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その後の僕と彼は

その後の僕と彼は

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「心春のママは一日でも早く元気になって、心春と円花と一緒に暮らすために頑張っているんだ。心春にママお帰りなさいって言ってもらったらすごく喜ぶ」
「和真の言う通りだ。心春、いつでも遊びにおいで」
「そうよ」
彼とお爺ちゃんとお婆ちゃんに宥められ、しばらくするとようやく泣き止んだ。
「しーちゃん、だっこ」
まーちゃんばっかズルイ。とでも言ってるのかな。頬っぺをこれでもかと膨らませた。
「ちょっと待っててね」
「抱っこするぞ」
彼がすっと立ち上がった。
「ありがとう和真さん」
円花ちゃんの頭を支えながら彼にそっと渡した。こはるちゃんは僕の膝の上によじ登ると親指をしゃぶりながらぎゅっとしがみついてきた。


「和真から預かっていた子どもたちの写真を夕貴さんに見せた。ヤスも最近の心春ちゃんたちの様子を夕貴さんに話してくれた。彼が心春や円花を愛してくれればどんなに良かったか。彼女は泣いていた」
磐梯山サービスエリアから急いで病院へ向かうと斉藤さんとヤスさんが待っていてくれた。
「斉藤の助手ってことで通してもらった。すでにヤクザってバレバレなんだけどな」
斎藤さんの肩に手を置きヤスさんがニカッと笑った。
夕貴さんは穏やかな寝顔で静かに眠っていた。心春ちゃんは僕の膝に座りぎゅっと服を握り締め、ママの顔を心配そうにじーと見つめた。
「ヤス、手」
「手?」
「惚けるな」
「別に置くくらいいいだろう」
「ヤスと一緒にいると調子が狂うんだよな」
一人言をぶつぶつ呟いたのち、
「なんで兄弟なのにこうも違うのか。そうも話していた。真沙哉は子どもが大きらいだった。かたや和真は子どもが大好きだ。というか、和真が子どもなんだけどな。真沙哉は堕ろせと夕貴さんに命じた。でも夕貴さんはそれを断固拒否し心春と円花を生んだ。あとで詳しいことを話すよ」
斎藤さんが笑顔でこはるちゃんの顔を覗き込んだ。するとささっと素早く僕の後ろに隠れてしまった。
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