single tear drop

ななもりあや

文字の大きさ
上 下
391 / 796
7ヶ月後

7ヶ月後

しおりを挟む
生後4週間の一太を連れお宮参りに行った近所の小さな神社。写真館で撮影するお金がないから、茨木さんに頼みそこで撮影して貰った。
たった二人きりの、はじめての家族写真。
手探りで始まった初めての子育て。頼るべき親もいない、その日暮らしの貧しい生活。
毎日が不安で、今にも押し潰されそうになりながらも、一太を守るため歯を食いくいしばり無我夢中で生きてきた。

あれから6年………

「未知、早く早く!」
千里さんに急かされ、撮影スタジオに入るとフォーマルスーツに身を包んだみんなが集まっていた。
心さんと裕貴さん夫婦に、千里さんと笹原さん夫婦。信孝さんとナオさん夫婦。二人の大切な子供たち。
僕と一太が引き合わせた橘さんと柚原さん。そして和泉さんと鷲崎さんもわざわざ駆け付けてくれた。

「遥琉の子供には到底思えないな。そう思うだろ七海」

「二人ともママ似で良かったね~」

僕と彼の腕に抱かれ、あどけない寝顔でスヤスヤと眠っているのは、一月前に産まれたばかりの太惺《たいせい》と心望《このみ》。
予定日より3日早く陣痛が始まり三時間も経たずあっという間に産まれ先生たちをびっくりさせた。

和泉さんが心望を起こさないように、そぉーと覗き込むと、目をパッチリと開けてにっこりと微笑んでくれた。あまりの可愛らしさに歓声を上げる和泉さん。早速メロメロになっていた。

一太も遥香も、来月誕生日を迎えると6歳と3歳。兄弟が増え、しっかりものの頼もしいお兄ちゃんとお世話が大好きなお姉ちゃんに成長した。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

六日の菖蒲

あこ
BL
突然一方的に別れを告げられた紫はその後、理由を目の当たりにする。 落ち込んで行く紫を見ていた萌葱は、図らずも自分と向き合う事になった。 ▷ 王道?全寮制学園ものっぽい学園が舞台です。 ▷ 同室の紫と萌葱を中心にその脇でアンチ王道な展開ですが、アンチの影は薄め(のはず) ▷ 身代わりにされてた受けが幸せになるまで、が目標。 ▷ 見た目不良な萌葱は不良ではありません。見た目だけ。そして世話焼き(紫限定)です。 ▷ 紫はのほほん健気な普通顔です。でも雰囲気補正でちょっと可愛く見えます。 ▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。

忘れ物

うりぼう
BL
記憶喪失もの 事故で記憶を失った真樹。 恋人である律は一番傍にいながらも自分が恋人だと言い出せない。 そんな中、真樹が昔から好きだった女性と付き合い始め…… というお話です。

僕は君になりたかった

15
BL
僕はあの人が好きな君に、なりたかった。 一応完結済み。 根暗な子がもだもだしてるだけです。

目標、それは

mahiro
BL
画面には、大好きな彼が今日も輝いている。それだけで幸せな気分になれるものだ。 今日も今日とて彼が歌っている曲を聴きながら大学に向かえば、友人から彼のライブがあるから一緒に行かないかと誘われ……?

代わりでいいから

氷魚彰人
BL
親に裏切られ、一人で生きていこうと決めた青年『護』の隣に引っ越してきたのは強面のおっさん『岩間』だった。 不定期に岩間に晩御飯を誘われるようになり、何時からかそれが護の楽しみとなっていくが……。 ハピエンですがちょっと暗い内容ですので、苦手な方、コメディ系の明るいお話しをお求めの方はお気を付け下さいませ。 他サイトに投稿した「隣のお節介」をタイトルを変え、手直ししたものになります。

お前が結婚した日、俺も結婚した。

jun
BL
十年付き合った慎吾に、「子供が出来た」と告げられた俺は、翌日同棲していたマンションを出た。 新しい引っ越し先を見つける為に入った不動産屋は、やたらとフレンドリー。 年下の直人、中学の同級生で妻となった志帆、そして別れた恋人の慎吾と妻の美咲、絡まりまくった糸を解すことは出来るのか。そして本田 蓮こと俺が最後に選んだのは・・・。 *現代日本のようでも架空の世界のお話しです。気になる箇所が多々あると思いますが、さら〜っと読んで頂けると有り難いです。 *初回2話、本編書き終わるまでは1日1話、10時投稿となります。

林檎を並べても、

ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。 二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。 ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。 彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。

紹介なんてされたくありません!

mahiro
BL
普通ならば「家族に紹介したい」と言われたら、嬉しいものなのだと思う。 けれど僕は男で目の前で平然と言ってのけたこの人物も男なわけで。 断りの言葉を言いかけた瞬間、来客を知らせるインターフォンが鳴り響き……?

処理中です...