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第二章
マリアベル年越しをする
しおりを挟む今日は、年越しの日
クラレンスでは200年振りの女神の窟での年越し祭りだ!
と言ってもただ、その時間を過ごすだけだそうな。
洞窟までの道や、お付きの人の待機所は村の人が総出で整備をしてくれた。
夜9時に窟に向けて出発。
道ばたに村の人が出ていて、手を振ってくれた。嬉しいなぁ!私も一生懸命振り返した。
邸から馬車で一時間、徒歩で一時間程掛かるらしい。
窟の近くまでは皆で行けるが、窟の周りは男子禁制、年越しの夜の窟は王家の血を引く女子のみが入れると言う。
馬車を降りて 少し歩く。
足が疲れ歩みが遅くなって来たので、お父様に[おんぶ]をしてもらった。
「お父様、私、ただ いればいいの?何かお祈りとかしなくてもいいの?」
「そーだなぁ、文献にはなにも書かれていなかったが、御先祖に当る女神様にご挨拶と今年の豊穣の御礼はしなくてはならないな。
そー言えば、お前、夢に女神様が出て来るって言ってなかったかい?」
「あっ、そうだった、また、会えるといいなぁ」
男子禁制区間に入ったので降ろしてもらいガブリエルとリリアンに付き添われ道なりに進む。
薮を抜けると突然 平地が広がっていた。冬なのに白い花が咲いている。
月の光が差し込んで、花弁がキラキラと煌めき、まるて舞台のよう。
「ほら、あそこの穴が女神の洞窟ですよ!」
ここからは、マリアベル様がお一人で向かわれないと」
えっ、洞窟っていうより 雨宿りの日差しがついた岩陰。
中 丸見えだ。なんだぁ、もっと深くて暗いのを想像しちゃった。
クッションとか用意してある。
皆んな優しいわぁ。
なんか、お供えとかもある。
「村の女性達が用意してくれたのですよ
マリアベル様は領民に歓迎されていますね!」
嬉しいわぁ~
女神様にいっぱいお祈りしてきますね!
では、行ってきます。
ガブリエルとリリアンに見守られながら私は洞窟内に座った。
さて、ロウソクを立てて、これお墓詣りなのね!
線香がないのは西洋風だからかしら?
キリスト教じゃないから十字は切らなくてよし!
ポチャン ポチャンと水の滴る音がする。
洗面器位の穴が岩に空いていて、そこに水滴が落ちていた。
水滴で自然と穴になったのかしら?面白いわね。
この水飲めるかしら?喉渇いたからちょっといただきましょう。手で すくって飲んだ。
うわぁ、美味しい!登山の時の湧き水みたい。
ガブリエルとリリアンに手を振ると振り返してくれた。
冬なのに、なんだか暖かく感じる。
花が咲くぐらいだからこの辺は暖かい空気が溜まるのかしらね?
御先祖様に沢山お祈りをする。
色々とありましたが楽しく過ごさせてもらっています。
本物のマリアベルさん身体をもらってありがとうございます。
来年も豊作で領地の人が過ごしやすい年になります様に。
なかなか年が開けない。
なんだか眠くなって来た。ちょっと寝ちゃおうかしら、、、、
~~~~~~~~~~
おや、まあ、久々の人の眷属だのぅ
懐かしい。
愛し子よ、よく訪ねてくれましたね。
おかげて、子の魂が上がって来れました。
礼をいいます。
おお、そなたは、取り替えっ子ではないか。
では、妾の意図が分かったようだの!
其方をこの地に呼んで正解だったようだな。
あら、私は結構 楽しめましたわ。
人の心とは、まこと 不思議なものですこと
其方の伴侶は二心とも其方だけを想っておるぞ!
そんな事を申しておると、[麗しの太陽の君]に告げ口をするぞぇ、
まあ、怖い
私の心は、かの方のみに捧げておりますゆえ。
そうよのぉ、下界まで追いかけて行くぐらいだからの(クスクス)
しかし、二心といえど、片側はあの娘の物。
まさか あそこで覚醒するとは、、、人の想いとはとても興味深いものです。
妾のは外れじゃ、傲慢な生き物であった。
人の男は、外見だけで判断するからのぉ•••
あれだけ尽くしてやったのに 全くだ!
あれから300年、妾の国は、なんの進歩もせなんだ。
そうであろう 人の子よ、
おや、まだそれを纏っていたのか。
ほれ、はすしておいたぞ。
ついでに祝福もしておこうぞ。
其方の思う様に自由に生きよ!
さすれば道は開けようぞ。
其方の為に最高の[番犬]を用意しておいた。
楽しく人生を過ごせ!
愛し子よ、また会える人を楽しみにしていますわ、、、、、
~~~~~~~~~~~~~
不思議な夢を見た。
銀の髪の女神様が2人、同じ顔の女神様。
夢に見る方と同じだわ!
何か言っていたけど 「自由に生きて良い!」だったかしら?
残念、忘れちゃったわ。
面白かったわ、来年も来たいわぁ。
ふと、見ると、リリアンがブンブンと手を振るっている。
「お嬢様ぁ~、起きてますかぁ~?
年越しましたよぉ~、もういいですヨォ~」
あら、だいぶ寝てたのね、
よっこらしょ、足痺れたわ、ヒョコヒョコと歩いて皆の元に向かった。
「お嬢様、女神様に会えましたか?」
リリアンに聞かれが
「お姿は見えたけれど、お声が聞けなかったわ!
と答えた。
「お嬢様、また、寝ぼけてたのでしょう!」
と、ガブリエルに言われてしまった。
こうして無事何事も無く年越しの儀式は終わった
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