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それぞれの愛のかたち
それぞれの愛のかたち
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「なぜ黙っていたんですか」
ムッとし柚原さんを睨み付ける橘さん。
「だってさぁ、結婚式を挙げようって言っても、絶体に首を縦に振ってくれないだろ?」
悪びれる様子もみせずしれっとして答える柚原さん。
「ままたん、これぱぱたんがから」真っ白いタキシードを遥香から渡され、すべてを悟った橘さん。ますます不機嫌になった。
「夫婦喧嘩はそれくらいにして、早く着替えてきたら?」
「そうだよ」
千里さんと心さんに急かされ渋々ながらも席を立つと、柚原さんと一緒に控え室に向かった。
それから数分後ーー
「心望、気のせいか?パパみんなに見られているような気がするんだが……」
ぐすりはじめた心望を扉の近くであやしていた彼の動きがピタリと止まった。
「そりゃあまぁ、普段は未知や橘に任せっきりだけど、俺だって子守りくらい出来る。そんな目で見ないでくれ」
気恥ずかしいのかわざとらしく咳払いしていた。
「そんなんじゃないの」
太惺を抱っこした千里さんと、心さんが彼に静かに歩み寄った。
「お兄ちゃんがね、一緒にバージンロードを歩いて欲しいって」
「は?」
よっぽど驚いたのだろう。彼の声は裏返っていた。
「普通は俺より茨木さんだろ?」
「本当、遥琉ってさぁ~~恋するオトメの気持ちが全然分かってないよね~~お兄ちゃんはね、ずっーーーと、遥琉が好きだったんだよ。柚原と一緒になっても、まだ遥琉が好きだっていう想いを引き摺ってる。それを吹っ切るために、一緒に歩いて欲しいって言ってるの」
「ここちゃんは僕が見てるから」
心さんが両腕を伸ばした。
ムッとし柚原さんを睨み付ける橘さん。
「だってさぁ、結婚式を挙げようって言っても、絶体に首を縦に振ってくれないだろ?」
悪びれる様子もみせずしれっとして答える柚原さん。
「ままたん、これぱぱたんがから」真っ白いタキシードを遥香から渡され、すべてを悟った橘さん。ますます不機嫌になった。
「夫婦喧嘩はそれくらいにして、早く着替えてきたら?」
「そうだよ」
千里さんと心さんに急かされ渋々ながらも席を立つと、柚原さんと一緒に控え室に向かった。
それから数分後ーー
「心望、気のせいか?パパみんなに見られているような気がするんだが……」
ぐすりはじめた心望を扉の近くであやしていた彼の動きがピタリと止まった。
「そりゃあまぁ、普段は未知や橘に任せっきりだけど、俺だって子守りくらい出来る。そんな目で見ないでくれ」
気恥ずかしいのかわざとらしく咳払いしていた。
「そんなんじゃないの」
太惺を抱っこした千里さんと、心さんが彼に静かに歩み寄った。
「お兄ちゃんがね、一緒にバージンロードを歩いて欲しいって」
「は?」
よっぽど驚いたのだろう。彼の声は裏返っていた。
「普通は俺より茨木さんだろ?」
「本当、遥琉ってさぁ~~恋するオトメの気持ちが全然分かってないよね~~お兄ちゃんはね、ずっーーーと、遥琉が好きだったんだよ。柚原と一緒になっても、まだ遥琉が好きだっていう想いを引き摺ってる。それを吹っ切るために、一緒に歩いて欲しいって言ってるの」
「ここちゃんは僕が見てるから」
心さんが両腕を伸ばした。
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