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修羅の妄執
修羅の妄執
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くくっと鳥飼さんまで笑い出したから驚いた。
だって彼が笑う顔、初めて見たんだもの。
「正直、野郎同士の夫婦なんて有り得ないと思っていた。でも優璃と柚原を見て、考えが変わった」
「たまたま好きになった相手が同性だった、それだけの事だ。俺も、優璃も未知も・・・なぁ鳥飼、そろそろお前も身を固めたらどうだ?」
「まず相手がいない」
「はぁ?冗談だろ?キャバ嬢にモテモテだって聞いたぞ」
「いや、その・・・」
容赦ない突っ込みにたじたじになる鳥飼さん。 しどろもどろになりながら、独り言をぶつぶつと口にしていた。
颯人さんがコンビニで購入してきてくれたお弁当をレジ袋から取り出す橘さん。数を数えて何かに気がついたようだった。
「鳥飼さん、帰らないんですか?」
「邪魔していないんだ。別にいても構わないやろ」
「では食事が終わるまで大人しく待っていただけますか?」
「俺だけ晩飯抜き?」
不満を口にし不貞腐れる鳥飼さん。
その姿が誰かさんとそっくりで、思わずクスクスと声に出して笑ってしまった。
「普通笑うか!?」
じろりと脅すように睨み付けられた。ただでさえ顔がこわいのに、そんなに睨まないでほしい。
えへへ、笑って誤魔化そうとしたけれど、彼同様鳥飼さんにも通用しなかった。
【あまり食欲がないから食べてください】
ビクビクしながらお弁当を彼の前に差し出した。
「何だ、食べないのか?」
冷ややかな視線を痛いくらい感じながら、小さく頷くと、
「少しくらい食べろ。お前が残したので充分だ」
予想もしていなかったことを言われ、驚いて上目遣いに鳥飼さんを見ると、にっこりと笑顔を浮かべていた。
さっきまで僕のこと睨んでいたのに………
だって彼が笑う顔、初めて見たんだもの。
「正直、野郎同士の夫婦なんて有り得ないと思っていた。でも優璃と柚原を見て、考えが変わった」
「たまたま好きになった相手が同性だった、それだけの事だ。俺も、優璃も未知も・・・なぁ鳥飼、そろそろお前も身を固めたらどうだ?」
「まず相手がいない」
「はぁ?冗談だろ?キャバ嬢にモテモテだって聞いたぞ」
「いや、その・・・」
容赦ない突っ込みにたじたじになる鳥飼さん。 しどろもどろになりながら、独り言をぶつぶつと口にしていた。
颯人さんがコンビニで購入してきてくれたお弁当をレジ袋から取り出す橘さん。数を数えて何かに気がついたようだった。
「鳥飼さん、帰らないんですか?」
「邪魔していないんだ。別にいても構わないやろ」
「では食事が終わるまで大人しく待っていただけますか?」
「俺だけ晩飯抜き?」
不満を口にし不貞腐れる鳥飼さん。
その姿が誰かさんとそっくりで、思わずクスクスと声に出して笑ってしまった。
「普通笑うか!?」
じろりと脅すように睨み付けられた。ただでさえ顔がこわいのに、そんなに睨まないでほしい。
えへへ、笑って誤魔化そうとしたけれど、彼同様鳥飼さんにも通用しなかった。
【あまり食欲がないから食べてください】
ビクビクしながらお弁当を彼の前に差し出した。
「何だ、食べないのか?」
冷ややかな視線を痛いくらい感じながら、小さく頷くと、
「少しくらい食べろ。お前が残したので充分だ」
予想もしていなかったことを言われ、驚いて上目遣いに鳥飼さんを見ると、にっこりと笑顔を浮かべていた。
さっきまで僕のこと睨んでいたのに………
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