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僕みたいな欠陥品は誰からも愛されない

僕みたいな欠陥品は誰からも愛されない

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「和真さん、スカートが深緑色の制服の高校って知りませんか?」
「深緑色?」
彼が首をかしげた。
「深緑色の制服っていったら私立のS高校しかないじゃん。去年から制服が一新されたから、深緑色の制服を着ているのは3年生だけよ」
「S高校って、男女共にサッカーの強豪校で有名な」
「そうよ」
結お姉さんがごく自然に部屋に入ってきたから服を直しながら慌てて上体を起こした。
「ちょっと姉さん、四季は恥ずかしがり屋なんだから、頼むからノックくらいしてくれよ」
彼も慌てていた。
「だって話し声が聞こえてきたんだもの。新婚さんの邪魔するつもりはないわよ。円谷さんって、S高校の理事をしていたのよ。去年かな?ある女子生徒を妊娠させて金でものをいわせ中絶させた……このことはすぐに隠蔽されたから外に漏れることはなかったんだけど、円谷さんが亡くなってからその女子生徒が弁護士を通してそのことを暴露してえらい騒ぎになってるわ」
「じゃあ、僕が見た子はその子?」
「それがね、自分以外にももうひとり、別の生徒とも関係を持っていたって暴露したのよ。金銭的に余裕のない母子家庭の子に援助をするからと言葉巧みに近付いて騙していたみたいよ。もうひとりが誰だかはいまだ分からないみたいよ。本人に名乗り出る勇気があればだけど」
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