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恩返し

恩返し

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帰宅した僕たちを待ち構えていたのは警察だった。
「朝宮さん、朝宮明日花さんの行方をご存知ですよね?署で詳しいお話しをお伺いしたいのですが」
ガレージに車を駐車し運転席から下りた彼を私服の警察官がぐるりと取り囲んだ。
「一度も会ったことがない女性の行方を私が知る訳ないでしょう。弁護士を通して頂けますか?」
彼は動揺することなく堂々としていた。
「和真」
異変に気付いたコオお兄ちゃんが駆けつけてくれて。トランクから車椅子を下ろしてくれた。
「構う必要はない。父さんが玄関のドアを開けて待ってる。家に入ろう」
「あぁ、分かった」
彼に抱っこしてもらい助手席から下ろしてもらうとそのまま玄関まで運んでもらった。背中にチクチクと刺さる眼差しが痛い。
「悪いことはしていないんだ。堂々としていればいいよ」
カタンと玄関のドアが閉まり、一息つく間もなく彼のスマホがまた鳴り出した。
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