転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

ローガンの苦難 その3

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王都のノーザンコート伯から手紙が届た。

「来年は建国300年の年
王国として沢山の催し物も計画されている。
コーネリア姫は死去されたが夫君として一応お前も王家の外戚となっている。
いつになったらクラレンス侯爵は顔をみせるのかと、王にも催促をされている。
いつまでも領地に篭っていられては我が家にも迷惑を被る。
大至急、王都のクラレンス家タウンハウスに来られたし。」

かなり強い口調のお叱りの手紙だ。

私はこの手紙をアイラに見せ、王命だからと理由付けをして王都へ向かった。

アイラは急な事なので支度が出来たら、アナベルと共にそちらへ向かうと言った。


私はこの13年間社交もしていなかったのだ。
歳月の経過の感覚が全くわからない。

友人もいたが、彼らはどうしているであろうか••••

「アイラがお前は病気だと触れ回っていたぞ。」

「アイラが王都に?」

「ああ、毎年来てパーティに出ていたな。
かなり派手なドレスを来て大きな宝石を付けて侯爵夫人然として出席していたようだ
王都では子爵邸に滞在している。
アイラ夫人はよほど私が嫌いなようだな。」
憎々しげに言った。

クラレンスのタウンハウスはノーザンコート伯爵の敷地内にある。
建設されて誰も使用した事の無い屋敷は伯爵家で管理されている。

「コーネリアとマリアベルの噂の出所のアイラらしいぞ。
コーネリアはよその種を孕んでクラレンスに来たアバズレだと触れ回っいるらしい。」

(そう言えば、マリアベルを罵る時「アバズレの娘」と言っていたような•••••
何故、私は諫めなかったのだろうか、
何故、マリアベルを庇わなかったのだろうか、)


そう言えば、アイラから手紙が来ておったぞ
なになに、、、
「クロスリー子爵がお前に挨拶したいそうだ。
一度子爵邸に来てくれ」 だそうだ。

馬鹿らしい。
お前を子爵邸になど、、
ライオンの檻にネズミを入れる様なもの、
また、フヌケになって帰ってくるぞ
ハハハ!
父は豪快に笑った。

私の実家であるノーザンコート伯爵の領地は王都の中心部を一角とした商業地である。
建国時の領地分配で、初代ノーザンコートは   大きな領地と 高い身分は 足枷になる。
身を軽くしたいから王都予定地の側に幾ばくかの土地を貰えたらそれでよい。と、言ったそうな。
そこに市場を開き、バザールに発展させ、今では最大の商業地になっている。

「人の出入り、物の出入り、噂話、
それらが国内外の全ての情報に繋がる。」

人々は運良く商業施設が出来た、と思っている。
また、代々当主達もそのように振る舞っている。

タネを巻き 水をやり 育て 刈る
この循環をしっかりと管理をしなければ商業地とは廃れていくモノである。
多くの貴族はその事が理解出来ていない。

一見して学者肌の好々爺にしか見えない父は その裏で色々な事を画策している。

「して、証拠の香は手に入ったのか?」
「ジミーがこれを、」
「アヤツは中々使える男だからな!」

セバスチャンが懐からより封筒を取り出した。
「燃えカスか、」
「本館はアイラ様の侍女の目が光っていますので、これしか持ち出せませんでした。」

アイラの侍女は?

やはり花街の者のようです。
我が領と反対側の商業地にある歓楽街
「娼館 鹿の園 」に入っていきました。

あの歓楽街は悪どい噂があり、以前から調べてはいたところだ。

セバスチャンは、頭を下げ持ち場に戻った。

封筒を懐にしまい父上が言った。
「今夜、いつもの会議がある。
今回はお前も同席するように。」

「私がお役に立てるでしょうか?」
「うむ、あの、<まじない>とやらの事だ」

ああ、あの不思議な<おまじない>
星の煌めき
あれによって私は救われた!

久々に五家が集まる
学園での進展もあるでな。

そうだった、私達は「王家の呪い」を研究していたのであった。
すっかり失念していた。
こんなに大事な事すら忘れていたのか••••
自分を情けなく思った。


























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