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第二章
マリアベルの災難 .2
しおりを挟む晴れた日の午前最後の授業は
魔術の日
「みんな、自分の属性わかっているか?」
この世界の魔法属性の判断は大抵母の体内にいる時に判る。
同じ属性の者同士が触れ合うと同属なのが判る。
その属性の特徴が強く出れば出るほど、髪や目などにその色が強く現れる。
「金は光、これは王家の特徴でもある
白は風、赤は火、青は水、焦げ茶は土
あと、黒があるけれど最近は見ないな。
黒は闇、とても珍しいんだ!恥ずかしい事では無いぞ。だから持ってるヤツは是非教えてくれよな!」
「今日はここに属性別に先生を呼んである。
属性が分からないヤツ
メイン属性の他にサブ属性を知りたいヤツ
まぁー、何でもいいや!
握手して判定してもらえ。」
貴族は婚姻により属性が掛け合わせられる
高位であれば、より強い属性が突出する傾向がある。
低域の貴族は、逆に属性が混じってしまい1,2属性の魔法を使い別ける程度で終わってしまう。
そして庶民は かまどの火おこしや、掃除の水、髪を乾かす程度の風、くらいの生活魔法しか使えないのが現状である。
「わたくしは、風と水、母より光を、、
我がキングスバリー家は元より 風の一族ですから。」
ソフィアが答えた。
「ウッドフィールドは緑の加護に付随して、土と水と 少しだけ風が使えますの!
でも、基本が森の加護ですから余り強力な魔法は使えないようなのです。」
アビゲールが答えた。
マリアベルはと言うと、、、
「黒以外、みんなある、みたい、、、」
口々に流石ですわ!とお褒めの言葉をいただくが、、、
全く発動しない。
ただ、属性適応があるだけである。
(転生するとチートがあるって なりたい小説にも書いてあったのに、、、
孫も 転生者はチート持ちで無双出来るって言ってたのに、、、
スライムとか ガイゴツに転生しないとチートは付かないのかしら、、、ショックだわ)
全くショボン である。
「まあまあ、お気を落とさずに、
訓練すれば使える様になりますわよ!
わたくしだって子供の頃は全く使えませんでしたわ。」
口々に慰めてくれる。
「もうお昼ですわ。食堂いきましょうね!
今日のメニューはマリアベル様のお好きなクラムチャウダーですわよ、さあさあ」
ショボくれて 項垂れた私は引きずられるように食堂へ向かった。
孫と見ていた アニメのガイゴツの魔法使い、凄くカッコ良かったんだけどねぇ。
魔法陣ピカピカで、シュバーンとか、ドカーンとか、ズボボボーとか、、、
私も、してみたかったなぁ⤵︎⤵︎⤵︎
食後のデザートを食べながら、絶賛落ち込み中のマリアベルに 災難がやって来た。
「クラレンス侯爵令嬢マリアベル様かな?」
ソフィア&アビゲールが立ち上がり礼を取る
「殿下に置かれては凝縮至極でございます。」
私も、焦って立ち上がって礼を取る。
「よい、顔を上げよ、ここは学園だ、」
ははぁー
顔を上げたら 目の前にアニメ王子とホスト紫がいた。
なによ、あなた達、子供の癖に、
水戸黄門様も真っ青だわ、態度デカイわ
「従姉妹殿、初めましてだな!
私は知っての通り、ジェイコブ第一王子だ。」
(知っての通りですって、なぁにぃ~
自分が王子だからみんなが知ってると思い上がるんじゃないわよ!
こっちたら転生者よ!知ってる訳ないでしょ!プンプン)
マリアベル=おばあちゃんは 上から目線で話す人間が大嫌いであった。
こんな時は、政財界のパーティーで磨いたスルースキルを発動する。
(私リカちゃん、お友達になってね、
私リカちゃん、お友達になってね、
私リカちゃん、、、、、)
焦点の合わない目で挨拶する。
「私、リカちゃん、、、」
ソフィアに肘鉄されて我に戻った。
はっ、
「お初にお目にかかります。
クラレンス侯爵が娘 マリアベルと申し訳ます。殿下におかれては恐縮至極で、、、」
「それはよいと申しておるだろう。
私は其方と顔合わせにきたのだ。
我々は同じ祖父を持つ従兄弟同士、交流を持つべきではないかと思ってな、
なあ、ソフィア嬢!」
「よいご提案ですわ!殿下」
「それで、今日は私の友人を紹介しておこうと思う。
この者はラヴィ•ランディエール侯爵令息
社交家で友人も多い、
何かあったら相談するがよい。
ホスト紫がウインクした。
この青が特徴的な男は、、、、」
( これチカンよ!
この顔にピンと来たら110番
変態エロ男よ、、、)
「どうした、青ざめて、具合でも悪いのか?」
「いえ、お気遣い無く。」
気持ちの悪さに胃がムカムカする。
「この男は、学年トップの秀才だ。
勉強に悩む事があれば相談するがよい。なかなか頭のキレるヤツだ。」
「ご紹介に預かりました、
アルビス公爵家長子スティーブンと申します。
姫さまには初のお目通り。
以後、よろしくお願いします。」
チカンが私の手を取って、、、
口を付けたぁーーー
だめ、もう、ダメ、吐く、、、
「助けて、ソフィア様~ 吐きそう」
ソフィアにその後の王子の対応を頼み
アビゲールに担がれトイレに走って行くマリアベルであった。
その場にいた生徒達にはこう見えた。
王子に嫌々ながら礼を取り
笑顔も無く
会話もせず途中退室
アビゲールを杖代わりに使っている。
こうして、マリアベル悪女伝説は加速していった。
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