483 / 799
つかの間の帰省
紗智さんお見合いをする
しおりを挟む
「あっ!いちたのじいじだ~~」
黒光りする大きな門の前でお義父さんが腕を前で組み出迎えてくれた。先に福島を出発した颯人さんと琥珀さん、それに睦さんも一緒に迎えてくれた。車から下りるなり一太がお義父さんめがけて走っていった。
「おぅ一太。元気だったか?」
「うん!じいじは?げんき?」
「儂はこの通りピンピンしておる。若い者には負けん」
「じいじ、いちたがいなくてさみしかったでしょう」
「あぁ寂しかったぞ」
「どんくらい」
「そうだな、このぐらいかな」
両手を大きく広げて見せると、一太はニコニコと笑ってお義父さんの胸元に飛び込んでいった。
「親父さん、30分以上前からここでうろうろしながら首を長くしてずっと待ってたんですよ」
颯人さんが彼の耳にそっと告げた。
「なんだかんだといって孫に会うのを一番楽しみにしているのは親父なのかのかもな。そういえば颯人、琥珀や睦をみんなに紹介出来たのか?」
「はい。父が前もって組のみんなに琥珀や睦のことを説明してくれたみたいで………親父さんが、琥珀にちょうどいい見合い相手がいるって言ってました」
「ちょうどいい相手って誰だ?親父、何か言ってたか?」
「いいえそれ以上は何も」
「そうか」
琥珀さんに目を向けると、遥香と手を繋ぎ嬉しそうにニコニコと笑っていた。
「人に言えないくらい辛い想いをしてきたんだ。誰よりも幸せになって貰わないと」
「ただ単に未知を一人占めしたいだけだろうが。違うか遥琉」
大勢の舎弟を引き連れて、裕貴さんが門を潜り姿を現した。
「未知の膝の上に誰が寝るかで、琥珀と鳥飼と喧嘩して、一太や遥香に、喧嘩はだめって注意されているって聞いたぞ」
「五月蝿いな」
早速耳の痛いことを言われムスッとし不貞腐れる彼。
鳥飼さんはそうやすやすと僕のことを諦めてはくれなくて。彼がいない隙を狙ってちょくちょく姿を見せ、琥珀さんと同じように甘えてくるからかなり困ってる。
黒光りする大きな門の前でお義父さんが腕を前で組み出迎えてくれた。先に福島を出発した颯人さんと琥珀さん、それに睦さんも一緒に迎えてくれた。車から下りるなり一太がお義父さんめがけて走っていった。
「おぅ一太。元気だったか?」
「うん!じいじは?げんき?」
「儂はこの通りピンピンしておる。若い者には負けん」
「じいじ、いちたがいなくてさみしかったでしょう」
「あぁ寂しかったぞ」
「どんくらい」
「そうだな、このぐらいかな」
両手を大きく広げて見せると、一太はニコニコと笑ってお義父さんの胸元に飛び込んでいった。
「親父さん、30分以上前からここでうろうろしながら首を長くしてずっと待ってたんですよ」
颯人さんが彼の耳にそっと告げた。
「なんだかんだといって孫に会うのを一番楽しみにしているのは親父なのかのかもな。そういえば颯人、琥珀や睦をみんなに紹介出来たのか?」
「はい。父が前もって組のみんなに琥珀や睦のことを説明してくれたみたいで………親父さんが、琥珀にちょうどいい見合い相手がいるって言ってました」
「ちょうどいい相手って誰だ?親父、何か言ってたか?」
「いいえそれ以上は何も」
「そうか」
琥珀さんに目を向けると、遥香と手を繋ぎ嬉しそうにニコニコと笑っていた。
「人に言えないくらい辛い想いをしてきたんだ。誰よりも幸せになって貰わないと」
「ただ単に未知を一人占めしたいだけだろうが。違うか遥琉」
大勢の舎弟を引き連れて、裕貴さんが門を潜り姿を現した。
「未知の膝の上に誰が寝るかで、琥珀と鳥飼と喧嘩して、一太や遥香に、喧嘩はだめって注意されているって聞いたぞ」
「五月蝿いな」
早速耳の痛いことを言われムスッとし不貞腐れる彼。
鳥飼さんはそうやすやすと僕のことを諦めてはくれなくて。彼がいない隙を狙ってちょくちょく姿を見せ、琥珀さんと同じように甘えてくるからかなり困ってる。
12
お気に入りに追加
528
あなたにおすすめの小説

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】


その部屋に残るのは、甘い香りだけ。
ロウバイ
BL
愛を思い出した攻めと愛を諦めた受けです。
同じ大学に通う、ひょんなことから言葉を交わすようになったハジメとシュウ。
仲はどんどん深まり、シュウからの告白を皮切りに同棲するほどにまで関係は進展するが、男女の恋愛とは違い明確な「ゴール」のない二人の関係は、失速していく。
一人家で二人の関係を見つめ悩み続けるシュウとは対照的に、ハジメは毎晩夜の街に出かけ二人の関係から目を背けてしまう…。

息の仕方を教えてよ。
15
BL
コポコポ、コポコポ。
海の中から空を見上げる。
ああ、やっと終わるんだと思っていた。
人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。
そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。
いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚?
そんなことを沈みながら考えていた。
そしてそのまま目を閉じる。
次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。
話自体は書き終えています。
12日まで一日一話短いですが更新されます。
ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま

幸せになりたかった話
幡谷ナツキ
BL
このまま幸せでいたかった。
このまま幸せになりたかった。
このまま幸せにしたかった。
けれど、まあ、それと全部置いておいて。
「苦労もいつかは笑い話になるかもね」
そんな未来を想像して、一歩踏み出そうじゃないか。

彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる