single tear drop

ななもりあや

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すべてのはじまりは23年前に勃発した内部抗争

すべてのはじまりは23 年前に勃発した内部抗争

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「中国語なんて分かるわけないだろうが。嫌がらせか?」

「マーは、みんなのマー。一人占め駄目」

「はぁ?」

苛立ちを露にする鳥飼さん。

「リーや真沙哉のペットだった癖に……随分と偉そうだな」

しまいには痛烈な一言を浴びせた。
「ペットじゃないよ」怒りに震えながら飛び掛かろうとした琥珀さんを、
「子供の前だ場所をわきまえろ」
そう窘めて彼が引き留めてくれた。

「ちょっと待て」睦さんが慌てて鳥飼さんに駆け寄った。

「琥珀はもう青蛇のナンバー2じゃない。菱沼組の人間だ。なぁ鳥飼、ここでやり直すって、再出発するって言ったよな?それならまずは謝るのが先だろう。違うか?」

「睦さん……」

宥めれてようやく冷静さを取り戻したみたいで、琥珀さんに素直に悪かった言い過ぎたと謝ってくれた。

「喧嘩している場合じゃあないだろう。リーがいつ行動を起こすか分からない状況だ。九鬼総業や、行き場がない湍水組の下っ端連中はこぞってリー側に付いた。鳥飼、睦、お前らは元々九鬼総業の人間だ。マチガイが起きれば親兄弟を敵に回すことになる。刺し違えるくらいの覚悟は出来ているんだろうな」

「あぁ勿論だ」

鳥飼さんの表情が引き締まった。
睦さんも、九鬼の家から出た時点で親子の縁は切ったときっぱりと断言した。

僕になるべく鳥飼さんを近付けさせたくない彼は、鳥飼さんを度会さんに預け(というかムリムリ押し付けた)睦さんの面倒は根岸さんがみることになった。はじめて出来た弟分に颯人さんは、

「兄貴、兄貴と呼ばれると何だか背中がむず痒くて仕方ない」

戸惑いながらも何だか嬉しそうだった。


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