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第二章
卒業パーティー .4
しおりを挟むフランシスは友人達とおしゃべりをしていた。
<ドカン> キャーッ!突然、雷が落ちた
殿下が?殿下が雷魔法を放ったのだ。
これは不味い。
殿下ご乱心だ!
丁度この前、モーリス様に習って魔封じの腕輪を作ったばかりだった。
まだ試作の段階だが、果たして殿下の膨大な魔力を抑える事が出来るか?
でも時間稼ぎにはなるだろう。
私は部室に取りに行った。
途中でサリバン先生に会った。
サリバン先生は宮廷に向かい応援を呼びに行く途中だった。
「殿下に魔封じの腕輪をつけようと思います。」
「そんな、危ない事はよしてちょうだい。
貴方まで危険にさらされるわ!」
「でも、応援がくるまでの時間稼ぎにはなるでしょう、
私もマリアベル様を守りたいのです!」
サリバン先生は私に鍵を渡して言った。
「魔法実習室に行って雷ガードを装備しなさい。あるだけ全部付けなさい!
直ぐに応援を呼んできます。
危険だったら直ぐに逃げる事。よいわね!」
はい!!!
私は急いで腕輪と雷ガードを取りに行った。
戻ってみると、ホールに土塀があちらこちらと散乱してあり、真ん中に林が建っていた。
室内に、林???
ウッドフィールドの結界だ!
初めて見た、凄いものだぁ、
林は燃えて所々穴が空いている。
林の中にマリアベル様達がいる。
殿下の後ろからコッソリと手を振る。誰が気が付いて!
フレディ様とガブリエル様が応援に来てくれた。
私達は雷ガードをあるだけ付けた。
「では俺たちで殿下を押さえるから、フランシス嬢は腕輪を付けてくれ」
私は腕力が無いので腕輪を付ける役割。
殿下は林に向かって今度はウインドカッターを放った。
木を切る作戦だ。
殿下は木を切る事に気を取られたている
私達は殿下の後ろに回り背中から押し倒して
殿下をうつ伏せにした。
「今よ、早く!!!」
殿下は抵抗して手を動かしなかなか着用出来ない。
私は、思い切って腕を踏ん付けた。
「痛てぇー」
殿下の腕の動きが止まった瞬間、カチリと腕輪ははまった。
「この女ーーー、殺してやる」
殿下は私に殴り掛かって来たがガブリエルとフレディに取り押さえられ。
作戦は成功したかに見えたが、、、
殿下から<<ピキ ピキ>>と音がする。
いや、殿下ではない。腕輪からだ!
ピキ、ピキ、ピキ、ピキ
ダメだ、壊れる、
殿下から離れてぇーーー
私達は一目散に逃げ出した。
パキンと腕輪は割れ、下に落ちた。
計画は失敗に終わった。
**********
チクショウ、チクショウ、チクショウ
マリアベル、皆 あの女に操られている。
学園もあの女の手に落ちた。
父も五家のあの女に誑かされている。
私がこの国を救うのだ!
英雄になるのだ。そしてマリアを妻に迎え2人でこの国を導いていくのだ。
決着を着けねば
私の聖なる力を見せつけてやる
あの女を滅ぼしてやる。
*************
マリアベルは愕然とその光景を見ていた。
腕輪が、割れた、、、
成功したと思ったのに、、、
これは私と殿下の戦い。
皆を巻き込んでしまった。心優しい私の友達。
このままでは、会場の方々にも被害が及ぶ
「ジェイコブ殿下、何がお望みですか?
私の命ですか?
何の為に、こんな破壊活動を起こしたのですか?」
私は一歩進み出て言った。
「マリアベル様、煽ってはいけない、」
「お下がり下さい」
皆、私を守ってくれる。
一度死んで、またもらった命。
子供に戻って、友達が出来て、家族が出来て、楽しかった、、、
もう、死んでも悔いはない。
「お前がマリアを隠したからだ!
マリアを返せ。彼女は私の物だ。」
「いいえ、それは間違えです。マリアは誰の物でもありません。
マリアは私の物です。
私が、、、私がマリアなのです。」
「嘘だ、騙された無いぞ、悪魔め!」
「嘘だと思うなら、私を殺しなさい。
さあ、殺してみなさい。
そんな度胸も無い子供が、粋がるんじゃない!」
クソー、子供じゃない、俺は子供じゃない、
クソ、クソ、クソーーー
ジェイコブに光が集まって行く。
ミシッ、ミシッ、とヒビが入る音がする。
パリン、パリン、と欠ける音がする。
結界が割れた?
ううん、直ぐ近くから、私の中から音がする。
何が割れてるの?
<<ドン、ドン、ドン、>>
どこからか 屋根まで届く程の巨大な土の壁が降って来て私達を囲んだ
「マリアベル様!ご無事かー!!」男の声が叫んでいる。
あぁ、やっと助けが来た。
『 クソーーー、そうはさせん
あれをを殺すのは私だぁぁーーーー 』
ジェイコブは集まった光を身体に纏い、空に向かって腕を上げた。
真上から最大級の雷がマリアベル目掛けて落とされた。
<<<パキーン>>> 何かが、私の中の何が割れた
{{{{{{ドッカーン}}}}}} 落ちた!
目の前が金色に染まる
あっ、死んだ。
私は静かに目を閉じた。
愛し子よ、愛し子よ、
私達の可愛い娘•••••
目を開けると、、、
ホールは金と銀の輝きに包まれていた。
屋根が吹っ飛び、そこからも無数の煌めきか飛び出していった。
皆立ち尽くしている。
あぁ、生きてた。
生きているんだ。
皆は、、無事だ。よかったぁ~
あの、あの馬鹿王子!!!
回りの惨状を垣間見て、ふつふつと怒りが沸いてきた。
あのクソガキ。悪ガキ。
言って分からない子には体で覚えさせないと、、、、
ジェイコブ殿下は、魔力切れを起こし尻餅を付いているところをハワード侯爵に取り押さえられている。
「この、馬鹿者めがーー」
私は殿下に向かって拳を落とした。
パキリ、[眉間]に見事ヒットした。
<<<ギャーーーー>>>
ジェイコブは大袈裟なくらいの大声を上げた
「お前って子は、なんて悪い子なの、回りを、見なさい、皆んなにこんなに迷惑を掛けて!」
マリアベルはボコボコ殴った。
ジェイコブ殿下は、癇癪を起こした子供のように泣き喚きながら言った
「うわぁー、お前が悪いんだぁーお前がぁーー!
お前の顔なんか見たく無い、お前なんて砂漠に嫁に行け、あそこのジジイと結婚しろ。
二度と帰ってくるなぁーー、
王命だぁーーー!」
ジェイコブは手足をバタつかせ、マリアベルの髪を引っ張った。
[ズルっ] カツラか外れた。
そこに現れたのは、女神と見紛うような、銀の輝きを持った金の少女であった。
<<パン、パン、パン、パン、パン>>
突然、大きな手拍子がホール一杯に響き渡った。
人々は反射的に、音の方に目をやる
「この度は、王命により、私めに妻をいただきありがとう存じます、殿下。」
そこには、紺色の髪をした大柄の美丈夫が立っていた。
男はマリアベルを漆黒のマントで隠すように サッと包んだ。
「お前、何者だ?」
「先ほど殿下に言われた砂漠のジジイです。
ウーラノス•ドゥラークと申します。
いや、先程爵位を賜りましたのて、ドゥラーク辺境伯ですかな。」
殿下は呆気に取られた。
「お前が、砂漠のジジイ??」
マントに包まれたマリアベルは、そっと男の顔を見上げた。
マリアベルの目はハートになった。
「まぁー♡♡♡ユル•ブリンナーにソックリ♡♡♡」
キャー!!!私と結婚してくださいませーー♡♡♡
マリアベルは生前、ユル•ブリンナーの大大大ファンであった。
そんな彼のソックリさんが目の前にいる。
一目惚れであった。
もうこれは結婚するしかない!
マリアベルは舞い上がっていた。
ミーハー根性丸出しで、逆プロポーズしてしまったのだ。
「そうだな、王命だし、」
「そうよ!王命ですもの!」
「マリアベル様、私と結婚してくださいますか?」
ソックリさんは、片膝をつき胸に手を当てて私に求婚した。
「ええ、喜んで♡」
王命だしなぁ、、 王命ですものねぇ、、
ウーラノスは、大事な宝物を抱えるようにマントに包まれたマリアベルを人々の目から隠し、しっかりと抱きしめ、玄関ドアに向かって歩いて行った。
「では、皆さん、ご機嫌よう」
舞台俳優のような大袈裟な礼をとり、そのまま会場を後にした。
「キャァー!!!」
ホールから、女性達の黄色い歓声が響きわたった。
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[ユル•ブリンナー]
ハリウッドの俳優さんです。
昔の人は皆知っている!
知らない人は検索Goー!
ハゲのイケオジです♡
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