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千思万考
千思万考
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「真沙哉の共犯者として逮捕されてもおかしくなった。任意の事情聴取だけで済んだのは伊澤や鞠家のお陰だ。不法滞在で国外退去されたら間違いなく黒竜に捕まって消されるだろうな。どうしたらマーナオを守れるか、親父や茨木さん、度会さんと話し合ったんだ」
彼がにこりと微笑んで、
【卯月 那和】と書いた紙をマーナオさんの前に差し出した。
「紗智、悪いが中国語で説明してやってくれないか?」
彼に頼まれ紗智さんがコクりと頷いた。
「これで゛うづき なお゛と読む。親父がな、どんな事情があろうが息子が好きになった相手だ。うちで面倒を見るのが筋だそう言って、マーナオの仮親になることにした。青蛇の残党や、黒竜の地竜からお前を守るためだ。親から貰った大事な名前を変えるようになるがそれでもいいか?」
マーナオさんは紗智さんが訳する中国語に耳を傾けていた。
「・・・・卯月那和(マオ フェ ナー フェ"ァ)・・・・」
メモ紙を震える手で持ち上げた。
そして大事そうに両手で抱き締めると中国語で何かを口にした。
『ボクには戸籍も、名前もない。
路上で物乞いしていたときリーに拾われた。マーナオはリーに付けられた名前・・・・嬉しい・・・・』
紗智さんが彼も俺と似たような境遇なんだ、そう前置きした上でそう訳してくれた。
「那和、ここにいる間は未知がお前や紗智の母親代わりになる。不服はないか?」
マーナオさん、ううん那和さんだ。
チラッと僕や紗智さんの顔を見たのち、分かった、一言口にすると大きく頷いた。
彼がにこりと微笑んで、
【卯月 那和】と書いた紙をマーナオさんの前に差し出した。
「紗智、悪いが中国語で説明してやってくれないか?」
彼に頼まれ紗智さんがコクりと頷いた。
「これで゛うづき なお゛と読む。親父がな、どんな事情があろうが息子が好きになった相手だ。うちで面倒を見るのが筋だそう言って、マーナオの仮親になることにした。青蛇の残党や、黒竜の地竜からお前を守るためだ。親から貰った大事な名前を変えるようになるがそれでもいいか?」
マーナオさんは紗智さんが訳する中国語に耳を傾けていた。
「・・・・卯月那和(マオ フェ ナー フェ"ァ)・・・・」
メモ紙を震える手で持ち上げた。
そして大事そうに両手で抱き締めると中国語で何かを口にした。
『ボクには戸籍も、名前もない。
路上で物乞いしていたときリーに拾われた。マーナオはリーに付けられた名前・・・・嬉しい・・・・』
紗智さんが彼も俺と似たような境遇なんだ、そう前置きした上でそう訳してくれた。
「那和、ここにいる間は未知がお前や紗智の母親代わりになる。不服はないか?」
マーナオさん、ううん那和さんだ。
チラッと僕や紗智さんの顔を見たのち、分かった、一言口にすると大きく頷いた。
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