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彼からの告白
彼からの告白
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『ガウメン ア(助けて)!!』
ペンションから那和さんの叫び声が聞こえてきた。
早起きが苦手な那和さん。いつもお昼近くまで起きて来ない。
彼と橘さんと柚原さんが那和さんの様子を見に大急ぎで向かった。
「また、黒い虫でもいたんじゃない。那和、虫が嫌いだから」
「昨日も大騒ぎしてたし」
紗智さんと千里さんがそう言うなら、きっと大丈夫だろうと思って彼を待っていたけれど、なかなか戻ってこなくて、子供たちを連れてペンションに戻ると、龍成さんが光希さんにみっちり説教されていた。
その側で肩を震わせ泣きじゃくる那和さんを橘さんが宥めていた。
それを見た千里さん。
彼や遼成に聞く前にピンと来たみたいで、眉を吊り上げ龍成さんにツカツカと歩み寄った。
「おおかた酔っ払って、部屋を間違えたんでしょう。那和がどんだけ怖い思いをしたか、分かってる?龍成!」
怒りの籠った声で怒鳴り散らした。
「千里」遼成さんと光希さんが慌てて止めに入った。
「今後二度と酒絡みで人様に迷惑を掛けない。アタシや裕貴や、播本さんの前でそう約束したわよね。だから、部屋住みを解いて遼成のところに帰した。龍成、アンタを鷲崎に預ける。性根を叩き直してもらいなさい。いいわね」
有無をいわせね圧倒的なオーラを放つ千里さんに、遼成さんも龍成さんも何も言い返すことが出来なかった。
「ボク大丈夫。びっくりしただけ」
那和さんが助け船を出したけど………
「たまにはお灸を据えないと、龍成のためにならない」
怒りが収まらない千里さんにびしっと言われ、口ごもってしまった。
ペンションから那和さんの叫び声が聞こえてきた。
早起きが苦手な那和さん。いつもお昼近くまで起きて来ない。
彼と橘さんと柚原さんが那和さんの様子を見に大急ぎで向かった。
「また、黒い虫でもいたんじゃない。那和、虫が嫌いだから」
「昨日も大騒ぎしてたし」
紗智さんと千里さんがそう言うなら、きっと大丈夫だろうと思って彼を待っていたけれど、なかなか戻ってこなくて、子供たちを連れてペンションに戻ると、龍成さんが光希さんにみっちり説教されていた。
その側で肩を震わせ泣きじゃくる那和さんを橘さんが宥めていた。
それを見た千里さん。
彼や遼成に聞く前にピンと来たみたいで、眉を吊り上げ龍成さんにツカツカと歩み寄った。
「おおかた酔っ払って、部屋を間違えたんでしょう。那和がどんだけ怖い思いをしたか、分かってる?龍成!」
怒りの籠った声で怒鳴り散らした。
「千里」遼成さんと光希さんが慌てて止めに入った。
「今後二度と酒絡みで人様に迷惑を掛けない。アタシや裕貴や、播本さんの前でそう約束したわよね。だから、部屋住みを解いて遼成のところに帰した。龍成、アンタを鷲崎に預ける。性根を叩き直してもらいなさい。いいわね」
有無をいわせね圧倒的なオーラを放つ千里さんに、遼成さんも龍成さんも何も言い返すことが出来なかった。
「ボク大丈夫。びっくりしただけ」
那和さんが助け船を出したけど………
「たまにはお灸を据えないと、龍成のためにならない」
怒りが収まらない千里さんにびしっと言われ、口ごもってしまった。
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