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修羅の妄執
修羅の妄執
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僕に会いたがっている人がいるからと、事務所に来るように彼に呼び出された。遥香を橘さんに預け、一人では心細いから千里さんに同行を頼んだ。
中に入ると黒光りする革製のソファーに長い脚を器用に組み、背凭れにふんぞり返って座る男性がいた。年は彼ぐらいかな。
気難しい顔つきで彼や度会さんと何やら話し込んでいた。
「九鬼総業の若頭の鳥飼だ。遥琉がエライ年下のガキと再婚したって耳にはしてたんだが……君がそうか」
値踏みするようにじろじろと全身を見回された。
「噂通り、なかなか可愛い子やな。遥琉の女にしておくには勿体無い。どうだ、俺のモノになるか?」
ニヤリと唇の端がつり上がった。
「鳥飼、未知は……」
彼が慌てて立ち上がった。
「知っとる。妊娠中なんだろ?」
そのあと鳥飼さんがとんでもないことを言い出した。
「人の手柄を横取りした野郎をそっちに返す代わりに、彼をしばらく九鬼総業《うち》で預かるのはどうだ!?それで今回の件は水に流す」
「ふざけるな!」
到底聞き入れられない条件を提示され、烈火の如く彼が怒り出した。
中に入ると黒光りする革製のソファーに長い脚を器用に組み、背凭れにふんぞり返って座る男性がいた。年は彼ぐらいかな。
気難しい顔つきで彼や度会さんと何やら話し込んでいた。
「九鬼総業の若頭の鳥飼だ。遥琉がエライ年下のガキと再婚したって耳にはしてたんだが……君がそうか」
値踏みするようにじろじろと全身を見回された。
「噂通り、なかなか可愛い子やな。遥琉の女にしておくには勿体無い。どうだ、俺のモノになるか?」
ニヤリと唇の端がつり上がった。
「鳥飼、未知は……」
彼が慌てて立ち上がった。
「知っとる。妊娠中なんだろ?」
そのあと鳥飼さんがとんでもないことを言い出した。
「人の手柄を横取りした野郎をそっちに返す代わりに、彼をしばらく九鬼総業《うち》で預かるのはどうだ!?それで今回の件は水に流す」
「ふざけるな!」
到底聞き入れられない条件を提示され、烈火の如く彼が怒り出した。
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