single tear drop

ななもりあや

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彼の幸せは僕と彼の幸せでもある

彼の幸せは僕と彼の幸せでもある

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【遥琉さん・・・・・?】

それ以上何もしてこない彼に不安になり、肩で息を吐きながら上目遣いにチラッと見た。

「安定期になるまで待つって言っただろう」

柔らかな笑みを湛え額にチュッと口づけをしてくれた。
自分のことよりも僕のことを気遣ってくれる彼。いつも我慢ばかりさせてごめんなさい。

「だからいちいち謝らなくていい」

慣れた手付きで濡れた性器をティッシュで優しく拭いてくれた。

「一太と遥香がそのうち起こしにくるだろうから、それまで寝ていたらどうだ」

タオルケットをお腹に掛けると、すっと立ち上がった。一人になるのがイヤで咄嗟にその大きな手を掴んだ。

「裕貴と話しをしてくるだけだ。未知を置いてどこにも行かないから心配するな。何かあれば隣に橘がいるから声を掛けたらいい」

【え⁉橘さん?】

隣にいるのは和泉さんじゅないの?
首を傾げていると、さっと静かにカーテンが開いて、満面の笑みを浮かべる橘さんと柚原さんと目が合った。

「これで満足だろ」

「えぇ、朝から可愛らしい未知さんの声を聞かせて貰い満足しました」

穴があったら入りたいくらい恥ずかしいのに。ごく普通に会話を交わす彼と橘さん。どこを見ていいか分からなくて、タオルケットを頭から被った。
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