転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

文字の大きさ
上 下
81 / 163
第二章

秋の園遊会

しおりを挟む


秋深まり社交シーズンの先駆けとして
13、14才、学園、学校などに入学した少女が集まる王妃主催のお茶会が催される。

そこには16才以上-成人以下の貴族男子がホスト役として配置されている。

この家にはこんな女の子がいますよ!
と言う出会いのお茶会である。

6才の頃も催されるのだが、当然ながらマリアベルは欠席である。

このお茶会の正装は白を基準に白に近いブルー、白に近いピンクなどの色合いが基本のようになっている。
何代か前の王女様が 皆が競い合ってギラギラと着飾っていたのを憂い 白いドレスで出席してからの慣例であった。

「白は辞めましょう、汚れますわ。」
「汚れても気にならない という財力とプライドのための白いドレスなのだよ。我が家としては、やはり色付きを着るのはなぁ••••」
「王家に血統があるものが白を着ないとなると、、、コーネリアが馬鹿にされてしまうぞ!」そう父が言う。
仕方ないわ、[郷に入れば郷に従え]
取り敢えず、皆と同じ格好をしてれば安心ね!
きっとソフィア様も真っ白ドレスね。
諦めて白いドレスを作ってもらう事にした。

「あのぉ、この前の部分だけ綿で作ってもらえませんか?」
「お嬢様、それはダメです。」
ダメ出し食らってしまった。

綺麗な秋空が広がっていた。
園遊会は野外のお茶会となった。

県民茶会とかみたいなものね、
野点を楽しむなんて、この世界も風流なものね。楽しみだわ。
変わったお菓子 あるかしら?今後の参考にしたいわよね。

お祖父様とお父様に連れられてお城にむかった。
会場に入る前に別室で王妃様にご挨拶する。
そして、
父兄は庭園が望める一室にて、王妃様とお茶会の様子を眺めているのだ。

綺麗な庭に真っ白なテーブルクロスが掛かった丸テーブルが並んでいる。
まぁ、アリスのティーパーティーの様だわ。
席には札がちゃんと付いてあった。

あっ、ソフィアの隣だ、知ってる人の隣でよかったぁー
ソフィア様ぁ~、マリアベル様ー、と2人で手お取りあってよろこんでいた。

気づいたら、隣に水色の髪の少女が礼を取り
「ソフィア様、お久しゅうございます。」
「カミーユ様も、お久しゅう。」
あっ、お友達ね、
空気を読んでさりげなくツツツゥーと席を外そうとすると、ソフィアに腰のリボンを引っ張られた。

私は犬か!リボンはハーネスじゃないぞ!

ソフィアは小声で「ホラ、」と言う。
あっそうか、公の場では初対面では身分が下の者が上の人に話すのはNGだった
忘れてた!ごめん、ごめん。

「初めまして、クラレンス侯爵が娘マリアベルと申します。」
「ご丁寧な御挨拶恐れいります。
デュカス侯爵が娘カミーユと申します。以後お見知りおきを。」

「マリアベル様は6才のお披露目は御出席されなかったのですわね」
カミーユに指摘された。

ええ、まあ、とお茶を濁した。

「王妃様主体のお茶会を欠席なさるなんて、よほどお体が御悪うございましたのね。
 私も、身体が弱く学園には通えませんが、王家のお茶会は高位の者の義務だと思っておりますが••••
 そのような我儘が通る御育ちが羨ましいですわ。
やはり噂は本当でしたのね。」
そう言い終えると、フラフラとしてエスコートの男性にもたれ掛かった。

「君、非常識ではないか、身体の弱いカミーユ嬢に長時間 礼を取らせるなど、」
「いいのよ、わたくしが悪いの、マリアベル様を怒られせてしまったから•••」
「全く、噂通りの方だ 貴方は、酷いな、さあ、カミーユ嬢こちらに•••」
2人は退場して行った。

なんだったのか、今の寸劇は????

「カミーユ様は身体が弱いらしいの、今まで彼女より高位の身分はわたくしだけでしたから、、、」ソフィアがそう言う。

「だって私も侯爵令嬢ですよ?」

「貴女は王の姪よ!順位は低くとも王位継承権があるの。カミーユ様とは同格ではなくてよ。」

そんなものなのかしら?
(そういえば、前世で、先祖が公家だと威張ってた人いたわねぇ、綾小路だったかしら?
あら、違った、それは漫談家だったわ!)

アビゲール様は欠席だ。
今の時期は"森の収穫を神に捧げる神事"があるためどうしても抜けれないそうだ。
事前に王家には連絡して王妃にお目通りしておいてあるとおっしゃっていた。

出来の悪い催し物を見せられたのでお口直しにお菓でもいただきましょう。
なんだかどれも甘そうねぇ
桃の煮たの を見つけそれを食べる。
(なんだっけ果物煮たの、コンパートだっけ?)

それにしても、秋薔薇が見事だわ。
紫を青っぽく発色させるの難しいのよねぇ。
私は春薔薇よりも秋薔薇が好きだわ。
風情があるもの。

では、ここで一句。
秋空に、こもれる薔薇の香り
ダメだわ、こもれると香りが同意語かしら?
秋空っていうのも 陳腐だわね
うーん、、、


「また、お前は騒動を起こしたのか!!」

へっ?
あー、三馬鹿だぁ、また喧嘩吹っかけに来てる。
この人達、ホント面倒だわ、

「カミーユ嬢にキツく当たったとか、
あの御令嬢は、お体が強く無いのだ。
お前も知っているであろうに、配慮が足りないぞ。」

そんなの知らないわよ。だって初対面だし

あー面倒臭い、殿下がいるんだったら来なきゃよかったわ。

「聞いているのか!」ドン!
殿下、机叩かないで、皆んな見てるから

ハイハイ、
「どーも、すみませんでした」

「なんだ、その謝り方は」
王子は私の、肩を掴んで揺さ振った。

侍従の方が飛んで来た
「殿下、さぁ、此方へ、」
と抱えて連れて行ってくれた。

馬鹿らしい、もう、帰ろ。

1人出口に向かった。

トン、誰かにぶつかった。
「きゃぁ」その人 私の前にうずくまった。

「ごめんなさい、ごめんなさい」
先ほどのカミーユ様だ。

えっ、なに?
ぎやー、スカートにブドウジュースがかかっている。
それも正面膝下、狙ってかけたな!この女。

側にいた別の少女も
カミーユ様、わたくしのもお手伝い致しますわ、、
拭くふりをして苺タルトをスカートに擦り付けた。

うわぁ馬鹿じゃないのこの子達。

あの窓から丸見えだよ、ほら王妃様チラチラ見てるよ、

カミーユ様、泣きながらスカート拭いてる。
でも、涙出てないよ、

人が集まって来た。

一緒にいた少女が
「この方がスカートにジュースを溢してしまって、、、
カミーユ様が ぶつかったからだと、、、責任を取れと••••」

酷いわね、どこの御令嬢だ、
見た事ない方だわ、あれはマリアベル様だわ
ザワザワ、ザワザワ、

お祖父様とお父様が飛んで来た。
お父様がコートを掛けてくれてその場から脱出した。

ノーザンコート邸にたどり着いた

「ホント酷いめにあいましたわ」
「全くデュカスの小娘のヤツは始末におえんわ。」
「お父様、ごめんなさい。
せっかく作っていただいたのに•••」
父にコートを返し、赤く染まったドレスを見せた。

「もう、これ汚れ落ちませんよねぇ、」
勿体ないわぁ、とぐちをこぼす。

父は私の姿を見て、呆然と立ち尽くした。

「お父様、お父様、」父の手を揺する

『あ、あ、あ、あ、あ、
赤く、赤、白い服が赤く 染まって 赤く赤、、、、、、、、、、、、、
コーネリア、コーネリア、
ああ、あぁぁぁぁぁ————-  』

父はそう叫ぶと床に倒れ込んだ。




















しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

処理中です...