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第二章

ミサンガの効果

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夕食後部屋にもどるや否や、アビゲール様が部屋にやって来た。

ガブリエルに
「こんな時間に、失礼とは存じますが、急用でありますのでお取り付きお願いいたします。
じき、キングスバリー公爵令嬢もこちらにいらっしゃいます。」

こちらへどうぞ、
ガブリエルはアビゲールを居間にお通しし、お茶の準備を始めた。
ソフィアが到着し、席に着いた。
ガブリエルはそっと席を外す。

「お呼びだてして、申し訳ございません。
実は、ただ今、’ポッポ’よりこのような手紙が届きまして•••」
アビゲールは ぽっぼ を頭に乗せながら 手紙を広げ、読み上げた。


それは、フレディからの連絡であった。

[キズできてマリアの切れて光って治った]

これ、意味わかりますか?

暗号文か?
意味不明 解読不可能である。

「わたくし、男子寮まで行って来ようかと思います。」
「いけないわ、危険よ、こんな時間に出歩くなんて、」ソフィアは止める
「ハワード様に連絡して、9時に鈴懸のブナの木で待ち合わせします」
ポッポの足に書いた手紙を結び
「ポッポお願いね」
ポッポは飛び立った。
アビゲール様、絶賛 暴走中である。

ガブリエルに護衛を頼んだ。
「懐かしいですね、”鈴懸のぶなの木”
あそこ、逢引きスポットですよね!鈴で合図するから鈴懸なんですって、」
男子寮と女子寮の間にあるぶなの木の事で あそこをくぐり抜けられるとの事

「誤解です、わたくし、兄に会う為に くぐり抜けてだだけで、決して逢引きなど、、、」
アビゲールは真っ赤になりアワアワして首を振った。

女子寮の端で待機、時間ギリギリに、待ち合わせの場所に向かった。

フレディが走ってきた。
「ゴメン、探すのに手間取って、」
ハァハァ、息も切れ切れだ。
遅れて1人の男性が走って来た。
「フレディ君、早いなぁ、ハァハァ」

「兄様!」アビゲールが叫んだ。

「アビゲール様、勝手に呼んでゴメン、でも女性の体面を保たないと、と思って、」

「イヤイヤ、君の判断は正しいよ、ウチの妹は”森の子”だから、そう言う事には なかなか疎くてね!」
「はじめまして、私はウッドフィールド長子アルフレッド
フレディ•ハワードの要請で他言無用の誓いを立て 参上仕った。」
騎士の礼を取る。

私たちはそれぞれ簡素な礼をとり挨拶した
「キングスバリー公爵が娘ソフィアと申します」
「クラレンス侯爵が娘マリアベルと申します」

して、そちらのレディは?
「キンバリー子爵家ガブリエルと申します。」
「ああ、騎士科の連中が指導していただいている、とお聞きしています。ありがとうございます。」

「えっ、あのガブリエル様、王妃様付きの?まあ まあ まあ まあ」
ソフィア興奮状態である。

「今は、ただの侍女ですよ!それより、お話でしょう、」

あっ、そうだったな、
今日の、対面試合が終わったのにラヴィが剣で斬りつけて来てな、最近ラヴィ変なんだよなぁ、、
刃先は潰してあるけど目一杯叩けばやっぱり切れるんだよね。
顔狙って来たから避けきれず腕で防いだんだけど、
あっと思ったら、プツンとマリアからもらったお守りが切れて
ブァーとキラキラが俺の腕を包んだと思ったら傷が治ってた。

これその時着てた練習着だけど、
ほら ここ切れて 血がだいぶ付いているだろ?

マリアの御守りの所為じゃねーか?

「避け切れず、腕で避ける、それは賢明な判断ですね、」
そこ、ガブリエル褒めるところか?
練習着の破けを見て
「でも、利き腕では避けない、減点です、」
ダメ出しした。

「やっぱなぁ、そー言われると思ったよ。」
話が違うところに逸れていく。

ソフィアが、話を戻す。
「そのキラキラは何色でしたの?」

「何色って、、キラキラだよ、キラキラ
ほら、星みたいな色」
フレディは空を指差す。
ホント、ビックリしたのなんのって•••

「それより、お守りってなんですの?」ソフィアの問いに
これ、と、切れたミサンガをポケットよりとりだした。

「すげーだろう、マリアが作ったんだぜ!」
フレディはまるで我が事のように自慢する。

アルフィーが言った
「ちょっと見せてもらえるかな?」
手に取って、うーんこれは凄いな、と頷く。

アビー、持ってごらん
アルフィーは手渡す。

「まあ、これは、素晴らしいですわ、マリアベル様の気配が綺麗に流れています。
素晴らしい護符ですわ。でも、どうして、これだけの[気]が••••」

私は言い出せなかった。
言ったらマズイ、絶対マズイ、
私の髪を編み込んでいるなんて、、、

「ああ、それな、マリアの髪が入っているからだろ!
なあ、マリア、」


「マリアベル様!!!!」

一斉に怒られた。
すいません
すいません
すいません
もーしません。

その後、ミサンガ作りは禁止になった。

—————

アルフレッドは思った

マリアベル様は素晴らしいお方だ
あの方には邪気が全くない。
そして博識である。

あのお守り凄いな、
編むことで念が籠り 結ぶ事で循環するのか、
私も編んでみようかな。

——————

マリアベルの部屋では、
ガブリエルがおねだりしていた。

あの御守り、私だけにこっそり作ってくださいヨォ~
ね、ね、お嬢様も、私が怪我したら可哀想だと思いませんか?
わたしぃ~、護衛侍女だしぃ~
ナイショにしますから。

根負けして作る約束した。

———————

そしてソフィアは

それより、ポッポ、なぜアビゲール様の頭に乗ってたのかしら?
あれ、ハワード様の、鳩よね?

やっぱり鳩って必要なのかしら?

ソフィアは、真面目に鳩を飼おうかと、考えていた。

———————-





















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