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第10話 創造と再現のせめぎ合い 宮崎駿 vs 高畑勲

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今回はかなーりジブリファンからツッコミが多そうな回です。なんでしたらコメントくださいな。クルミさんはアルファポリスでは一度もコメントいただいたことがないので、ちょうどいい。
ただし、こういっちゃなんですけど、どうか返事は期待しないでください。返事が欲しい方は、すきづきん先輩へ「マシュマロ」投げるのがいいですよ。そしたらStand.FMで取り上げていっぱい喋ってくれます。

さてさて。実のところ、監督業は再現型が多い職業でして。
たとえば『男はつらいよ』シリーズで知られる山田洋二監督はどこからどう見ても再現型です。プロットの組み立てやキャスティング、演出にとことんこだわり作品を磨き上げてクランクアップへ持っていき、さらに編集して己の世界を完成させる。再現型じゃないとできない仕事といってもいいくらいです。

なにも監督は映画だけじゃない。スポーツの世界でも監督の位置づけはとても重要です。再現特化でわかりやすい例はプロ野球の野村克也監督でしょう。解説者時代にストライクゾーンを9分割した「ノムラスコープ」で話題を呼び、監督となってからは「ID野球」で一時代を築いたと言っても過言ではない。それくらい緻密なデータにこだわる野球を繰り広げました。

で、話はタイトルのジブリへとむかいます。
今回は創造型と再現型の拮抗がカギです。クルミさん、あまりジブリは熱心には観ていない。それでも宮崎駿監督が創造型で高畑勲監督が再現特化ってことくらいはわかります。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でこのお二人に迫った放送がありました。
創造型の宮崎駿監督については、クルミさんよりも読者のみなさんが詳しいでしょう。作画のひとつひとつのありかたにこだわる「元祖おたく」で、特に機械の表現に人一倍うるさい。夢中になったら寝ることもせず机にむかって作画し続ける。そして何よりメッセージ性に重点を置くことで観客を魅了し続ける存在です。
対して、高畑監督は一度決めたことをとことん行う、納得できなければ一歩も譲らない完璧主義者として有名でした。納期ありきな社会において、それを全然守らない。予算も毎回オーバーしまくり。ですが最高のクオリティをもってすべてに報いるタイプ。
高畑さんについて特記すべき点は、再現特化でありながら有能な人材の登用に貪欲であったことでしょう。ややもすると再現特化は自らの意見に固執し周囲から孤立することが多いのですが、高畑さんは逆に「人材を育てる」ことに意欲的でした。まだ無名同然の久石譲さんに注目し映画音楽を任せようと決めたとき、周囲から猛反対されても頑として受け付けなかったのは有名な逸話です。(ちなみに久石さんは創造の要素を少し感じさせる再現型です。)
そんな高畑さんだからこそ、創造型である宮崎さんを見出し、厳しさと優しさをもって優秀なアニメータとして育て上げることが可能だった。完成度の高い宮崎アニメに「30点」などと落第点を投げつけていますが、「彼にはさらによい作品を作ってもらいたい」という親心でそう言ったのだそうです。
創造型の宮崎さんは、厳しい高畑さんの指導に決してくじけることなくリスペクトし続け、時にはお互い協力し合って数々の名作を世に送り出した。そして世界中のクリエイターへ多大な影響を与え続けたのでした。

「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、創造型と再現型が火花を散らしながらも互いにリスペクトしあう様子を丹念に追う中で、再現型と共感型の要素を合わせ持つ鈴木敏夫さんの姿が目を引きました。両者から着かず離れずの距離をキープしつつ経営に携わる重要なポジションで広報とマネジメントを一手に引き受けています。再現性だけでは難しい、共感性がなければ決してできない仕事です。「創造型」宮崎監督と「再現型」高畑監督、両者との間をうまく取り持つことができたのも鈴木さんの共感性あってこそでした。ここにも「みげか」の法則が生きているのです。
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2サイトのURLを紹介しておきます。
・みげか3タイプ診断(すきづきん) https://coconala.com/services/2758631?ref=profile_top_service
・創造と再現と共感のあいだ https://novelup.plus/story/323748347
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