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決着のとき
決着のとき
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「言いたいことはそれだけか」
真山さんが戻ってきた。唯人さんと明日花さんの首根っこを掴み、車の後部座席から無理矢理引きずり下ろすと、卯月さんと渋川さんの前に突き出した。
「3分遅刻だ」
「聡太がなかなか泣き止まなかったんだ。哺乳瓶は受け付けてくれないし、困り果てていたら菱沼組の顧問弁護士だっていう男が助けてくれた。遅刻してすまない。キヨ、四季に謝れ。聡太が待ってる。さっさと帰るぞ」
真山さんがキヨちゃんを車から下ろすと、肩に担ぎ僕の前に連れてきた。
「なんで私がコイツに……」
頑なに謝罪を拒否するキヨちゃん。
それは明日花さんや唯人さんも同じだった。
「なんで俺たちが……」
「私たちなんもしてないじゃん」
ぷいと横を向いてしまった。
「なんで謝らなくてはならないのか……そうだよな、赤の他人である俺や四季に頭なんて下げたくないよな。迷惑を掛けたなんてこれっぽっちも思っていないんだろう。悪いことをしたと微塵も感じていないんだろう。口先だけのごめんを言われるよりマシだ。唯人、明日花、俺が許せないのは関係ない四季を巻き込んだことと、橋本さんが四季になにをしたか知ってて手を貸したことと、熊倉さんを利用したことだ。自首してくれと頼んでも聞く耳を持たないだろう。だから……」
そこで言葉を止めるとお店のなかをチラッと見た。
さっきまでお客さんが誰もいなかったはずなのに、城さんがカウンター席に座っていたから驚いた。
「朝宮明日花、捜索願が親御さんから出ている。朝宮唯人、特定商取引法違反と詐欺罪と恐喝罪と児童福祉法違反で逮捕状が出てる。一緒に来てもらうぞ。橋本、久し振りだな。相変わらず反省の色なしか。久保木はお前が四季にした罪をすべて背負う気だ。自分が主導したと言ってきかない。真山にうんと可愛がってもらいながら、首を洗って待ってろ。絶対、お前を逮捕してやる」
城さんが椅子から下りると、店内に潜んでいた捜査員が一斉に出てきて明日花さんと唯人さんを取り囲んだ。
真山さんが戻ってきた。唯人さんと明日花さんの首根っこを掴み、車の後部座席から無理矢理引きずり下ろすと、卯月さんと渋川さんの前に突き出した。
「3分遅刻だ」
「聡太がなかなか泣き止まなかったんだ。哺乳瓶は受け付けてくれないし、困り果てていたら菱沼組の顧問弁護士だっていう男が助けてくれた。遅刻してすまない。キヨ、四季に謝れ。聡太が待ってる。さっさと帰るぞ」
真山さんがキヨちゃんを車から下ろすと、肩に担ぎ僕の前に連れてきた。
「なんで私がコイツに……」
頑なに謝罪を拒否するキヨちゃん。
それは明日花さんや唯人さんも同じだった。
「なんで俺たちが……」
「私たちなんもしてないじゃん」
ぷいと横を向いてしまった。
「なんで謝らなくてはならないのか……そうだよな、赤の他人である俺や四季に頭なんて下げたくないよな。迷惑を掛けたなんてこれっぽっちも思っていないんだろう。悪いことをしたと微塵も感じていないんだろう。口先だけのごめんを言われるよりマシだ。唯人、明日花、俺が許せないのは関係ない四季を巻き込んだことと、橋本さんが四季になにをしたか知ってて手を貸したことと、熊倉さんを利用したことだ。自首してくれと頼んでも聞く耳を持たないだろう。だから……」
そこで言葉を止めるとお店のなかをチラッと見た。
さっきまでお客さんが誰もいなかったはずなのに、城さんがカウンター席に座っていたから驚いた。
「朝宮明日花、捜索願が親御さんから出ている。朝宮唯人、特定商取引法違反と詐欺罪と恐喝罪と児童福祉法違反で逮捕状が出てる。一緒に来てもらうぞ。橋本、久し振りだな。相変わらず反省の色なしか。久保木はお前が四季にした罪をすべて背負う気だ。自分が主導したと言ってきかない。真山にうんと可愛がってもらいながら、首を洗って待ってろ。絶対、お前を逮捕してやる」
城さんが椅子から下りると、店内に潜んでいた捜査員が一斉に出てきて明日花さんと唯人さんを取り囲んだ。
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