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青蛇vs黒竜
青蛇vs黒竜
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「コイツらは金の為なら殺しも厭わない連中だ。お前らみたいな雑魚が束になっても敵う相手じゃない。命が惜しかったら退け」
男達の背後からもう一人、誰よりも背の高いの日本人の男が姿を現した。年は彼と同い年くらいだろうか。近寄りがたい雰囲気を醸し出し、年齢以上に貫禄があった。
「李浩然の妻子がここにいると聞いて迎えに来ただけだ。何か知らないか?」
男の視線が僕や一太へと向けられた。
「いちたのパパはうづきはるだよ」男と目が合うなり、怖がる素振りを見せることなく大きい声で一太が堂々と答えた。
「随分としっかりした子供だ」男が目を見張った。
「兄貴」男の側にいた若い男性が何かに気付きヒソヒソと何かを耳打ちした。
「お前が未知《ウェイヂー》か。リー・レオハンの妻の」
ニヤリと男が笑った。
「違う。それは勘違いで……」
首を横に振り必死で否定した。
もう少しで近くの月極駐車場に車を駐車しに行った吉崎さんが戻ってくる。
その前に彼に連絡しないと………助けを求めないと。
そう思いスマホに手を伸ばそうとした。
でも途中で思いとどまった。
男が一太の喉元にサバイバルナイフを突き立て脅してきたから。為す術がなかった。
男達の背後からもう一人、誰よりも背の高いの日本人の男が姿を現した。年は彼と同い年くらいだろうか。近寄りがたい雰囲気を醸し出し、年齢以上に貫禄があった。
「李浩然の妻子がここにいると聞いて迎えに来ただけだ。何か知らないか?」
男の視線が僕や一太へと向けられた。
「いちたのパパはうづきはるだよ」男と目が合うなり、怖がる素振りを見せることなく大きい声で一太が堂々と答えた。
「随分としっかりした子供だ」男が目を見張った。
「兄貴」男の側にいた若い男性が何かに気付きヒソヒソと何かを耳打ちした。
「お前が未知《ウェイヂー》か。リー・レオハンの妻の」
ニヤリと男が笑った。
「違う。それは勘違いで……」
首を横に振り必死で否定した。
もう少しで近くの月極駐車場に車を駐車しに行った吉崎さんが戻ってくる。
その前に彼に連絡しないと………助けを求めないと。
そう思いスマホに手を伸ばそうとした。
でも途中で思いとどまった。
男が一太の喉元にサバイバルナイフを突き立て脅してきたから。為す術がなかった。
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