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カッチ、つかまる
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さて、冒険を終えたかたつむりのカッチは、お家を目指しておりました。一刻も早くみんなの顔が見たかったのです。
外は小雨がぱらついています。つるつるとすべるアスファルトの道は、大きな車がブロローン、ブロローンと黒い煙を出して行き交っています。
(これは危険だ! 別の道を行こう)
カッチはアスファルトの道から端っこへ出て、近くのコンクリートブロックを、雨で重くなった殻を背負ったまま、わっせ、わっせと登ろうとしました。
でも、なかなか上へ登れません。なぜなら、カッチはとっても、とってもお腹が空いていたのです。力が出なくて、めまいを起こして、もう、道路へ落っこちそう!
「あい、ちっこいかたつむりだ!」
突然、女の子の声とともに、カッチの体はふわっと宙に浮きました。殻をつかまれたのです。
「うわわわわ!」
カッチはびっくりして目玉を声のするほうへ向けました。
自分と同じように殻を、いいえ、赤いランドセルを背負った女の子が、カッチの顔を覗き込んでいます。まっすぐな黒い髪、太い眉。一重まぶたの大きな黒い目をぱちぱちさせて、女の子はカッチをじろじろと見ると、隣に立っている金色の髪をした、大きな男の人に声を掛けました。
「お父さん、かたつむりだよ! ねえ、方言でなんて言うの?」
「これはね、‘ちんなん’って言うんだよ。」
お父さんと呼ばれた人がそう答えます。またたくまに、カッチの体はお父さんの手のひらの上にそっと置かれました。
(このままだと、握りつぶされちゃう!)
カッチはもう生きた心地がしません。小さな心臓がどくどくと音を立てています。小さな殻の中に目玉も体もキュッと引っ込めて、カッチは死んだように冷たくなりました。
が、お父さんはカッチの殻を、まるで綿毛のように優しくそっと包み込んで、ズボンのポケットに入れました。
「理那、ちょっと、あそこの喫茶店に行こうか?」
どれくらい時間が経ったでしょうか。カッチはお父さんのポケットから摘まれ、大きな白い皿の上に置かれました。
すぐ側に、つるつる、ぺらぺらした薄い緑色の物体があります。目玉を出したカッチはびっくりしました。なんとそれは、カッチの大好きなきゅうりのスライスだったのです!
「ほら、お食べ!」
お父さんはサンドイッチを片手にニッコリ笑ってカッチを眺めています。どうやら、サンドイッチにはさまれていたきゅうりを一枚、カッチのためにサービスしてくれたようです。
大冒険を終えてお腹が空いていたカッチは、すぐにきゅうりに食いつきました。うーん、コリコリしてて、おいしい!
「あ、食べてる、食べてる!」
理那と呼ばれた女の子は、カッチの食事風景に大喜びしながら、お父さんと仲良くサンドイッチを半分こしていましたが、やがて、小さな声でお父さんにこう尋ねました。
「あのね、お父さん。お父さんの足は、本当に治らないの?」
(え? どういうこと?)
カッチはきゅうりをたべながら、そっと片方の目玉をお父さんの方へ向けました。
「これは、ちょっと、難しいなー。もう十年になるし」
お父さんは自分の右足をさすりながらニコニコしています。
「なにしろ、車が交差点の向こうから、バーンと突っ込んできたとき、ブレーキを踏んだら、そのまま右足ごと巻き込まれちゃって、ぐちゃぐちゃになっちゃったからね」
理那ちゃんは泣きそうです。食べかけたサンドイッチを口から離しました。
「お父さん、かわいそう。普通の人だったら、もっと早く歩いたり、走ったりできるし、いっぱいお仕事もできるのに。理那、知ってるよ。お父さん、働き者だったんでしょ? オペでいろんな人をいっぱい治してきたんでしょう? アメリカで事故にさえ遭わなかったら、えらいお医者さんになれたんでしょう?」
側で聞いていて、カッチも気の毒になりました。そして、底なし沼の近くで出会った親切なナナフシの紳士を思い出しました。彼の足は一本だけ足りませんでした。森からこの沼の近くへ引っ越したとき、意地悪なつる草に絡まって、折れてしまったらしいのです。
「わしはもう、遠くへ出歩くのは止めたんじゃ。若いの、気をつけて帰るんだよ」
そう言うと、ナナフシの紳士はすらっと高い背をのばして、迷子のカッチに一番いい道を教えてくれたのでした。だから、カッチは底なし沼にはまることなく、そこを抜け出すことができたのです。
ところが。
「あははは! 理那、どこでそんな話を聞いたんだい?」
お父さんは明るい声で笑っています。理那ちゃんの頭をポンポンと軽く叩くと、お父さんは優しくこう言いました。
「とっても大事なことを忘れているぞ。お父さんが事故に遭わなかったら、お兄ちゃんも、理那も、この世に生まれてなかったんだよ?」
「ええっ?」
理那ちゃんはすっとんきょうな声をあげています。カッチもびっくりです。しばし、きゅうりのことを忘れて、カッチはお父さんの方へ両方の目玉を持ち上げました。
「確かに、お父さんが事故に遭わなかったら、いっぱい仕事ができただろうね。帰ってきてからも、朝から晩まで患者さんのオペをして、ずっと、ずーっと働いていただろうね」
お父さんはそう言って、グラスに入ったアイスティーをストローでごくごくっと飲みました。
「でもね、理那。お仕事ばっかりしていたら、お父さんはお母さんのことを、放ったらかしにしていたかもしれないよ? 結婚して、一緒に住んでても、お母さんの寂しさとか、悩み事とかに全然気づかなかったかもしれない。ひょっとすると、離婚してたかもね」
「……そうなの?」
「実はね、お父さんがアメリカで事故に遭ったとき、お母さんのお腹には、ちっちゃな赤ちゃんがいたんだ」
お父さんは小雨のぱらつく外の景色を眺めました。その顔はすこし寂しそうでした。
「でも、お母さんはそのことを誰にも話さなかった。お父さんは足を怪我して、もう歩けないんじゃないか、生きていけないんじゃないかって一人で落ち込んでた。だから、お母さんは、お父さんを助けたくって、お父さんの分まで働こうと、頑張っちゃったんだね。無理に無理を重ねて、流産しちゃったんだ」
初めて聞く話に、とてもびっくりしたのでしょう。理那ちゃんは目をぱちくりしています。
「流産の話を聞いたとき、わかったんだ。お父さんには、大切な人がいるって。だから、お医者さんの仕事も頑張るけど、お母さんとの時間を、できるだけ大事にしようって。そして、今度赤ちゃんができたら、お母さんが一人で頑張っちゃわないようにしようって」
お父さんは理那ちゃんの顔をもう一回眺めて、ニッコリしながら、付け加えました。
「確かに、お父さんは足がちょっと不自由だけど、その分、お母さんとずっと仲良しでいることができた。だから、お兄ちゃんと理那が生まれたんだよ」
お父さんはそういうと、カッチを指差しました。
「お父さんの足は不自由だけど、こうして理那とゆっくり歩いたから、ちんなんにも会えたでしょう? 早足で歩いていたら、ちんなんと、会えなかったかもしれないよ?」
「そうか、そうだねー? かたつむりさんも、きゅうりのご馳走、食べられなかったかもね?」
(へえ、そうなんだ。じゃ、僕がはらぺこで壁から落ちなくって済んだのも、お父さんの足が悪かったから、なのかな?)
お父さんと理那ちゃんへ目玉を交互に向けながら、カッチはきゅうりをむしゃむしゃと食べました。
やがて、お腹が膨らんで元気になったカッチは、理那ちゃんの手のひらに乗せられて、さっきの壁の近くに咲いていたあじさいの花の上に置かれました。
「かたつむりさん、ばいばい! 早くお家に帰ってね?」
お父さんと理那ちゃんの笑顔に見送られて、カッチはとてもいい気分になりました。
(この話も、みんなにしてあげなくっちゃ!)
カッチはそう決心すると、小さな胸を張って、雨上がりの中をゆっくり歩き出したのでした。
-FIN-
外は小雨がぱらついています。つるつるとすべるアスファルトの道は、大きな車がブロローン、ブロローンと黒い煙を出して行き交っています。
(これは危険だ! 別の道を行こう)
カッチはアスファルトの道から端っこへ出て、近くのコンクリートブロックを、雨で重くなった殻を背負ったまま、わっせ、わっせと登ろうとしました。
でも、なかなか上へ登れません。なぜなら、カッチはとっても、とってもお腹が空いていたのです。力が出なくて、めまいを起こして、もう、道路へ落っこちそう!
「あい、ちっこいかたつむりだ!」
突然、女の子の声とともに、カッチの体はふわっと宙に浮きました。殻をつかまれたのです。
「うわわわわ!」
カッチはびっくりして目玉を声のするほうへ向けました。
自分と同じように殻を、いいえ、赤いランドセルを背負った女の子が、カッチの顔を覗き込んでいます。まっすぐな黒い髪、太い眉。一重まぶたの大きな黒い目をぱちぱちさせて、女の子はカッチをじろじろと見ると、隣に立っている金色の髪をした、大きな男の人に声を掛けました。
「お父さん、かたつむりだよ! ねえ、方言でなんて言うの?」
「これはね、‘ちんなん’って言うんだよ。」
お父さんと呼ばれた人がそう答えます。またたくまに、カッチの体はお父さんの手のひらの上にそっと置かれました。
(このままだと、握りつぶされちゃう!)
カッチはもう生きた心地がしません。小さな心臓がどくどくと音を立てています。小さな殻の中に目玉も体もキュッと引っ込めて、カッチは死んだように冷たくなりました。
が、お父さんはカッチの殻を、まるで綿毛のように優しくそっと包み込んで、ズボンのポケットに入れました。
「理那、ちょっと、あそこの喫茶店に行こうか?」
どれくらい時間が経ったでしょうか。カッチはお父さんのポケットから摘まれ、大きな白い皿の上に置かれました。
すぐ側に、つるつる、ぺらぺらした薄い緑色の物体があります。目玉を出したカッチはびっくりしました。なんとそれは、カッチの大好きなきゅうりのスライスだったのです!
「ほら、お食べ!」
お父さんはサンドイッチを片手にニッコリ笑ってカッチを眺めています。どうやら、サンドイッチにはさまれていたきゅうりを一枚、カッチのためにサービスしてくれたようです。
大冒険を終えてお腹が空いていたカッチは、すぐにきゅうりに食いつきました。うーん、コリコリしてて、おいしい!
「あ、食べてる、食べてる!」
理那と呼ばれた女の子は、カッチの食事風景に大喜びしながら、お父さんと仲良くサンドイッチを半分こしていましたが、やがて、小さな声でお父さんにこう尋ねました。
「あのね、お父さん。お父さんの足は、本当に治らないの?」
(え? どういうこと?)
カッチはきゅうりをたべながら、そっと片方の目玉をお父さんの方へ向けました。
「これは、ちょっと、難しいなー。もう十年になるし」
お父さんは自分の右足をさすりながらニコニコしています。
「なにしろ、車が交差点の向こうから、バーンと突っ込んできたとき、ブレーキを踏んだら、そのまま右足ごと巻き込まれちゃって、ぐちゃぐちゃになっちゃったからね」
理那ちゃんは泣きそうです。食べかけたサンドイッチを口から離しました。
「お父さん、かわいそう。普通の人だったら、もっと早く歩いたり、走ったりできるし、いっぱいお仕事もできるのに。理那、知ってるよ。お父さん、働き者だったんでしょ? オペでいろんな人をいっぱい治してきたんでしょう? アメリカで事故にさえ遭わなかったら、えらいお医者さんになれたんでしょう?」
側で聞いていて、カッチも気の毒になりました。そして、底なし沼の近くで出会った親切なナナフシの紳士を思い出しました。彼の足は一本だけ足りませんでした。森からこの沼の近くへ引っ越したとき、意地悪なつる草に絡まって、折れてしまったらしいのです。
「わしはもう、遠くへ出歩くのは止めたんじゃ。若いの、気をつけて帰るんだよ」
そう言うと、ナナフシの紳士はすらっと高い背をのばして、迷子のカッチに一番いい道を教えてくれたのでした。だから、カッチは底なし沼にはまることなく、そこを抜け出すことができたのです。
ところが。
「あははは! 理那、どこでそんな話を聞いたんだい?」
お父さんは明るい声で笑っています。理那ちゃんの頭をポンポンと軽く叩くと、お父さんは優しくこう言いました。
「とっても大事なことを忘れているぞ。お父さんが事故に遭わなかったら、お兄ちゃんも、理那も、この世に生まれてなかったんだよ?」
「ええっ?」
理那ちゃんはすっとんきょうな声をあげています。カッチもびっくりです。しばし、きゅうりのことを忘れて、カッチはお父さんの方へ両方の目玉を持ち上げました。
「確かに、お父さんが事故に遭わなかったら、いっぱい仕事ができただろうね。帰ってきてからも、朝から晩まで患者さんのオペをして、ずっと、ずーっと働いていただろうね」
お父さんはそう言って、グラスに入ったアイスティーをストローでごくごくっと飲みました。
「でもね、理那。お仕事ばっかりしていたら、お父さんはお母さんのことを、放ったらかしにしていたかもしれないよ? 結婚して、一緒に住んでても、お母さんの寂しさとか、悩み事とかに全然気づかなかったかもしれない。ひょっとすると、離婚してたかもね」
「……そうなの?」
「実はね、お父さんがアメリカで事故に遭ったとき、お母さんのお腹には、ちっちゃな赤ちゃんがいたんだ」
お父さんは小雨のぱらつく外の景色を眺めました。その顔はすこし寂しそうでした。
「でも、お母さんはそのことを誰にも話さなかった。お父さんは足を怪我して、もう歩けないんじゃないか、生きていけないんじゃないかって一人で落ち込んでた。だから、お母さんは、お父さんを助けたくって、お父さんの分まで働こうと、頑張っちゃったんだね。無理に無理を重ねて、流産しちゃったんだ」
初めて聞く話に、とてもびっくりしたのでしょう。理那ちゃんは目をぱちくりしています。
「流産の話を聞いたとき、わかったんだ。お父さんには、大切な人がいるって。だから、お医者さんの仕事も頑張るけど、お母さんとの時間を、できるだけ大事にしようって。そして、今度赤ちゃんができたら、お母さんが一人で頑張っちゃわないようにしようって」
お父さんは理那ちゃんの顔をもう一回眺めて、ニッコリしながら、付け加えました。
「確かに、お父さんは足がちょっと不自由だけど、その分、お母さんとずっと仲良しでいることができた。だから、お兄ちゃんと理那が生まれたんだよ」
お父さんはそういうと、カッチを指差しました。
「お父さんの足は不自由だけど、こうして理那とゆっくり歩いたから、ちんなんにも会えたでしょう? 早足で歩いていたら、ちんなんと、会えなかったかもしれないよ?」
「そうか、そうだねー? かたつむりさんも、きゅうりのご馳走、食べられなかったかもね?」
(へえ、そうなんだ。じゃ、僕がはらぺこで壁から落ちなくって済んだのも、お父さんの足が悪かったから、なのかな?)
お父さんと理那ちゃんへ目玉を交互に向けながら、カッチはきゅうりをむしゃむしゃと食べました。
やがて、お腹が膨らんで元気になったカッチは、理那ちゃんの手のひらに乗せられて、さっきの壁の近くに咲いていたあじさいの花の上に置かれました。
「かたつむりさん、ばいばい! 早くお家に帰ってね?」
お父さんと理那ちゃんの笑顔に見送られて、カッチはとてもいい気分になりました。
(この話も、みんなにしてあげなくっちゃ!)
カッチはそう決心すると、小さな胸を張って、雨上がりの中をゆっくり歩き出したのでした。
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