330 / 799
下焦がれ拗らせ愛の行方
下焦がれ拗らせ愛の行方
しおりを挟む
彼に話しがあるからとリビングに呼び出され、スマホの画面を見せられた。路上で真沙哉さんと談笑する長身の四人の男性たちが写りこんでいた。暗くて顔までは分からなかった。
「そいつらは真沙哉が信頼を寄せる手下たちだ。命を狙われていると知り中国からわざわざ呼び寄せたらしい。福井が警戒するように連絡を寄越した」
続いて2枚目の写真を見せてくれた。
「未知に見せるかどうか迷ったんだけど……」そう前置きした上で。
二人の浴衣姿の若い女性の肩に手を回し上機嫌で温泉街を歩く大上が写っていた。すぐ側にはカレンさん。
「手配書が回っているのを知ってか知らずか、持ち出した組の金で愛人たちとあちこち豪遊しているらしい。拝島はその金を回収するためか大上を血眼になって捜しているらしい」
襲名式のあとすぐに行方をくらました和泉さんがいるかも知れない。大勢の観光客一人一人に目を凝らした。
「未知、そんなに和泉のことが気になるなら、鷲崎に頼んだらどうだ?」
キッチンに立ち洗い物をしていたら柚原さんにスマホをぽんと手渡された。
和泉さんの姿を探していたら、彼にまずは自分の体調を優先しろ、余計なことに首を突っ込むなって釘を刺された。
「鷲崎は、勘は野生動物並みに鋭いが、恋愛に関してはかなり鈍感だ。誰かが教えてやらないとおそらく死ぬまで気がつかないだろうよ」
目を手元に向けるとメールの入力画面になっていた。
「焼きもち妬きの亭主の相手は任せろ」
冷蔵庫から缶ビールとジュースを手に取ると、あとは頼む、そう言い残して何事もなかったようにリビングに戻ってしまった。
「そいつらは真沙哉が信頼を寄せる手下たちだ。命を狙われていると知り中国からわざわざ呼び寄せたらしい。福井が警戒するように連絡を寄越した」
続いて2枚目の写真を見せてくれた。
「未知に見せるかどうか迷ったんだけど……」そう前置きした上で。
二人の浴衣姿の若い女性の肩に手を回し上機嫌で温泉街を歩く大上が写っていた。すぐ側にはカレンさん。
「手配書が回っているのを知ってか知らずか、持ち出した組の金で愛人たちとあちこち豪遊しているらしい。拝島はその金を回収するためか大上を血眼になって捜しているらしい」
襲名式のあとすぐに行方をくらました和泉さんがいるかも知れない。大勢の観光客一人一人に目を凝らした。
「未知、そんなに和泉のことが気になるなら、鷲崎に頼んだらどうだ?」
キッチンに立ち洗い物をしていたら柚原さんにスマホをぽんと手渡された。
和泉さんの姿を探していたら、彼にまずは自分の体調を優先しろ、余計なことに首を突っ込むなって釘を刺された。
「鷲崎は、勘は野生動物並みに鋭いが、恋愛に関してはかなり鈍感だ。誰かが教えてやらないとおそらく死ぬまで気がつかないだろうよ」
目を手元に向けるとメールの入力画面になっていた。
「焼きもち妬きの亭主の相手は任せろ」
冷蔵庫から缶ビールとジュースを手に取ると、あとは頼む、そう言い残して何事もなかったようにリビングに戻ってしまった。
22
お気に入りに追加
528
あなたにおすすめの小説

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】


幸せになりたかった話
幡谷ナツキ
BL
このまま幸せでいたかった。
このまま幸せになりたかった。
このまま幸せにしたかった。
けれど、まあ、それと全部置いておいて。
「苦労もいつかは笑い話になるかもね」
そんな未来を想像して、一歩踏み出そうじゃないか。


騎士団で一目惚れをした話
菫野
BL
ずっと側にいてくれた美形の幼馴染×主人公
憧れの騎士団に見習いとして入団した主人公は、ある日出会った年上の騎士に一目惚れをしてしまうが妻子がいたようで爆速で失恋する。

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる