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彼のお兄さん
彼のお兄さん
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「今確か遥琉って・・・・」
白目も見えるほどに目を見開く咲さん。これだけ騒々しくてもすやすやと熟睡する3人にようやく気が付き、ニヤリと唇の端を歪めて笑った。
「ヘ~ぇ、貴方がね・・・・」
嫌悪感を露骨に表情に出して、ジロジロと好奇の目で全身をくまなく見られた。
「どこにでもいる普通の子じゃないの。噂じゃ、子供だしにして遥琉に色仕掛けで近付いて、那奈を追い出し、妻の座に納まった、性悪女、略奪女だって。私は遥琉の結婚相手が那奈だから彼を託したのよ」
どれだけ侮辱されようがただひたすら耐えるしかなかった。
那奈姉さんから彼を奪ったのは事実だし、一太がいなかったら僕みたいなこぶつきの気色悪いのと一緒になってくれなかった。
悔しかったけど上唇を噛み締めて、じっと我慢した。子供たちの前でみっともない真似だけはしたくなかったから。
「あれ、はるちゃんのパパは?」
眠気眼をゴシゴシと手で拭う遥香。てっきりパパだと思い込んでいた人が別のひとだと分かると声をあげながら泣き出した。
「頼むから俺の顔を見て泣くな。琥珀に怒鳴られる」
急にそわそわし始める真沙哉さん。
ガキは苦手なんだ、そうぶつぶつと一人言を口にして、
「琥珀を早く呼び戻せ‼」
側にいた部下に慌てた様子で命じた。
大好きな橘さんも、一太もいないことに気が付き、涙を溢ししゃくりあげる遥香。いつもなら寝起きがいいのに。パパとおにいちゃんとままたんがいない。はるちゃんさみしい。おうちにかえりたい。そればかりうわ言のように繰り返し、ますます機嫌が悪くなっていた。
遥香の泣き声につられてか太惺と心望までふぇ~んふぇ~んと泣き出したものだから、琥珀さんが戻ってくる前にそそくさと脱兎の如く逃げ出した。
白目も見えるほどに目を見開く咲さん。これだけ騒々しくてもすやすやと熟睡する3人にようやく気が付き、ニヤリと唇の端を歪めて笑った。
「ヘ~ぇ、貴方がね・・・・」
嫌悪感を露骨に表情に出して、ジロジロと好奇の目で全身をくまなく見られた。
「どこにでもいる普通の子じゃないの。噂じゃ、子供だしにして遥琉に色仕掛けで近付いて、那奈を追い出し、妻の座に納まった、性悪女、略奪女だって。私は遥琉の結婚相手が那奈だから彼を託したのよ」
どれだけ侮辱されようがただひたすら耐えるしかなかった。
那奈姉さんから彼を奪ったのは事実だし、一太がいなかったら僕みたいなこぶつきの気色悪いのと一緒になってくれなかった。
悔しかったけど上唇を噛み締めて、じっと我慢した。子供たちの前でみっともない真似だけはしたくなかったから。
「あれ、はるちゃんのパパは?」
眠気眼をゴシゴシと手で拭う遥香。てっきりパパだと思い込んでいた人が別のひとだと分かると声をあげながら泣き出した。
「頼むから俺の顔を見て泣くな。琥珀に怒鳴られる」
急にそわそわし始める真沙哉さん。
ガキは苦手なんだ、そうぶつぶつと一人言を口にして、
「琥珀を早く呼び戻せ‼」
側にいた部下に慌てた様子で命じた。
大好きな橘さんも、一太もいないことに気が付き、涙を溢ししゃくりあげる遥香。いつもなら寝起きがいいのに。パパとおにいちゃんとままたんがいない。はるちゃんさみしい。おうちにかえりたい。そればかりうわ言のように繰り返し、ますます機嫌が悪くなっていた。
遥香の泣き声につられてか太惺と心望までふぇ~んふぇ~んと泣き出したものだから、琥珀さんが戻ってくる前にそそくさと脱兎の如く逃げ出した。
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