85 / 163
第二章
マリーちゃんクラブ
しおりを挟むマリアベルの考案した品物はベル印を付けて販売されている。
今回の[ナンキー編みすだれ]も、そうだ。
これは、あのステージを見ていた壮年の貴族達から火がついた。
ノーザンコート伯爵に、マリアベル嬢の持っていた不思議な伸びる物 を教えて欲しいと言う要望が舞い込んで来た。
すぐさま作ってマリアベルの肖像画がついた箱に入れ販売してみた。
これが、売れた!大変売れた!
そして、あの不思議な音楽と 奇妙だが乗りの良い口上も教えて欲しいとの依頼が沢山来た。
それもマリアベル直々にと••••
(マリアベルはオジサンのアイドルと化していたのだ!
あの、舞台を見ていたオジサン達はマリアベルに魅了された、つまりファンになったのであった。)
これは冬休みにでも[編みすだれ講座]を開いた方がよいなぁ~
ノーザンコート伯爵はそう考えていた。
「父上、すだれの試作品ができて来ました」
「おお、そうか
これは、夏販売だからそう急がなくてもよいな。
いや、色を付けて絵でもかいて、結ぶ紐を華美にして、房飾りを付けたら 貴族にもいけるかも?
それも試作もしてみるか、」
「マリーは本当に素晴らしい娘ですね。
ローガンが粗末にするなら、うちの子にするつもりでしたよ!」
「なぁ、お前もそろそろ直接会ったらどうだ?」
伯爵はシガーの口を綺麗に整えながら言った
「ククク、いつになったら気がつくかなぁ?と思って、、、」
「でも、お前の視覚誤認は大したものだよ。」
「まあ、私は自分で意識して誤認を狙っていますからね、マリアベルのカツラとはちょっと違うかな?
最近、マリアベルの 『人を引きつける魅力』はカツラでは隠し切れなくなっていますよ。
王に進言しておかなければ!」
「まあ、今の処は年寄りばかりが夢中になっているがなぁ。」
「ああ、それはそうと•••
デュカスの娘の仕返しは私がしてもよいですか?」
「好きにしてよいぞ!」
ノーザンコート伯爵は、ニヤッと笑って男を見た
「やったー、久しぶりの悪戯だ」
そう言って男は、子供のように小躍りしながら去っていった。
その男は、モーリス
ノーザンコートの後継 モーリス•ノーザンコートである。
人は変わり者のモーリスと言う
トラビス王の魔道具友達であり、気配を消すのが得意な男である。
影が薄いと言われるが意識して薄くしているのだった。
そして稀代の悪戯好き
パーティでは女性の髪飾りを左右刺し替えたり、男性のチーフを抜き落としたり、
コッソリとコーヒーに塩を入れたり、
そんな彼が仕返しという悪戯の許可を得た。
久しぶりに大掛かりなイタズラが出来るとワクワクしていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[Mの悪戯]
「シー•キュー シー•キュー. こちらM、どうぞ」
「こちら、B. ターゲット外出します。
行先 ブディック•カノン、どうぞ」
「 カノン裏待機、どうぞ」
「こちらK <鷹> 到着どうぞ」
「こちらM、ただちにカノンに向かう」
これは私が開発した魔導無線だ、使用者全員で1つの魔石に風魔法を注入して。声を風に乗せて運ぶ。
これを人数分用意する。
なかなか 大人数での魔石の魔力共有が難しく、かなりの数の魔石を無駄にしてしまったが••••
まあ、ご愛嬌ということで、、、
モーリスことMは カノン洋裁店へ向かった。
「シキュー.シキュー マルタイINどうぞ」
待つ事1時間
「マルタイ出ます スタート」よし、始まりだ
<鷹 >、向かえーー
<鷹>がカミュの純金の髪留めを取って飛ぶ
「待って、わたくしのよーー」
<鷹>、待機している作業員に化けた手の者の側に 髪留めをポトンと落とす。
「穴掘るっペー」
ガンガン、ガンガン、ツルハシで叩く
あれ?これ?金じゃないぞ?模造品?
デュカス親子追いついて髪留めを探す
「探し物は、オモチャですかい? 」
作業員に扮した手の者が声を掛けた
「オモチャじゃないわよ、純金とルビーよ、早く探しなさいよ!」
「イャぁ、確かにこれですよ!髪留めを渡す」
カミーユ、唖然
「お父様、わたくしを騙したのですか?これ偽物じゃないのー」
「いや、出来上がりが間に合わなくて•••その、支払いの関係で、その、、」
デュカス侯爵、しどろもどろになる。
親子喧嘩をしている最中に、
(こちらの手の者の)馬車が通り泥水がバシャとはねる
「きゃー、イャァー」
デュカス親子泥まみれ。
回りにいた人々に囲まれて ゲラゲラ笑われている。
「きゃー、どうにかしなさいよ!
庶民のくせに、わたくしを笑い物にするなんて、ムチで叩いておしまい!」
カミーユ、ヒステリックに叫びまくる。
デュカス侯爵「早く馬車を呼べ!!!」怒鳴りまくる。
騒ぎを聞いて警ら隊駆けつける。
「なんの、騒ぎですか?」
「侯爵たる私に泥水をかけたヤツがいるのだ、早く捕まえて処刑しろ。」
「わたくしの 髪留めを壊した庶民がいるの、早く捕まえて。」
「泥水がはねたぐらいで 処刑とは、、
髪留めを壊したって、オモチャのですか?
どこに、そんな人が•••
取り敢えず事情をお聞きします。」
泥まみれになったデュカス親子は、警ら隊詰所に徒歩で連行されて行った。
回りから笑い声がこだました。
「馬鹿野郎、ザマーみろ、ザマーみろ、」
モーリス隊長、上手く行きましたね!
いゃぁー、<鷹 >1回使ってみたかったんだよなぁ。
髪飾り 純金だなんて 娘に嘘ついて、貧乏なんっスかねぇ?
面白かったですね。また、やりましょうね!
「全く、うちの マリーちゃんをイジメるなんて、ふてぇー野郎だ!」
参加者全員、ノーザンコートの「マリーちゃんクラブ」所属メンバーであった。
**************
今まで話の中で
訳も無く、ドアが開いたり、、、
吹き出したり、、、
人の気配がしたり、、、
それは、モーリスでした!!!
***************
0
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜
ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。
年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。
そんな彼女の癒しは3匹のペット達。
シベリアンハスキーのコロ。
カナリアのカナ。
キバラガメのキィ。
犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。
ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。
挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。
アイラもペット達も焼け死んでしまう。
それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。
何故かペット達がチートな力を持って…。
アイラは只の幼女になって…。
そんな彼女達のほのぼの異世界生活。
テイマー物 第3弾。
カクヨムでも公開中。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
転生したら唯一の魔法陣継承者になりました。この不便な世界を改革します。
蒼井美紗
ファンタジー
魔物に襲われた記憶を最後に、何故か別の世界へ生まれ変わっていた主人公。この世界でも楽しく生きようと覚悟を決めたけど……何この世界、前の世界と比べ物にならないほど酷い環境なんだけど。俺って公爵家嫡男だよね……前の世界の平民より酷い生活だ。
俺の前世の知識があれば、滅亡するんじゃないかと心配になるほどのこの国を救うことが出来る。魔法陣魔法を広めれば、多くの人の命を救うことが出来る……それならやるしかない!
魔法陣魔法と前世の知識を駆使して、この国の救世主となる主人公のお話です。
※カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
拝啓神様。転生場所間違えたでしょ。転生したら木にめり込んで…てか半身が木になってるんですけど!?あでも意外とスペック高くて何とかなりそうです
熊ごろう
ファンタジー
俺はどうやら事故で死んで、神様の計らいで異世界へと転生したらしい。
そこまではわりと良くある?お話だと思う。
ただ俺が皆と違ったのは……森の中、木にめり込んだ状態で転生していたことだろうか。
しかも必死こいて引っこ抜いて見ればめり込んでいた部分が木の体となっていた。次、神様に出会うことがあったならば髪の毛むしってやろうと思う。
ずっとその場に居るわけにもいかず、森の中をあてもなく彷徨う俺であったが、やがて空腹と渇き、それにたまった疲労で意識を失ってしまい……と、そこでこの木の体が思わぬ力を発揮する。なんと地面から水分や養分を取れる上に生命力すら吸い取る事が出来たのだ。
生命力を吸った体は凄まじい力を発揮した。木を殴れば幹をえぐり取り、走れば凄まじい速度な上に疲れもほとんどない。
これはチートきたのでは!?と浮かれそうになる俺であったが……そこはぐっと押さえ気を引き締める。何せ比較対象が無いからね。
比較対象もそうだけど、とりあえず生活していくためには人里に出なければならないだろう。そう考えた俺はひとまず森を抜け出そうと再び歩を進めるが……。
P.S
最近、右半身にリンゴがなるようになりました。
やったね(´・ω・`)
火、木曜と土日更新でいきたいと思います。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います
八神 凪
ファンタジー
平凡な商人の息子として生まれたレオスは、無限収納できるカバンを持つという理由で、悪逆非道な大魔王を倒すべく旅をしている勇者パーティに半ば拉致されるように同行させられてしまう。
いよいよ大魔王との決戦。しかし大魔王の力は脅威で、勇者も苦戦しあわや全滅かというその時、レオスは前世が悪神であったことを思い出す――
そしてめでたく大魔王を倒したものの「商人が大魔王を倒したというのはちょっと……」という理由で、功績を与えられず、お金と骨董品をいくつか貰うことで決着する。だが、そのお金は勇者装備を押し付けられ巻き上げられる始末に……
「はあ……とりあえず家に帰ろう……この力がバレたらどうなるか分からないし、なるべく目立たず、ひっそりしないとね……」
悪神の力を取り戻した彼は無事、実家へ帰ることができるのか?
八神 凪、作家人生二周年記念作、始動!
※表紙絵は「茜328」様からいただいたファンアートを使用させていただきました! 素敵なイラストをありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる