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絶望の先にあるのは
絶望の先にあるのは
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帰り際、コオお兄ちゃんがもしかしたら彼女かも知れない。そう言ってひとりの女性の名前を口にした。
「妹の息子が就活中で、そう話していたんだよ」
「彼女に就活中の甥はいない」
「そんな……」
にわかには信じがたい事実に愕然となった。
「社長との不倫がバレて、同僚から陰湿ないじめを受け、それを苦に自殺した女子社員がいたという噂は耳にしたことがある。2年前くらい前だが」
「2年前といえば俺も和真も海外に出張中で、1ヶ月ほど日本を離れていた時だ」
「だから俺たちは何も知らなかった」
「妹を自殺に追い込んだあの人と、あの人の家族に復讐をしようとしているとしたら」
「何としてでも止めなきゃいけない」
城さんに電話を掛け、一刻も早く熊倉さんを見付け保護してほしいと頼んだ。
「熊倉さんね、ボランティアで保護猫のお世話をしているだって。猫にも人にも愛情深い人だって、矢野倉さんや他のパートさんみんな話していたんだよ。なのに何でこんなことに……」
「俺もショックを隠し切れないよ」
彼が宥めるように肩を撫でてくれた。
「妹の息子が就活中で、そう話していたんだよ」
「彼女に就活中の甥はいない」
「そんな……」
にわかには信じがたい事実に愕然となった。
「社長との不倫がバレて、同僚から陰湿ないじめを受け、それを苦に自殺した女子社員がいたという噂は耳にしたことがある。2年前くらい前だが」
「2年前といえば俺も和真も海外に出張中で、1ヶ月ほど日本を離れていた時だ」
「だから俺たちは何も知らなかった」
「妹を自殺に追い込んだあの人と、あの人の家族に復讐をしようとしているとしたら」
「何としてでも止めなきゃいけない」
城さんに電話を掛け、一刻も早く熊倉さんを見付け保護してほしいと頼んだ。
「熊倉さんね、ボランティアで保護猫のお世話をしているだって。猫にも人にも愛情深い人だって、矢野倉さんや他のパートさんみんな話していたんだよ。なのに何でこんなことに……」
「俺もショックを隠し切れないよ」
彼が宥めるように肩を撫でてくれた。
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