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第二章
メラニー•ウイッカーズの話し 1
しおりを挟む私はメラニー•コンソール
[コンソール商会]の会長夫人
結婚前のはウイッカーズ男爵令嬢と言われていた。
我が家は[ランディエール]の、末端である。
使える魅了も相手が振り返る程度の弱いもの。
男爵家の三女、貴族といっても下の下。
魔法も弱く、頭も良いとは言えない。
王都の学園には入れないので
川向こうの貴族学校へ入学した。
友人も出来、楽しく学校生活を過ごしていた。
お付き合いする方も出来た。
伯爵家の三男で騎士を目指している方だった。
伯爵と男爵では少し家柄に差があるが、彼は三男なので伯爵家から出なければならない。
「2人で細々とやっていこうね!」
そう、将来の計画を立てていた。
しかし、四年目の進路別クラス分けであの女に出会って運命は変わった。
[クロスリー子爵令嬢アイラ]
彼女は天性の男タラシだ。
あどけない顔に大きな胸、細い腰に鈴の音の様な声、小柄な女性だった。
図書館へ行けば、わざわざ高い所の本を取ろうとしてプルプルとつま先立ちをする。
そして、男子に助けてもらう。
食堂で水をこぼすとわざわざ外に走って行き
「ひどい、ひどいわ、」と泣き、男子に慰めてもらう。
私たちが看病していた鳥が死んだ時の事、庭の隅に埋めて墓標を立てた。
彼女は、夕方、騎士科の生徒が通る時間にそこにうづくまっていた。
「お世話ていた、鳥が、死んでしまったの」
そういって泣いて慰めてもらっていた。
万事そんな感じである。
私の彼が迎えに来ると
「メラニー様、お迎えがいらしたわ!」
わざわざ、彼の側に行き大声で私を呼ぶ
そして必ず「メラニー様が羨ましいですわ、こんな素敵な方に想われて。」
と、上目遣いで見つめて腕にご自慢の胸を押し付ける。
あまり頻繁になので注意をすると。
帰りの時間を狙って
「ごめんなさい、そんなつもりは無かったの、許して、、、」
泣きながら廊下を走り男を選んでぶつかり慰めてもらう。
卒業間近の冬の日
彼から呼び出された。
「君がこんなに酷い女だとは思わなかったよ、
アイラ嬢に嫉妬して嫌がらせするとは、、、
君との縁は終わりにさせてもらうよ」
何となく予想はしてた
彼がアイラを気にかけていた事を、
でも、私は嫌がらせなどしていない。
アイラに詰め寄った
しかし、アイラは言った
「そんな事 言れても•••
わたくしだって分からないわ!
わたくしは初恋のローガン様と結婚するのよ、他の男の方にお心を寄せる訳なんて ないでしょう!」
被害者は私だけではなかった。
他にもアイラが原因かで破局したカップルが5,6組いた。
アイラに お付き合いを申し出た男もいた。
「わたくしには心に決めた殿方がいるの、貴方の気持ちには答えるられないわ。ごめんなさい」
と 大きな目に涙を浮かべ フルフルと震え 謝る姿に感動した、とアイラを崇めていた。
男とは、こうも愚かなものなのか、
結局、男とはこういう庇護欲をそそる女が好きなのだ。
私も、お陰であんな男と別れる事が出来てよかった と考え方を切り替える事にした。
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