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第二章
ジェイコブの一人暮らし.4
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ジェイコブが土を耕している••••
そう報告を聞いたマリアベルは、見に行きたくて仕方がなかった。
家庭菜園マスターのおばあちゃん心が疼き出してしまった。
私が行くとまた、「悪魔め!」と言われそうだから、変装して見に行こう
ハロルドに農作業用の服を調達させ、現代のUVカット帽子を真似て帽子に布をグルリと縫い付け顔を隠した。
これなら私だと分からないであろう。
三月も末、これからだと苺と葉物かなぁ、ジャガイモもギリギリ大丈夫かも•••
ハロルドと一緒に苗を選んでいそいそと出かけた。
****************
「ジェイコブさん、今日はお手伝いを連れて来ましたよ!」
「 ハロルド、また、金を取るのか? 」
「嫌だなぁ、僕の親切心にケチを付けるなんて••••
今日は無料の苗を持って来たんですよ。
さあ、みんなで植え付けましょう」
帽子で顔を隠したマリアベルは、黙々と土を耕す。
最近考え付いた魔法で、風魔法を土に差し込み、風を返してひっくり返す。
名付けて農耕魔法である。
「上手いもんだなぁー、それはどの様にしているのか?」
マリアベルは声でバレるのを恐れ身振り手振りで説明した。
ジェイコブは魔術のセンスだけはピカイチだったのですぐ取得する事が出来た。
「お前、話せないのか?可哀想だな」
私はクビをコクコク縦に振る。
葉物、苺の植え付けが済んだ。さあ、つぎはジャガイモね!
と、思ったが、無い。あれれ?買ったはずよね?
脇に目をやると、、、、
ジェイコブが皮を剥いていた。
「殿下————!
それ、ダメです————-!!!」
勢いよく走って行ったら帽子が脱げた。
「お前わーーーー!マリアベルかぁーーー」
バレちゃった
****************
半月ぶりに会った殿下はとても丸くなっていた。
私に久々に会った殿下は、
「何故、あそこまでお前を憎んだのだろう?
何故、お前が悪魔の手先だと思ったんだろう?」
まるで付き物が落ちた様に温和になっていた。
おお、見てくれ!お茶を淹れれるようになったのだ。
殿下はお茶をご馳走してくれた。
私は持って来たパンの耳ラスクをテーブルに広げた。
懐かしいなぁ、、、お菓子の袋、フレディからラヴィが奪って•••
マリアが作ったって••••
ジェイコブはマリアベルの目を見た
マリアと同じ眼差し、銀に煌めく深い海の色、、、
「 やはり、お前がマリアなのか?」
「そうです。騙してごめんなさい。」
マリアベルはクラレンスでの生い立ちを話し、マリアが何故誕生したのか、説明した。
「 そうか、そんなに苦労したのか•••• 」
「 でもね、殿下、、、
苦労は、苦労と思うから 苦労なのですよ。
私はクラレンスでは結構楽しいと思って生活しておりましたよ。
床磨きだって、窓拭きだって、ピカピカになるのは快感ですし!」
屈託のない笑顔で彼女は答えた
「 そうだな、、、私も 朝起きて、小さな芽が出ているのを見た時は感動した。
水遣り魔法も覚えたし、ウォームで温めるのも覚えた。
今日も、植え付け作業楽しかったぞ! 」
「まあ、それは何よりですこと!」
アハハハ、ウフフ、2人で笑った。
また よかったら、手伝いに来てくれ!
「ええ、是非に伺いますわ。」
「あっ、そうそう、殿下、、、、
大変言い難いのですが••••••••
殿下の壊した学園の大ホールの修繕費の請求が届いております。ご確認下さい。」
ジェイコブは金額を見て卒倒した。
「殿下、お支払いはローンをご利用なさいますか?
金利がかかりますが よろしいでしょうか?」
世の中はやはり金なのだ•••••
ジェイコブは、世知辛い世の中だと思った。
*****************
帰りの馬車までジェイコブは送ってくれた。
馬車を見てジェイコブは言葉を発した。
「あれは、、、ドゥラークの紋章
私の所為か?私が王命を下したばかりに•••
済まなかった。あんな年上の男に嫁ぐことになってしまって••••」
「殿下、”あんな男” と決め付けるのは殿下の悪い癖ですわ!!!
ウーラノス様は、凄っく モテるんですのよ。
[終わりよければすべてよし]と言う諺があるのです。
選択はどれが正しいのか、私には分かりません。
でもね、結末が良ければそれでいいと思うのですよ。
今じゃなくて未来を見つめて歩きましょう。
では、殿下、また来ますね!」
そう言うとマリアベルはドゥラーク家の馬車で帰って行った。
****************
マリアベルの馬車を見送ったジェイコブは、今日の出来事を考えていた。
「終わり良ければ全て良し」
そうか、私には まだまだ終わりが来そうに無いな。
まず、今の目標は植えた苗を育て、麦を大きくする。
そこから始めよう。
あぁぁあ—————!!!
マリアベルからパンの耳ラスクの作り方聞けばよかったぁー
******************
そう報告を聞いたマリアベルは、見に行きたくて仕方がなかった。
家庭菜園マスターのおばあちゃん心が疼き出してしまった。
私が行くとまた、「悪魔め!」と言われそうだから、変装して見に行こう
ハロルドに農作業用の服を調達させ、現代のUVカット帽子を真似て帽子に布をグルリと縫い付け顔を隠した。
これなら私だと分からないであろう。
三月も末、これからだと苺と葉物かなぁ、ジャガイモもギリギリ大丈夫かも•••
ハロルドと一緒に苗を選んでいそいそと出かけた。
****************
「ジェイコブさん、今日はお手伝いを連れて来ましたよ!」
「 ハロルド、また、金を取るのか? 」
「嫌だなぁ、僕の親切心にケチを付けるなんて••••
今日は無料の苗を持って来たんですよ。
さあ、みんなで植え付けましょう」
帽子で顔を隠したマリアベルは、黙々と土を耕す。
最近考え付いた魔法で、風魔法を土に差し込み、風を返してひっくり返す。
名付けて農耕魔法である。
「上手いもんだなぁー、それはどの様にしているのか?」
マリアベルは声でバレるのを恐れ身振り手振りで説明した。
ジェイコブは魔術のセンスだけはピカイチだったのですぐ取得する事が出来た。
「お前、話せないのか?可哀想だな」
私はクビをコクコク縦に振る。
葉物、苺の植え付けが済んだ。さあ、つぎはジャガイモね!
と、思ったが、無い。あれれ?買ったはずよね?
脇に目をやると、、、、
ジェイコブが皮を剥いていた。
「殿下————!
それ、ダメです————-!!!」
勢いよく走って行ったら帽子が脱げた。
「お前わーーーー!マリアベルかぁーーー」
バレちゃった
****************
半月ぶりに会った殿下はとても丸くなっていた。
私に久々に会った殿下は、
「何故、あそこまでお前を憎んだのだろう?
何故、お前が悪魔の手先だと思ったんだろう?」
まるで付き物が落ちた様に温和になっていた。
おお、見てくれ!お茶を淹れれるようになったのだ。
殿下はお茶をご馳走してくれた。
私は持って来たパンの耳ラスクをテーブルに広げた。
懐かしいなぁ、、、お菓子の袋、フレディからラヴィが奪って•••
マリアが作ったって••••
ジェイコブはマリアベルの目を見た
マリアと同じ眼差し、銀に煌めく深い海の色、、、
「 やはり、お前がマリアなのか?」
「そうです。騙してごめんなさい。」
マリアベルはクラレンスでの生い立ちを話し、マリアが何故誕生したのか、説明した。
「 そうか、そんなに苦労したのか•••• 」
「 でもね、殿下、、、
苦労は、苦労と思うから 苦労なのですよ。
私はクラレンスでは結構楽しいと思って生活しておりましたよ。
床磨きだって、窓拭きだって、ピカピカになるのは快感ですし!」
屈託のない笑顔で彼女は答えた
「 そうだな、、、私も 朝起きて、小さな芽が出ているのを見た時は感動した。
水遣り魔法も覚えたし、ウォームで温めるのも覚えた。
今日も、植え付け作業楽しかったぞ! 」
「まあ、それは何よりですこと!」
アハハハ、ウフフ、2人で笑った。
また よかったら、手伝いに来てくれ!
「ええ、是非に伺いますわ。」
「あっ、そうそう、殿下、、、、
大変言い難いのですが••••••••
殿下の壊した学園の大ホールの修繕費の請求が届いております。ご確認下さい。」
ジェイコブは金額を見て卒倒した。
「殿下、お支払いはローンをご利用なさいますか?
金利がかかりますが よろしいでしょうか?」
世の中はやはり金なのだ•••••
ジェイコブは、世知辛い世の中だと思った。
*****************
帰りの馬車までジェイコブは送ってくれた。
馬車を見てジェイコブは言葉を発した。
「あれは、、、ドゥラークの紋章
私の所為か?私が王命を下したばかりに•••
済まなかった。あんな年上の男に嫁ぐことになってしまって••••」
「殿下、”あんな男” と決め付けるのは殿下の悪い癖ですわ!!!
ウーラノス様は、凄っく モテるんですのよ。
[終わりよければすべてよし]と言う諺があるのです。
選択はどれが正しいのか、私には分かりません。
でもね、結末が良ければそれでいいと思うのですよ。
今じゃなくて未来を見つめて歩きましょう。
では、殿下、また来ますね!」
そう言うとマリアベルはドゥラーク家の馬車で帰って行った。
****************
マリアベルの馬車を見送ったジェイコブは、今日の出来事を考えていた。
「終わり良ければ全て良し」
そうか、私には まだまだ終わりが来そうに無いな。
まず、今の目標は植えた苗を育て、麦を大きくする。
そこから始めよう。
あぁぁあ—————!!!
マリアベルからパンの耳ラスクの作り方聞けばよかったぁー
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