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心に降る雨
心に降る雨
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「未知」
少し掠れた声がしたかと思うと背後からいきなり抱き締められた。
「はる………さ、ん………っ………っ………」
彼の名前を口にしようとしたら、その唇に彼の唇が重なってきた。
息が出来なくなるほどのキスが、抱擁が心地よくて身体から力が抜けていった。
「聞き耳を立ててる邪魔者はいない。子供達も寝たことだし、いいだろう?」
耳元で囁かれる声は、普段の彼とは違い、色香を纏った艶かしい声で。
どう返事をしていいか分からなくて俯くと、クスリと苦笑いされ頤に彼の指が触れてきた。
男らしくて、長い指。
すごく器用で、僕や子供たちをうんと幸せにしてくれる。
大好きな指だ。
「相変わらず恥ずかしがりやなんだな、未知は」
そのまま愉しそうに微笑んだ彼に、スイと頤を掬い上げられ、チュッと軽く口付けをされた。
ちょうどその時だった。
おぎゃー、おぎゃーと太惺の元気な泣き声が聞こえてきたのは・・・・・
しかもその泣き声に呼応するかのように心望まで泣き出した。
「橘も紗智もいない。今夜こそは未知と二人きりになれると思ったのに………」
大きくため息をつくと、がっくりと肩を落とし項垂れた。
「未知さんを一人占めしようなんて百年早いんです」
「何でいるんだ!」
まさかいるとは思ってもみなかった橘さんがごく普通に寝室に入ってきたから、僕も彼も腰を抜かすくらい驚いた。
少し掠れた声がしたかと思うと背後からいきなり抱き締められた。
「はる………さ、ん………っ………っ………」
彼の名前を口にしようとしたら、その唇に彼の唇が重なってきた。
息が出来なくなるほどのキスが、抱擁が心地よくて身体から力が抜けていった。
「聞き耳を立ててる邪魔者はいない。子供達も寝たことだし、いいだろう?」
耳元で囁かれる声は、普段の彼とは違い、色香を纏った艶かしい声で。
どう返事をしていいか分からなくて俯くと、クスリと苦笑いされ頤に彼の指が触れてきた。
男らしくて、長い指。
すごく器用で、僕や子供たちをうんと幸せにしてくれる。
大好きな指だ。
「相変わらず恥ずかしがりやなんだな、未知は」
そのまま愉しそうに微笑んだ彼に、スイと頤を掬い上げられ、チュッと軽く口付けをされた。
ちょうどその時だった。
おぎゃー、おぎゃーと太惺の元気な泣き声が聞こえてきたのは・・・・・
しかもその泣き声に呼応するかのように心望まで泣き出した。
「橘も紗智もいない。今夜こそは未知と二人きりになれると思ったのに………」
大きくため息をつくと、がっくりと肩を落とし項垂れた。
「未知さんを一人占めしようなんて百年早いんです」
「何でいるんだ!」
まさかいるとは思ってもみなかった橘さんがごく普通に寝室に入ってきたから、僕も彼も腰を抜かすくらい驚いた。
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