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波紋
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『用件だけ手短に言うわね。私達は無事よ。だから心配しないで』
いつもと変わらない明るい声に安堵し、目の奥に涙が溢れた。
『父から双子を妊娠したって聞いたよ。おめでとう。未知、ごめんね。関係のないあなたや遥琉を身内の揉め事に巻き込んでしまって・・・本当にごめんね』
繰り返し謝罪の言葉を口にする那奈姉さん。誰も悪くないよ。だから自分を責めないで。それに、巻き込まれたってこれっぽっちも思ってないよ。
『遥琉と少し話しがあるの。代わって貰える⁉』
彼の方をチラッと見ると目が合った。
「悪い、あとで掛け直す」
彼が電話を切ろうとしたら、背後からすっーと長い手が音もなく伸びてきた。
彼が後ろを振り返ると、遥香を片腕で抱き上げた柚原さんが憮然とした表情で立っていた。
「遼成に話しがある」
かなりご機嫌が斜めみたいで、イライラしていた。
「分かった」
その原因に心当たりがあるのか、やれやれといった表情でスマホを渡す彼。「遥香、パパっておいで」両手を広げるも、遥香はぶんぶんと首を横に振り柚原さんの首にしがみついた。
「はるちゃん、ぱぱたんがいい」
娘にあっさりとフラれ、ガックリと肩を落とす彼。気を取り直し、那奈姉さんと何やら話し始めた。
一方の柚原さんは、というと・・・
「真沙哉が帰国していること知ってて、何で今まで黙っていたんだ」
遼成さんに小言を並べて食ってかかった。
しまいには「どいつもこいつも新婚生活の邪魔をしやがって」ぶつぶつとボヤきながら一方的に電話を切った。
いつもと変わらない明るい声に安堵し、目の奥に涙が溢れた。
『父から双子を妊娠したって聞いたよ。おめでとう。未知、ごめんね。関係のないあなたや遥琉を身内の揉め事に巻き込んでしまって・・・本当にごめんね』
繰り返し謝罪の言葉を口にする那奈姉さん。誰も悪くないよ。だから自分を責めないで。それに、巻き込まれたってこれっぽっちも思ってないよ。
『遥琉と少し話しがあるの。代わって貰える⁉』
彼の方をチラッと見ると目が合った。
「悪い、あとで掛け直す」
彼が電話を切ろうとしたら、背後からすっーと長い手が音もなく伸びてきた。
彼が後ろを振り返ると、遥香を片腕で抱き上げた柚原さんが憮然とした表情で立っていた。
「遼成に話しがある」
かなりご機嫌が斜めみたいで、イライラしていた。
「分かった」
その原因に心当たりがあるのか、やれやれといった表情でスマホを渡す彼。「遥香、パパっておいで」両手を広げるも、遥香はぶんぶんと首を横に振り柚原さんの首にしがみついた。
「はるちゃん、ぱぱたんがいい」
娘にあっさりとフラれ、ガックリと肩を落とす彼。気を取り直し、那奈姉さんと何やら話し始めた。
一方の柚原さんは、というと・・・
「真沙哉が帰国していること知ってて、何で今まで黙っていたんだ」
遼成さんに小言を並べて食ってかかった。
しまいには「どいつもこいつも新婚生活の邪魔をしやがって」ぶつぶつとボヤきながら一方的に電話を切った。
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