転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

マリアベルの災難 7 三馬鹿の暴走

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今日はソフィア様達とカフェで勉強をする。
その前にパンの耳をもらってから合流しようと思い、彼女らには先にカフェに向かってもらった。

私は急ぎマリアルックに着替え 力一杯ドアを押した。
<<<バターーン>>>
勢いよく戻って来たドアの取っ手が、私の腕に直撃した。

「イタ~、、、」 ううう、涙でたぁ
久々のウッカリだぁ。

袖を捲ると二の腕にクッキリとドアノブの跡が出来てる。
誰もいないから[おまじない]しちゃえ

「いたいの、」

ガタン、ドアが開いた。

焦って、おまじないを途中で止める、でもキラキラが舞っている、
カバンでキラキラを扇いて飛ばす。けど飛ばない。どうしよう•••

入って来たのは三馬鹿だった。

(彼らの目にはこう映った
キラキラと輝く可愛いマリアが、悲しそうに目に涙を浮かべている。)

「マリアどうしたのだ?」
悪い予感がした。
面倒事はもうたくさん。

「いえ、なんでもありません。」
速やかに立ち去ろうとした。

「待ってくれ、」
ジェイコブ王子に二の腕を掴まれた。

「痛い、」
よりに寄って、さっきぶつけた所を掴まれた。

「怪我をしているではないか」

だから、痛いって言ってるでしょう、触らないでよ、

「これは扇の跡か?誰に打たれた、マリアベルか?アイツに打たれたのか、」

「違います、」

殿下はマリアベルの袖を上まで捲り上げた。
「可哀想に、隠さなくてもよい」

だから、違いますって、
どうして直ぐマリアベルのせいにするの?
人の言う事を聞いてよ!

「今、治癒魔法を掛けてやるからな、」
王子は私の二の腕に口を付けた

さすがに王子は蹴り飛ばせない。
逃げようと体を捻った。

ホスト紫が後ろから肩をガッシリと掴み拘束する。
「大丈夫、僕達が来たからもう安心だよ」

このヤロー、耳噛むな
私の耳は、ミミガーじゃない!

エロブルーが逆の手を握る
「殿下に任せおけば大丈夫だからね
痛い事はしないから、直ぐよくなるから」

何 お•ま•えー、どさくさに紛れて 手ニギニギしてるかぁー

やめろー
ぎゃー、襲われるー
マリアベル 絶体絶命の大ピンチ

——————-

カフェで教科書を広げていたアビゲール、

「マリアベル様、遅いですわね、」

その時、彼女の脳は、恐ろしい程の色の洪水に襲われた

「あ、ぇ、え、マリアベル様が赤い、青い、
なに、ななな何かあったの?
ソフィア様、大変急がなければ、
マリアベル様が大変なの、」

「何がって?」

「分からないけれど、急がないと、
とにかく変なのです、壊れています!
早く!!!!」

ソフィアの、マリアベル探知機が作動した。
「こっちだわ、」走る 走る 走る

「わたくし達の教室だわ!」

ソフィアはバタンと勢いよくドアを開けた
目に入ったのは

ジェイコブ王子に腕にキスされ
ランディエール侯爵令息に抱きしめられ耳に口付けされ
アルビス侯爵令息に手をニギニギされた

マリアことマリアベル

さながら、ならず者の旗本に手込めにされそうな村娘の図、であった。

「何をしているのですか、破廉恥な!
手を離しなさい。」

殿下は言い訳する。
「こ、これは治療していてな、」

「怪我などとないではありませんか!」

「今、治したのだ」

「言い訳ですか。」
ソフィアは冷ややかな目を向けて彼等を一瞥した。

さぁ、こちらに、アビゲールが保護する
「アビゲール様、怖かったぁー」
私はホッとして泣いた。
本当に怖かった。

「1人の女性に三人で無体を働くなど、、
紳士のなさる事ではありません」

いや、誤解だ、男共は狼狽えている

「アルビス様ともあろう者がなんですか!
貴方は紳士中の紳士だとばかり思っておりましたが、見損ないました。」
ソフィアが怒る

さあ、帰りましょう、
泣いている私を抱きしめて教室を後にした。

—————-

カフェに行き、震えが止まらない私にソフィア様は 甘いミルクティーを飲ませ背中をさすってくれた。
また、泣いてしまった。
本当に怖かったのだ。思い出してまた震えた。

「マリアベル様、両の手の平をうえに向けて出してもらえますか、」
アビゲールが 出した手に自分の手の平を合わせて、なにか呪文のようなものを唱えた。

日本の詔のような流れるような言葉だった

アビゲールからなにかスゥッとするものが流れ込み通り過ぎていった。
ふあぁ、と体が軽くなった。

「オーラが元に戻りましたわね!」

あっ、森林浴に行ったみたいにスッキリ落ち着いた。

「これが、森の巫女姫様の本領なのですね、、素晴らしいわ」
ソフィアが感心して言った。

「ねえ、マリアベル様、
マリアは辞めてしまいましょう。これで懲りたでしょ!
ね、もう、マリアはお終いですわよ、
これはわたくしが預かりますね。」

ソフィアにカツラを没収されてしまった。


———————


マリアはもう終わりだ。いなくなるのだ。


マリアベルは食堂のおばちゃんに挨拶に行った。
茶のカツラがないので三角巾を被って行った。
「おばちゃん、騙してて ゴメンナサイ」

おやまぁ、マリアちゃんはマリアベル様だったんだね!
どうりで名前が似てると思ったよ。アハハハ

今までの事情を説明した。
昔、下働きだった事
そして、お嬢様になった事
「おばちゃん、私、料理が好きなの。」
「おばちゃん達が大好きなの」

うんうん、今度は三角巾かぶっておいて、
被り物が カツラから三角巾になるだけだろう、
私達も三角巾かぶるからさ、
マリアちゃんからマリーちゃんだね!

マリーちゃん[三角巾同盟]を結束した。

こうして、マリアベルの楽しい食堂ライフが新たな幕を上げた。



。・°°・(>_<)・°°・。

バイバイ、マリア。
マリアベルの女優人生は幕を閉じた。




*************

作者のつぶやき

もう、誰のルートだか、わかんないよぉ⤵︎


*************







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