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いのちの線引き
いのちの線引き
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「少しくらい楽しませてくれるのかと思ったのにね。ひ弱な連中ばっかでさぁ、全然歯応えないんだもの。面白くもなんともない」
ハハハと高笑いしカチャリと引き金を引いた。
「未知さん!」
異変に気が付いた橘さんがすぐに駆け付けてくれて一太と遥香と心望が寝ている布団の前に両手を大きく広げ立ち塞がった。
ちょうどその時、パンと乾いた音が外から聞こえてきて、スーツの内ポケットに手を入れ何かを取り出そうとした吉崎さんの右手の甲を掠めた。
「スカルか?ふざけた真似しやがって」
ニヤリと自嘲すると、ポケットからハンカチを取り出し、もう片方の手で器用にぐるぐると巻き付けた。血がじわりと滲み出てあっという間に白いハンカチを赤黒い色に染めてしまった。
「年寄りだからといってバカにすんじゃねぇ。まだまだ若い者には負けん」
吉崎さんは素早く体を翻すと、懐からナイフを取り出し、彩さんの喉元に突き立てた。
「子供に銃を向けるなど言語道断」
そう言って銃を取り上げると間一髪入れずに庭に向けて一発撃った。
その鈍い金属音にびくっとして一太が目を覚ました。
「あれ?ママどうしたの?」
目を擦りながら辺りを見回す一太。
「おねえしゃんだれ?」
寝起きでまだ焦点が合わないのかぼぉーとしながら彩さんに声を掛けた。
ハハハと高笑いしカチャリと引き金を引いた。
「未知さん!」
異変に気が付いた橘さんがすぐに駆け付けてくれて一太と遥香と心望が寝ている布団の前に両手を大きく広げ立ち塞がった。
ちょうどその時、パンと乾いた音が外から聞こえてきて、スーツの内ポケットに手を入れ何かを取り出そうとした吉崎さんの右手の甲を掠めた。
「スカルか?ふざけた真似しやがって」
ニヤリと自嘲すると、ポケットからハンカチを取り出し、もう片方の手で器用にぐるぐると巻き付けた。血がじわりと滲み出てあっという間に白いハンカチを赤黒い色に染めてしまった。
「年寄りだからといってバカにすんじゃねぇ。まだまだ若い者には負けん」
吉崎さんは素早く体を翻すと、懐からナイフを取り出し、彩さんの喉元に突き立てた。
「子供に銃を向けるなど言語道断」
そう言って銃を取り上げると間一髪入れずに庭に向けて一発撃った。
その鈍い金属音にびくっとして一太が目を覚ました。
「あれ?ママどうしたの?」
目を擦りながら辺りを見回す一太。
「おねえしゃんだれ?」
寝起きでまだ焦点が合わないのかぼぉーとしながら彩さんに声を掛けた。
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