘だったのだな」
アベリがニヤニヤと笑っている。
幸いにも下草は春の雑草で柔らかく、怪我は免れた。
必死に逃げようとしたところを押さえつけられ、背中にアベリがのしかかかってきた。おそらく自分の倍以上の体重がある武将に馬乗りにされ、全く身動きが取れない。
ビリッという音とともに、シャツが引き破られた。
「いやあ!!」
もがいているうちに、仰向けにされた。とっさに胸を隠してしまう。
アベリの残酷な笑顔が、馬乗りになったままケリーを覗き込んでいる。
「ハハハハ!!」
「離せ!! やめろ!!」
「大人しくしろ!!」
バシッ──
頬を張られ、目の前を火花が飛んで意識が朦朧とする。
それでもなんとか弱々しく抵抗しようとするが、アベリがでかい手でケリーの首根っこを抑え、他の二人がケリーの腕を一本ずつ押さえつけるに至って、万事休すと諦めた。だが、恐ろしさと悔しさで涙が溢れてくる。
「はっはっは、昨夜の威勢の良さはどうした?」
この世で最も残酷なケダモノは、ケリーの哀れな姿を見ながらますます興奮しているのだ。
胸を大きくはだけられ、せわしなくズボンに手をかけられたところで、アベリの頬に鋭い剣先がひたと張り付いた。
アベリが凍りついた。
そしてゾッとするほど冷ややかな声が言った。
「アベリ、貴様、それ以上1ミリでも動いてみろ、首を落とす」
「ラ、ラウル殿下」
ケリーの腕を抑えていたひとりが逃げようとしたのか剣を抜こうとしたのか、一瞬ケリーの右手が自由になったと思った瞬間、銀色の何かがヒラリと一度ケリーの目の前で閃いた。
パッと頬に生暖かいものが数滴飛んできたと思ったら、地面に押し倒されているケリーの頭上で、何か重いものがドサリと倒れる音がして両腕が自由になった。
「ひっ」
ケリーの上で、アベリの目が大きく見開かれた。
アベリはケリーに馬乗りになったまま、固まったように動けないでいる。
「で、で、殿下、どうか、どうかお鎮まりを!! い、今、この娘から離れてよろしいか!?」
アベリがガタガタと震えながら必死に言う。
「当たり前だ。さっさとしろ」
アベリがぎこちない動作でやっとケリーの上からどいて、震えながらラウルの前に跪いた。
それを見下ろすラウルの黒い眼はゾッとするほど冷ややかだった。
その目がふとケリーを見つめた。
「ケリー」
ラウルがそう言って、静かに左手を差し出し、起き上がったケリーの手をとって優しく自分に引き寄せ、マントで包まれた。
ケリーの目に、先ほどまで自分の左腕を抑えていたらしい兵士が、首から夥しい血を流して絶命しているのが見えた。
全身から血の気が引いた。
「で、殿下、ど、どうか……ウッ──」
ラウルが小さくヒラリと剣先を動かすと、パツッとアベリの左耳が削ぎ落とされた。
実に正確で迷いのない動きだった。
「グアアアアッ――!」
アベリが耳を抑えながら地面を転がった。
ラウルの腕がもう一度振りかぶった時、その腰にケリーがしがみついた。
辺りに血の匂いが充満している。
「お、王子!! やめろ!! もういい! もういいから!!」
ラウルの動きが止まった。
ケリーが慌てて、腰を抜かしている兵士に向かって言った。
「お、おまえ、そいつを連れてさっさと行け!」
ケリーがそう言うと、兵士は弾かれたように立ち上がり、必死にアベリを抱えてその場をヨロヨロと立ち去って行った。
残されたのはラウルに首を落とされ、まだ傷口から大量の血を流している無残な骸だけだった。
ラウルはそれに短い一瞥をくれると、マントにくるまっているケリーに、更に自分の上着をかけてくれた。そして、肩を抱えて静かに歩き出す。
「歩けるか?」
「あ、ああ……」
0
お気に入りに追加
258
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる