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命に代えても守りたいもの

命に代えても守りたいもの

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お爺ちゃん大丈夫かな?
眠ったまま、このまま目を開けないってことないよね?
考えたくないことばかりが頭を駆け巡り、背が寒くなる。
寒さを感じ自らを抱き締めると、ふんわりとした温もりが触れた。
彼がスーツの上着を肩にかけてくれたのだ。
「大丈夫だ」
彼がしっかりとした口調でそう言うと、ぎゅっと手を握ってくれた。
うん、頷いて握り返すと、体温が混じりあい、胸のなかも少し温かくなったような気がした。
「四季くん」
お婆ちゃんに声を掛けられ、慌てて手を離した。
「お爺ちゃんのこと見ててもらってもいいかしら。和真と斎藤さんとナースステーションに行ってこようと思ったんだけど」
「はい、分かりました。僕でお役に立てることなら喜んで」
「ありがとう」
彼とお婆ちゃんと斎藤さんが連れ立って病室をあとにした。
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