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7ヶ月後
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「ねぇねぇ裕貴、さっきから何を怒ってるの?」
「別に」
太惺の小さな手が心さんの服をぎゅっと掴んだまま離そうとしなくて。無理に引き離してまた泣き出したら可哀想だからと、ずっと抱っこしていたら、裕貴さんの機嫌がどんどん悪くなっていった。
「もしかしてうちの子に焼きもちを妬いているのか?」
「う、五月蝿い!」
図星だったのか顔を真っ赤にし、必死に否定する裕貴さん。
「そういう遥琉だって、千里にやきもちを妬いているだろう」
「はぁ?」
「はぁ?じゃねぇよ、惚けるな。目がマジで怖いんだよ。女同士別にべたべたしてても構わないだろう」
裕貴さんも負けてはいない。些細なことでいつものように口喧嘩をはじめる二人。
「遥琉も裕貴さんも子供の前ですよ。喧嘩はその位にしてください」
仲裁に入るのは決まって橘さん。
心望をあやしながら、大人気がないパパとおじちゃんにはほとほと困ったものですね。そう話し掛けていた。
「おぃ、橘。今、確かおじちゃんって言っただろう。撤回しろ」
飛び掛かる勢いで橘さんを睨み付ける裕貴さん。
「ちょっと裕貴、恥ずかしいから止めて。この子達からしたら、僕たちはおじちゃんだよ。だから、喧嘩はだめ!」
心さんが慌てて仲裁に入った。
「別に」
太惺の小さな手が心さんの服をぎゅっと掴んだまま離そうとしなくて。無理に引き離してまた泣き出したら可哀想だからと、ずっと抱っこしていたら、裕貴さんの機嫌がどんどん悪くなっていった。
「もしかしてうちの子に焼きもちを妬いているのか?」
「う、五月蝿い!」
図星だったのか顔を真っ赤にし、必死に否定する裕貴さん。
「そういう遥琉だって、千里にやきもちを妬いているだろう」
「はぁ?」
「はぁ?じゃねぇよ、惚けるな。目がマジで怖いんだよ。女同士別にべたべたしてても構わないだろう」
裕貴さんも負けてはいない。些細なことでいつものように口喧嘩をはじめる二人。
「遥琉も裕貴さんも子供の前ですよ。喧嘩はその位にしてください」
仲裁に入るのは決まって橘さん。
心望をあやしながら、大人気がないパパとおじちゃんにはほとほと困ったものですね。そう話し掛けていた。
「おぃ、橘。今、確かおじちゃんって言っただろう。撤回しろ」
飛び掛かる勢いで橘さんを睨み付ける裕貴さん。
「ちょっと裕貴、恥ずかしいから止めて。この子達からしたら、僕たちはおじちゃんだよ。だから、喧嘩はだめ!」
心さんが慌てて仲裁に入った。
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