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焼きもちを妬いてばかりいる彼
焼きもちを妬いてばかりいる彼
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「しゃあないだろう、龍一家と縣一家で面倒みるからって何度言っても、頑として首を縦に振らないんだ。理由を聞いたら未知や子供達の側がいいって………焼きもち妬きの亭主にあらぬ疑いを掛けられて面倒なことに巻き込まれるから止めとけって言ったんだがな」
橘さんが迎えに来てくれるまで待合室で待たせて貰うことになったのはいいけれど、彼の機嫌は一向に良くならなった。臍を曲げたまま仏頂面していた。
遥香は一太と琥珀さんの間にちょこんと座り、手遊びして遊んで貰っていた。一太も遥香もすっごく楽しそうに笑っていた。
一太は琥珀さんと初対面なのにも関わらず、すぐに懐いて、遥香と同じく「こはくさん」を連呼して「本当はフーボーなんだけどな……」かなり困らせていた。
「なぁ、遥琉、もし琥珀がいなかったら、未知は青蛇の若い連中の慰み者になっていただろうし、曾孫らも五月蝿い、邪魔そう言われてすぐに首をへし折られて三人とも真っ先に殺されていた」
そんな三人を目を細めて眺めていたお祖父ちゃんが、諭すようにゆっくりとした口調で彼に語り掛けた。
「昨日まで青蛇のナンバー2として真沙哉の右腕だった男を信用しろというのがまず無理だ。未知や子供達を守ってくれたことには感謝するが………」
そこで言葉を止めると苦しげに眉間に皺を寄せ、琥珀さんを睨むように見詰めた。
「琥珀はな、一太くらいの時に誘拐され、同じく誘拐された子供たちの世話を強要され、生きるためにはそれに従うしかなかった。表向きは本物の浩然の子供。でも実際は性玩具《オモチャ》として浩然や、幹部連中の肉便器………慰み物になっていたらしい」
お祖父ちゃんが彼に、琥珀さんが持っていた拳銃と、自分が持っていた折り畳み式のナイフを渡した。
琥珀さんの衝撃的な過去を知り彼も僕も絶句ししばし言葉を失った。
橘さんが迎えに来てくれるまで待合室で待たせて貰うことになったのはいいけれど、彼の機嫌は一向に良くならなった。臍を曲げたまま仏頂面していた。
遥香は一太と琥珀さんの間にちょこんと座り、手遊びして遊んで貰っていた。一太も遥香もすっごく楽しそうに笑っていた。
一太は琥珀さんと初対面なのにも関わらず、すぐに懐いて、遥香と同じく「こはくさん」を連呼して「本当はフーボーなんだけどな……」かなり困らせていた。
「なぁ、遥琉、もし琥珀がいなかったら、未知は青蛇の若い連中の慰み者になっていただろうし、曾孫らも五月蝿い、邪魔そう言われてすぐに首をへし折られて三人とも真っ先に殺されていた」
そんな三人を目を細めて眺めていたお祖父ちゃんが、諭すようにゆっくりとした口調で彼に語り掛けた。
「昨日まで青蛇のナンバー2として真沙哉の右腕だった男を信用しろというのがまず無理だ。未知や子供達を守ってくれたことには感謝するが………」
そこで言葉を止めると苦しげに眉間に皺を寄せ、琥珀さんを睨むように見詰めた。
「琥珀はな、一太くらいの時に誘拐され、同じく誘拐された子供たちの世話を強要され、生きるためにはそれに従うしかなかった。表向きは本物の浩然の子供。でも実際は性玩具《オモチャ》として浩然や、幹部連中の肉便器………慰み物になっていたらしい」
お祖父ちゃんが彼に、琥珀さんが持っていた拳銃と、自分が持っていた折り畳み式のナイフを渡した。
琥珀さんの衝撃的な過去を知り彼も僕も絶句ししばし言葉を失った。
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