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第二章
マリアベル弁護士になる
しおりを挟む夜がふけて来た頃、王の自室に併設された小さな会議室に八人の男が集まっていた。
トラビス王
キングスバリー公爵
アルビス公爵
ハワード侯爵
ランディエール侯爵
ノーザンコート伯爵
法務大臣 クレイ卿
エクルス神殿長
「殿下は毒杯を拒否しておられます。」
「もし、ご自身で服毒する事ができぬのなら、無理矢理飲ませるか、処刑の形式をとるか•••」
「処刑となると理由が要ります。[やはり名誉ある死]の形をとった方がよいのでは?」
「では、明日をもって執行致しますか?」
「執行の手続きは明日の早朝と言う事で宜しいですな!」
「ちょっと待ってくれないだろうか?」
トラビス王は話の腰を折った
「陛下、この後に及んで命乞いですか?」
「私ではない、入って来なさい。」
王は自室につながるドアを開けた
ドアから1人の少女が現れた
「マリアベル様」
「マリアベル様、どうして?」
「トラビス王、何故マリアベル様が•••」
「マリアベルに発言の許可を願う。」
王は頭を下げた。
「只今、ご紹介に預かりました、マリアベル•クラレンスと申します。」
マリアベルは礼をとりしっかりと立ち上がった。
「私は、今回の処分について異議をを申し立てます。
まず、何をもって死罪を求刑したのか?その求刑理由を知りたいのです。」
「今回の神託は私の運命を書いた物であると言われています。
ですので、今回の殿下の行いは私の神託に巻き込まれた為でないかと考察いたしました。
つまり、呪いの凶元は私だと推測されます。
殿下を死罪にするのは筋違いだと思うのです。
殿下が死罪でしたら私も死罪という事になります。」
私の考えを集まっている方々に話して聞かせた。
神託においての私の立ち位置と神託の意味
ケイ様の王室視点と私視点との相違点
不幸な結末と幸せな結末、この結末は誰のために用意されたものであるのか?
「しかし、もし、殿下を死罪にしなかったら天のお怒りを買ってしまうやもしれません」
神殿長は力説する。
私は伝家の宝刀を抜いた
「女神様が私の好きに生きて良い、とおっしゃいました。」
「おおぉぉ、女神様が、そのような、、」
(ウフフ、神殿長様、落ちたな!)
「マリアベル様、では何かあった時責任はどなたがお取りになるのですか?
貴方に責任が取れますか?」
法務大臣は小馬鹿にしたように鼻で笑った。
「責任ですか、私が?それは無理に決まっているでしょぅ。だって、私、殿下の弁護をしているのですよ!」
私はコロコロと笑った
「クレイ卿、弁護士に責任を負わせたら世の中に弁護をする人がいなくなってしまうわ!
弁護士を付けずに裁判なんて冤罪が蔓延ってしまうじゃないですか。」
そう言うと溜息を付き、一呼吸おいた。
「今は、責任を取る取らないの問題定義をしているのではありません。
私の考えで殿下の死罪を覆せるのかを議論しているのです。それが法というものでしょう。
審議なき求刑はリンチと同じです。
成熟した国家に、そのような暴力的な司法制度があってはなりません。
そう思いませんか?クレイ卿。」
クレイ卿は突然大声を出して笑った。
「これは愉快、最高の弁護だ 素晴らしい!
成熟した国家ね、、、我が国はまだ司法制度の確立が不十分だと 私的には考えておりますよ!
確かに刑は重すぎると私も思いますね。
私は実際[呪い]というものに懐疑邸でね!
マリアベル様、どうです、ジェイコブ殿下を死刑にして王命を無効にしますので 是非ウチの息子と結婚しませんか?」
「私を買ってくれるのはとても嬉しいのです。
でもジェイコブ殿下を死刑にしたら、私 幸せになれませんもの。
今回の神託のポイントはそこだと思うのです。
[私が幸せになる結末]そこに向かって進んでいくためにどうしたらよいか、そこには殿下の死と言う選択はないのです」
「でも、殿下をこのままにしておく事は出来ません、やはり罪を償わせないと••••」
皆々が口にする。
「ええ、殿下には、死よりもっと辛い刑を下しましょう。
もし、天の荒れ出したら 即刻首を刎ねればよろしいのです。」
私はそう言い切った。
「マリアベル様は意外と辛辣ですな!」
「ええ、そうよ 私はとても現実的なのですよ。」
私は「オーホホホ!!!」と悪役令嬢の様な高笑いをした。
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