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裏切ることは絶対に許さない
裏切ることは絶対に許さない
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「しつこい連中だ」
バックミラー越しに後ろを何度か確認する運転手さん。
コンビニを出てから五分とも経たず、後ろから猛追してきた黒い車二台にあっという間に追い付かれてしまった。
クラクションを何度も鳴らし、わざと車間距離を詰めたりして、強引にタクシーを停車させようとした。
こんな切羽詰まった状況にも関わらず運転手さんは冷静そのものだった。もう少し辛抱すればお巡りさんが駆けつけてくれるはずだ。坊や我慢できるか?
何度も一太に優しく声を掛けてくれて。
怖がらせないように気を遣ってくれた。
「卯月さん、俺の代わりに電話を掛けてくれないか?」
イヤホンが付いたままのスマホを片方の手で渡された。
「イヤホンを抜いてスピーカーにしてくれ。番号は080の………」
運転手さんに言われた通りダイヤルを入力すると、男の人の声がすぐに聞こえてきた。
『どうした珍しいな。お前が電話を掛けてくるなんてな』
「詳しい説明はあとだ。前に一度昇龍会の幹部に知り合いがいるって言ってたよな?」
『あぁ』
「ならその知り合いに、菱沼組の関係者である卯月未知が人相の悪い中国人に命を狙われ追われている。かなり状況は厳しい。そう伝えてくれないか?大至急だ」
『分かった。お前こそ大丈夫なのか?』
「あぁ大丈夫だ。卯月さん電話を切っていいぞ」
運転手に言われて電話を切った。
「あの…………」
「相手はただ者じゃない。最近よく耳にする中国マフィアの何とかっていう連中だろう」
「だからこそ、無関係な運転手さんをこれ以上巻き込む訳には………」
「乗り掛かった船だ。気にしなくていい」
赤に変わる寸前の信号機を猛スピードで突き抜けるとすぐに一方通行の細い脇道に入った。
「坊や、少し揺れるからしっかり弟を抱っこしてろよ」
バックミラー越しに後ろを何度か確認する運転手さん。
コンビニを出てから五分とも経たず、後ろから猛追してきた黒い車二台にあっという間に追い付かれてしまった。
クラクションを何度も鳴らし、わざと車間距離を詰めたりして、強引にタクシーを停車させようとした。
こんな切羽詰まった状況にも関わらず運転手さんは冷静そのものだった。もう少し辛抱すればお巡りさんが駆けつけてくれるはずだ。坊や我慢できるか?
何度も一太に優しく声を掛けてくれて。
怖がらせないように気を遣ってくれた。
「卯月さん、俺の代わりに電話を掛けてくれないか?」
イヤホンが付いたままのスマホを片方の手で渡された。
「イヤホンを抜いてスピーカーにしてくれ。番号は080の………」
運転手さんに言われた通りダイヤルを入力すると、男の人の声がすぐに聞こえてきた。
『どうした珍しいな。お前が電話を掛けてくるなんてな』
「詳しい説明はあとだ。前に一度昇龍会の幹部に知り合いがいるって言ってたよな?」
『あぁ』
「ならその知り合いに、菱沼組の関係者である卯月未知が人相の悪い中国人に命を狙われ追われている。かなり状況は厳しい。そう伝えてくれないか?大至急だ」
『分かった。お前こそ大丈夫なのか?』
「あぁ大丈夫だ。卯月さん電話を切っていいぞ」
運転手に言われて電話を切った。
「あの…………」
「相手はただ者じゃない。最近よく耳にする中国マフィアの何とかっていう連中だろう」
「だからこそ、無関係な運転手さんをこれ以上巻き込む訳には………」
「乗り掛かった船だ。気にしなくていい」
赤に変わる寸前の信号機を猛スピードで突き抜けるとすぐに一方通行の細い脇道に入った。
「坊や、少し揺れるからしっかり弟を抱っこしてろよ」
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