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千思万考
千思万考
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「ママ!」遥香の元気な声が後ろから聞こえてきて。振り返ると同時に腕の中に勢いよく駆け込んできた。
「遥香、ママはじぃじ達と大事なお話しをしているんだ。終わるまでパパと待っていよう」
彼が慌てて追い掛けてきた。
「遥琉、未知はこう言ってるんだ。お前はどうするんだ?」
「………」
お義父さんの問い掛けに彼の表情が強張った。
「もし記憶が戻ったら?俺や心を逆恨みし、必ず未知や子供達の命を狙ってくるはずだ。大事な家族や組員を、二度と危ない目に遭わせたくない」
「真沙哉の記憶が戻った時は俺が一からみっちり鍛え直してやる。儂の目が黒いうちは、真沙哉に好き勝手はさせない。もし儂がいなくなっても、秦や度会、それに遼禅がいる」
「親父………」
頼もしいお義父さんの言葉に固かった彼の表情が少しだけ緩んだ。
「未知、マーナオだっけ?俺は会ったことがないからさぁ、その………紗智と上手くやれると思うか?」
よほど心配なのかソワソワと落ち着かない様子を見せる彼。
「大丈夫だよ、きっと………僕が二人のマーになるから」
不安を一掃しようと笑顔で明るく振る舞った。
「未知には敵わないな」
「当たり前だ、俺の自慢の孫なんだから」
「儂にとっても自慢の嫁だ」
腕を前で組みゲラゲラと声をあげて豪快に笑うお祖父ちゃんとお義父さん。
ふと、地竜さんのことが頭に浮かんできた。
あのあとどうなったんだろう………
「ママ、だっこちて」
遥香にツンツンと服の裾を引っ張られ抱っこをせがまれて。ハッとして我に返った。
「ごめんね遥香、ママぼぉっとしてて」
笑顔でよいっしょと抱き上げると溢れるようなニコニコの笑顔を見せてくれた。
「遥香、ママはじぃじ達と大事なお話しをしているんだ。終わるまでパパと待っていよう」
彼が慌てて追い掛けてきた。
「遥琉、未知はこう言ってるんだ。お前はどうするんだ?」
「………」
お義父さんの問い掛けに彼の表情が強張った。
「もし記憶が戻ったら?俺や心を逆恨みし、必ず未知や子供達の命を狙ってくるはずだ。大事な家族や組員を、二度と危ない目に遭わせたくない」
「真沙哉の記憶が戻った時は俺が一からみっちり鍛え直してやる。儂の目が黒いうちは、真沙哉に好き勝手はさせない。もし儂がいなくなっても、秦や度会、それに遼禅がいる」
「親父………」
頼もしいお義父さんの言葉に固かった彼の表情が少しだけ緩んだ。
「未知、マーナオだっけ?俺は会ったことがないからさぁ、その………紗智と上手くやれると思うか?」
よほど心配なのかソワソワと落ち着かない様子を見せる彼。
「大丈夫だよ、きっと………僕が二人のマーになるから」
不安を一掃しようと笑顔で明るく振る舞った。
「未知には敵わないな」
「当たり前だ、俺の自慢の孫なんだから」
「儂にとっても自慢の嫁だ」
腕を前で組みゲラゲラと声をあげて豪快に笑うお祖父ちゃんとお義父さん。
ふと、地竜さんのことが頭に浮かんできた。
あのあとどうなったんだろう………
「ママ、だっこちて」
遥香にツンツンと服の裾を引っ張られ抱っこをせがまれて。ハッとして我に返った。
「ごめんね遥香、ママぼぉっとしてて」
笑顔でよいっしょと抱き上げると溢れるようなニコニコの笑顔を見せてくれた。
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