MIGEKAのとびら

くるみあるく

文字の大きさ
上 下
7 / 13

小休止 鳥山明さんを通してMIGEKAパワーを考える

しおりを挟む
日本が誇る漫画家である鳥山明さんが急逝されました。ご冥福をお祈りいたします。

今回は小休止と題して鳥山明さんをちょっとだけ取り上げることにします。
これほどまで「未来創造型」という表現がピッタリな方もめずらしい。みげか=7:1:2と思われます。人前に出るのが苦手で好きなことをひたすらやる。漫画家かけだしの頃、編集者にネーム出しでさんざんダメ出しされてもめげずに描きつづけ「アラレちゃん」というメガヒット作を世に送り出した話はあまりにも有名です。
かといって再現性があるかといいますとそうでもないらしく、その後「作品はネームは描かずいきなり下描きをする」あたりは過去再現性2と思われます。
すなわち、このタイプはどんどん先へ先へと進んで行ってしまうのです。後ろからなぞる作業は再現性のある方々にお任せして、本人はただひたすら突っ走っています。それも「楽しい」+「使命感」で。あふれ出るアイデアをバンバン出し、どこかで辻褄を合わせてしまいます。鳥山さんから絶大な影響をうけた「ONE PIECE」の作者である尾田栄一郎さんは「大人も子供も漫画を読んで楽しむという時代を作った」と鳥山さんを評価しました。

ここから「みげか診断」パワーの話に移ります。
みげか診断は未来創造型、現在共感型、過去再現型の異なる3要素がうまく組み合わさることで物事が良い方向へ動き出すことを念頭に診断を行っています。誰かが良くて誰かが悪いわけではない。人間社会がバランスを取り合って成り立つことを前提になされる診断です。

鳥山明さんの場合、良い作品を読者へ提供できるチカラを信じた、再現型である『ジャンプ』編集者の鳥嶋和彦氏の影響が非常に大きいです。鳥嶋氏は厳しいプロの現実だけでなく、鳥山さんへ無限の可能性を幾度も伝え続けました。鳥嶋氏の情熱と再現性がメガヒット作を世に送り出す原動力となった点は大きく評価されてしかるべきでしょう。
鳥山さんはアニメの声優陣にも恵まれました。「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻アラレ役である小山茉美さんは、素っ頓狂なアラレの声で世界観を支配してしまった典型的な共感型です。その実質的父親・則巻千兵衛を演じた内海賢二さんも「ハートで演じる」ことに重点を置く共感性の強い再現型。このお二人が初期からアニメ作品を支えたことで、鳥山明さんの人気は決定的なものとなりました。
その後、鳥山さんは「ドラゴンボール」という世界的名作を生みだします。漫画原作の魅力もさることながら、アニメにおいて孫悟空ならびに孫悟飯の父子を巧みに演じ分けた鬼才の声優・野沢雅子さんの強烈な過去再現性が作品世界を終始支え続けました。そして、鳥山さんは実はラブストーリーが苦手だったのですが、制作者サイドは共感性の高いエンディングテーマ「ロマンティックあげるよ」でフォローする作戦に出たのです。作戦は図に当たり多くの視聴者から好評を博し、後にこれまた共感型のアイドル中川翔子さんがカバーして話題となりました。
また鳥山さんはテレビゲームのメガヒットシリーズ「ドラゴンクエスト」のデザインを担当されたことでも知られています。かわいい親しみの持てるキャラクターを前面に出した創造性は緻密かつ再現性あふれる日本の技術力に支えられ、現在もなお類型8800万本を誇る長寿コンテンツに成長しました。

鳥山明さんの創造性と他2タイプの組み合わせが、マンガ王国・日本という強烈なアピールを世界に打ち出したのでした。
しおりを挟む

処理中です...