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第二章

エピローグ

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私はノーザンコートの執務室にいた。

ケイ様のお書きになった日記を見せてもらう為だ。

「これがその写しだ。
そこに書かれている文字は [ひらがな] という文字だそうな
神の国で、よく使われている文字だとケイ様は仰っていた。」

( ひらがな?、ケイ様は日本人だったの?)

マリアベルはページを開いた。


………………………


第1章、第二章と読み進む。

選択でストーリーの展開と結末が変わるのね。
[ゲームブック]みたいなものなのね!

第3章、これがお母様の話しね。

これ、人が不幸になるのが楽しいのかしら???

なんで、死ぬ話しかないの?

ちょっと腹が立って来たわ。


そして第4章、マリアベル編

攻略対象が3人 
ジェイコブ、スティーブン、ラヴィ、
トラビスルートは潰したので無し

(攻略って••• 何?、制覇するって事?ルートを潰す???
山登りじゃあるまいし••• )

マリアベルは金と銀の輝きを持つ不思議な髪色で、母譲りの深い海の目をした少女だった。
ローガンは、その髪を隠すようにとマリアベルに、自分の髪色と同じ薄茶のカツラをかぶらせていた。

( 茶色のカツラはアイラ様から貰ったんだけど••••• )

六歳の時、マリアベルは王宮のお茶会で誘拐される。
心配したローガンは、それから一歩もクラレンスからマリアベルを出さなかった。

ローガンは、王家の血を引く侯爵家の跡取りのマリアベルを厳しく躾けた

コーネリアを深く愛していたローガンは、母親似のマリアベルを見るのが辛く、マリアベルに優しくする事が出来なかった。

マリアベルは愛情に飢えていた。

( ウソ、お父様 私に甘々よ!)

クラレンスでコッソリと侍女の格好をして町を散策したら、町の人々が優しく接してくれてとても心が暖かくなった。

学園に上がり侯爵令嬢として威厳を持って振舞っていたが、寂しさが募り学園で侍女の格好をしてみた。

そこで攻略対象と知り合う

( げっ!それ私じゃん )


[トルゥーエンド]  ジェイコブ


マリアは常に帽子をかぶって髪の色は分からないようにしてある。
攻略対象との好感度が8割位にいくと、アクシデントで帽子が取れ、攻略対象に髪色がバレるイベントが発生する。


ジェイコブと侍女の格好をしてマリアと名乗ったマリアベルは、お互い心を通わせてゆく。

しかし、マリアベルの侍女の振りがローガンにバレてしまい、侍女になる事を禁止された。

ジェイコブは愛しいマリアを探す。

マリアベルは自分がマリアだと言い出せなかった。

ジェイコブはマリアベルに詰め寄る。
しかしマリアベルは、マリアは侍女を辞めたと、言うしかなかった。

ジェイコブは、マリアベルの威厳を保った頑なな態度に、ワザとマリアを遠ざけたと勘違いし、マリアベルに憎しみを覚えた。

そして断罪の時を向かえた。

ジェイコブはマリアベルを、怒りに任せて討ち果たした。

マリアベルは今際の際に言った「ジェイコブ様、貴方だけを愛しておりました。」

長い薄茶のカツラが外れ、そこに現れたのは、金と銀の美しい髪をした、最愛のマリアだった。

ジェイコブは絶望して、マリアベルを抱きしめ、短剣で喉を突き自殺した。

( はぁ??なに、この陳腐な内容は•••• 
アホくさ。昭和の初めのTVドラマみたい。
今時、こんなの考えた人、才能無いんじゃないの?)

[バッドエンド]課金

① スティーブン 学術書を課金
   殿下の忠誠とマリアへの恋で心が壊れ、マリアを道連れに無理心中しようとするが失敗。
心の壊れたスティーブンは療養所に入る
マリア(マリアベル)は修道院送りになる。

② ラヴィ  恋愛本を課金
   自習室でマリアを襲う。
マリア=マリアベルと気付き、マリアベルを脅迫して、無理矢理関係を持ち凌辱する。
マリアベルと結婚するが、マリアベルは監禁され、ラヴィの責めに耐えきれず、快楽堕ち。

[トラビス無課金ルート]
   コーネリアの章で関係を持っておくと断罪時に発生。
瀕死のマリアベルは王宮に運ばれ、息を吹き返す。
トラビスはその事を誰にも知らせず、マリアベルは死んで王家の墓に入れたと発表した。
マリアベルは西の塔に監禁され、トラビスに愛され、そこで生を終える。


( 何だぁ••• この内容???エロ本?みたい、あーヤダヤダ!)


[ハッピーエンド]    ????

フレディ•ハワードとの好感度を上げる。


( 好感度って何んの事? 確かにフレディ兄様とは仲良しだけど••• )


コーネリアが死ぬ間際に「砂漠の••」と言ったが•••

隠しキャラか?だったら[ウーラノス•ドゥラーク]の事かも?

夜の帷とは紺色の髪を持ち [夜の王] と異名を持つドゥラークのことかも?

( 確かにウーラノス様は私の夫になったけど•••
これが ”幸せな結末” なら、ちょっと話しがお粗末すぎるんじゃないの??? )


………………………….




「マリアベル」

祖父に声をかけられハッとした

「 読めたのか?お前にこの言葉が分かるのか?」



「いーえ、ちっとも!
面白い文字ですわね。色々な形があります。
こちらが丸っこくて、こちらがカクカクしていて••••
神の国の文字は摩訶不思議でございますわね!」

「そうか、お前も読めなかった•••」

「仕方ありませんわ。だって私、神の国に行った事などありませんもの。」

「そうだな、お前はオルファイド王国から出た事がなかったな!」

「ええ、」私はそう頷いた。




*********

もう、終わった事、
未来に向かってみんな歩き始めている。

「 眠れる殺人は眠ったままに・・・。」
私の尊敬する “ミスマープル “ も、そう言っていたじゃない。
訳の分からない物は放っておくに限る!



私もウーラノス様と上手くいっているし•••

ウーラノス様は下から見上げるとユル•ブリンナーに似ている、と言う事を最近知った
大発見だ!

アビゲール様はフレディ兄様の騎士科の卒業を待って結婚すると言っていた。

そして、驚くべき事に、ガブリエルとディックが結婚するらしいのだ!びっくり仰天!

私は、マリアベル•クラレンス

オルファイド王国の国民だから、、、

日本語なんて知らないわ!

お祖父様、ごめんね  ^_-☆



*****************   おわり ***************


作者よりのお礼

皆様、読んでくださりありがとうございました。

皆様に支えられてやっと終了まで漕ぎつけました。

本当にありがとうございました
    m(_ _)m


作中の『マリアベルの災難』とは、ズバリ!ゲームのイベントだったんです。
若い女性にはご褒美ですが、おばあちゃんにとっては、あんな事、災難でしかありませんよね(笑


サーガに続きがありますので、そのうちまた書きたいと思います。

そして、他の登場人物の恋の行方なども書いていけたらなぁ、と思っております。
( 特にソファ!お相手はモチロンあの人。そしてラヴィの今後も、)

では、またお会いしましょう。

さよなら、さよなら、サヨナラ


















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みんなの感想(6件)

hiro
2022.05.20 hiro

文章力が秀逸。シリアス展開のなかでも時折クスリとさせてしまうのは作者様の腕なのでしょうね。

ピエール
2022.05.20 ピエール

お褒めのお言葉をいただき、作者感無量でございます(嬉し涙ドバーッです)
初めて書いた作品なので、誤字、人称の切り替えが上手く出来ておりません。
拙著ではございますが、楽しくお読みいたたければ幸いです。
感想をいただけると次作の励みになります。
本当にありがとうございました。

解除
ちゃんこ
2022.03.27 ちゃんこ

ユル・ブリンナーーーーーーー!!!wwwww
ここでヤツの名が出てくると誰が予想できたであろうか!
おばあちゃん最高!😂😂😂😂😂

ピエール
2022.03.28 ピエール

嬉しいぃぃいー(((o(*゚▽゚*)o)))
ユル•ブリンナーに反応してくれる方がいた!
書いた甲斐があった、報われた感じがします(笑
感想ありがとうございます(^O^☆♪

解除
あいママ
2022.01.22 あいママ

私は戦前生まれではないですよ〜〜
両親が13年生まれです笑笑

おばあちゃんになってても、おかしくない年ではありますが、まだ孫はいませーん。

ピエール
2022.01.22 ピエール

ごめんなさい (゚o゚;;
言葉数が足りなくて、勘違いささてしまいましたぁーー(焦っ

昭和13年は、あいママさんのご両親様とウチの祖母と山田光子です!

ウチの祖母の口癖は「学校から帰ると防空壕掘りに行ってた!」ですが、実際は ”掘る手伝い” に行ってたんだと思いますよ!



解除

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